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[2] 動画生成AIで自主映画制作は可能か? - Blog 2023/11/23

「動画生成AIで自主映画制作は可能か?」シリーズの第2回目です。



生成AIによる映画制作・ミュージックビデオ制作・ファッション雑誌制作のプロジェクトは、4月から開始していますが、映像コンテンツ(映画とミュージックビデオ)を本格的に作り始めたのは、Runway Gen-2の動画生成が品質向上した7月22日以降です。

映画制作プロジェクトの概要:

  • 生成AIが今後クリエイティブ業界に与える影響を検証する目的で実施

  • 最長2分20秒のビデオプロトタイプを制作する

  • ストーリー構築からビジュアルデザイン、映像制作まで全てのプロセスで生成AIを活用する(※サウンドのみAdobe Stockからライセンス取得)

  • 生成AIを最大限に活用して「1人」で制作する

  • 生成AIポリシーを遵守する

画像生成AI Prompting 方針(10月に更新):

  1. プロンプトに作家名や作品タイトルを入れない(映画監督の名前や映画タイトル、登場人物、俳優の名前等も同様)

  2. プロンプトに著名人の名前やブランド名などを入れない

  3. 他人の著作物を Describeしない

  4. Nijiモデルの生成画像は自分の作品として公開しない

  5. 生成した画像は作品の素材として利用する

  6. 公開する場合はAIで生成したことを表記する


ストーリー構築はすでに6か月かかっている

4月にスタートした「COLORS」に関しては、脚本を4回やり直していますので6か月以上かかっています(経緯は過去のVlogをご覧ください)。
ストーリーの構造化とキャラクター設定は、ChatGPTに役割を与えて評価し合うスタイルで進めていますが、二転三転して先に進みません…
「お話づくり」は画像生成/動画生成より時間がかかるプロセスなので、焦らず進めていきたいと思います(といっても年内完成の予定)。

難航中のChatGPTを活用したストーリーの構造化

キャラクター設定は完了しているので、今月はストーリーの世界観を反映したビジュアルやキャラクターを含むコンセプトイメージを作成中。
※キャラクター設定はストーリー構造が確定した後に微調整をする予定。

ビジュアルは実写系の生成画像に適しているMidjourneyを使用

映画のコンセプトイメージはPhotoshopを使用して、アップスケールから部分修正、合成処理まで行います。

Photoshopのスーパーズーム(超解像)でアップスケール
Photoshopの既存AI機能「被写体を選択」で合成素材にする
コンセプトイメージの作成
コンセプトイメージのパターンA

キャラクターの素材データは、クラウドで管理(PhotoshopのCreative Cloud保存)し、iPad版やWeb版のPhotoshopでも参照可能にしています。

映画の登場人物のデジタルデータ


ビデオ生成は引き続きRunway Gen-2を使用

Runway Gen-2 の品質が向上して、仕切り直したのが8月末なので3か月経ったことになります。
Gen-2は、この3か月でモーション値、カスタムカメラコントロール、モーションブラシなど次々と新機能を実装し、生成するビデオの品質もかなり向上しています。

8月の記録:

Runway Gen-2を超える動画生成AIがまだ登場していないので、引き続き使用していきます。Gen-2の現在の仕様は以下のとおり。

  • 最大18秒まで生成できる

  • 生成サイズは、4秒以内なら1,408 x 768ピクセル

  • upscaleをONにして生成すると、2816 x 1536ピクセル

  • 処理時間は、4秒のビデオ生成で〜60秒程度

  • 動かす範囲を指定できる(モーションブラシ)

  • 速度を調整できる/カメラを設定できる(ディレクターモード)

  • 映像表現をプロンプトで指示できる

Runway Gen-2


参考書のご紹介:

「COLORS」制作で参考にした書籍をご紹介します。
生成AIが自動的に作ってくれるわけではないので、映像演出や映画制作について勉強することになります…


今後のスケジュールですが、今月中にストーリー(脚本)を完了し、専用のGPTsを作成後、シーン画像の生成、ビデオ生成を同時に進めていき、年内に完成させます。
最長で2分20秒なので、多分いけるでしょう…

制作プロセスの進捗は、明後日 (25日)に予定している第8回 報告会で解説する予定です。

次回に続く。


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更新日:2023年11月23日(木)/公開日:2023年11月23日(木)

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