見出し画像

西川材の惨状を、デザインで救えるか?

先日、西川材の産地のひとつである飯能の先、東吾野を訪れる。
材木屋さんと山主とのミーティングのためだが、もう少しマシな状態と思っていたので、話の内容はどこも同じかって感想と共に、まずいなーという印象を強く持った。
材木商の話では、外材との兼ね合い、良い木の定義という業界の慣例による呪縛、住宅事情が相まって、実は売れていない、売れ残りまくっているという実態。
山主からは木を切り出すだけ損するから山に入らず、手間をかけず、放置。平地になるところがあれば、駐車場で貸すのが一番儲かるという実態。挙句に今儲かっていると言っている連中は国からの補助金による人件費がたっぷりもらえるところにあるというクソみたいな実態だった。

西の川から運ばれてくる木材がいつしか“西川材”という名前になった。
貴重な資源、勿論、地元でもふんだんに使われていたため、里山として循環も良いペースでしていたのだろう。
火災の多かった江戸での需要も拍車がかかり、良質な木材として重宝されてきたわけだが、それも西洋化の波に呑まれ、つまり戦後どんどん不要となって行ったのだろうと想像がつく。

今、僕たちは木をそんなに使っているかと言われたら、日常に転がる木製品のほとんどが多くの場合、外材だったり、薄皮一枚良質な木でそれ以外は集成材的なものだったりということではないか。または中心にあるのは金属や樹脂と言われる材質だろう。
そりゃあ、需要無くなるし、山も荒れるわな・・というのはまあ当たり前の話であると思う。

でも、少しだけ考えてみれば、例えば西川材の代表格、ヒノキ。
ヒノキは日本の生活・文化風習に深く根を下ろし、感覚まで刺激してきた。長きにわたるその歴史から、僕たちはヒノキの香りを嗅ぐだけで、リラックスするようになってしまうくらいである。
確かに、上等な鮨屋のカウンターには檜などが使われ、なんとも言えない触り心地のある、あの木の記憶・・ヒノキのお風呂に入った時に感じる気持ちよさ。
どれも人間の本性かと思いきや、実は日本人にのみあると言っても良い独特の現象なんです。風鈴の音を聞いたときに清涼感を覚え、実際に1-2℃もの涼しさを感じているなんてのも、同じ歴史の中で培われた日本人ならではの感覚。

そんな素敵なものを呼び覚まさないとか使わないのは日々の生活に損以外の何者でもないだろうと僕は思う。

そこで、打ち合わせ中に目に入った簡単な商品に一箇所だけ変更をしてもらったのがコレです。(試作一号)

76° Stand-1
76° Stand-2
76° Stand-3

直角でコの字だったカット辺に76°の角度をつけただけのスタンドです。
元々、メガネ置き?として作られて80個くらい納品されるものがダンボールに収まっていて、それを芸がないからApple StoreにあるMacBookのディスプレイ時の画面角度である76°に傾きを持たせただけなのです。
が、76°はなるほどモノをみるときの角度として美しくて、佇まいもどことなく凛としている感じがします。
実際ものを置いてみると良い感じに見えます・・が、試作品はカット角度を間違ってしまい、64-5°ですが(笑

iPadくらい立て掛けようと思っていたのですが、このサイズだと170g程度しかないので、iPadは今のところ倒れてしまうので、iPhone止まりです。(iPhone11 proは倒れずに収まります、角度が76°になれば支点が変わってくるので、もっと安定すると思います)

76° Stand リモコン
76° Stand 千鳥封筒
76° Stand 文庫本

何より、とても香りが良いのです。
傍に置いておくとヒノキの風呂に浸かっているかのようなリラックス物質が脳内に出ているようにも感じるくらいです!

おひとつ、如何ですか?


商品詳細
76°スタンド

材質 西川材(ヒノキ)
   無垢・白木

寸法 H 70mm / W 80mm / D 80mm
   Weight 170g

価格 2,200円(内税:200円)※送料別途

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?