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痴漢は性暴力であるということを忘れてはいけない

以前、英語で投稿したインスタグラムの内容で私が経験した痴漢・性暴力について話したことがあるが、大事なことなので日本語でも記しておこうと思う。

その時英語で書いた理由としては、自分が経験した痴漢について日本語で言語化することにとても抵抗があったからなのだが、やはり日本語で発信することにも意味があると思い、時間をかけてでも書こうと思った。


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私が学校に通学している時、その出来事は起こった。

毎日朝の満員電車で、骨が折れそうなくらいギュウギュウなのに、それでもドアの前で駅員さんが力づくて乗客を押し込んでいる。
その時も私は特急列車に乗っていて、尋常じゃないくらい混んでいる車内で潰されながらなんとか耐えていた。

乗車してから数分経った後、いきなり知らない人の大きな指二、三本が、私のパンツの中に入ってこようとして、パンツを引っ張られた。

一気にサーっと血の気が引いた。

怖くて怖くて仕方がなかった。

その前にも触られるなどの痴漢はしょっちゅうあったが、この時はさすがにかなり動揺した。

それでも、『自分の身体は自分で守らなきゃ』と、『痴漢は絶対許せないし、私の大事な身体には絶対に触れさせない!』と気を奮い立たせて、満員電車で体を動かすことも難しい中、物凄い睨みつける顔を作って必死で自分の手をパンツの後ろに持っていって、全力で私のパンツの中に入ってこようとするその大きな手を引っ掻いた。

その手は、真後ろではなくて、少し遠くから私の下着に頑張って手を伸ばしているように感じたので、真後ろの人ではないことだけはわかったが、逆にどの人が犯人かわからなかった。

全力で爪で引っ掻いた後も、二、三度その手は私のパンツを狙ってきて、しつこかった。だけど、その度に私も全力で引っ掻き返した。
三度目に引っ掻いた頃、ちょうど大きな駅について人がワーっと一斉に降りたと同時に、その男の手も消えた。
私は電車に残っていたが、それから発車した後も出来るだけ周りを睨みつけるようにしていた。
なんとかあの指がパンツの中に入ってくることを防げたことに安堵すると同時に、あの指に私の性器を触られていたらと思うとゾッとした。

内心怖くて怖くて、電車を降りてからも足が震えていた。

その時、私が制服を着ていたこと、そして短いスカートを履いていたことが、このような目に合った原因だと理解した。

痴漢や性的暴行は、被害者の着ていた服や行動に一切非はない。悪いのは100%加害者であるし、どんな形であれ痴漢や性的暴行は犯罪だ。
しかし、哀しいかな、私は制服に短いスカートが性的に見られていることを理解したのである。

この時、私はまだ中学2年生で、14歳だった。

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子供の頃から正義感だけは人一倍強いので、この経験は私の『性差別・性犯罪を許せない』という思いを強くした。

やがて大学で社会学を学んで、イギリスに留学して、日本の性差別・性暴力の現実に強い違和感を抱くようになった。

大学を卒業して、就職して、必死に働いていた中で、ある1ヶ月間、常駐先のクライアントからセクハラ的言動を毎日のように受けた。
『性差別・男女差別を勉強してきた私にとっては完全にセクハラだしアウトなことをされているけど、日本社会ではセクハラだと思われないのかもしれない。』『日本では当たり前に起こることなのかもしれない。』『私がセンシティブなだけだと捉えられるかもしれない。』そう考えたりして、最後の方まで会社や上司に言えなかった。
最終的に会社に相談して対応してもらえたが、『たかが1ヶ月だけなんだから耐えなきゃ』と耐え続けてから通告した。

この投稿を書く時、私の経験を『性暴力』と定義して良いのか、すごく悩んだ。

なぜなら一般的に日本で浸透している、『性暴力=事件化されるべきような性的暴行』は経験したことがないから。
でも、性暴力というのは、身体的であれ言葉であれ、性別に基づいた暴力を受けるということであって、痴漢やセクハラだって性暴力に含まれる。

強い言葉だからこそ自分はそこまでの被害を受けてないと思ってしまっていたのだけど、そういう風に思わされている事自体が、自分が社会に抑制されているのだと、声を上げづらくさせられているのだと感じた。

だから、どんな些細なことでも、おかしいと思うことに私は声を上げていくし、痴漢とかセクハラとかが軽視化されているこの社会で、性暴力というものへの認知をもっと上げたいと思う。

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この投稿は、以前インスタグラムでアップしたものを再掲しています。
インスタもチェックしてもらえたら嬉しいです!


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