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詩 タイムマシン

少し明るくなった夕暮れと風

穏やかな気配と春の匂い

擦り切れるほど回した「耳をすませば」

星を焚き付ける虫の声

そこには記憶が詰まってる

触れれば開く蕾のような

胸に残った記憶の跡が

巡る季節と世界に残ってる

それは旅する身体を何時でも帰す

忘れずに光る思い出の楔

それに触れるだけで、それを感じるだけで

何時でもその時へ、何度でもあの時に

そして豊かな時間は再び巡り

あの頃へと巻き戻る

遡れぬ身体はそのままに

想いだけが、過ぎた時を超えていく

タイムマシン。

夢にまで見た未来の装置は

最初からずっとこの身体の中で

特別な時へと帰れるように

記憶や思い出を糧としながら

幾度となく作動して

煌めく時を運んでいた

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