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20代の木地師が挑む、4mm極薄細な木の酒器「TOHKA酒杯」450年余の伝統が受け継がれる「我戸幹男商店」のものづくり

石川県の伝統工芸品として知られる「山中漆器」。 山中の伝統技術とデザインをかけ合わせたテーブルウェアを生み出すブランド「我戸幹男商店」から、 木を極限まで薄く、 細く削り出したステムカップ「TOHKA 酒杯」が誕生しました。 形状が異なる5つのカップで「同じお酒でも5通りに風味が変わる」という、 新しいお酒の楽しみ方ができます。 山中の名店「和酒BAR 縁がわ」監修のもと開発されました。

伝統とデザインの融合

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漆器の産地である「山中」はその名の通り石川県加賀市の山間にあり、多くの旅人がその湯を求めて訪れる「山中温泉」の名でも知られている地域です。

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我戸幹男商店は1908年に我戸木工所として創業し、今の代の我戸正幸で四代目となる老舗のひとつです。山中に工房を構え初代木地師の技術を受け継ぎながら、今日では伝統とデザイン性を融合させたモダンなプロダクトも数多く生み出しています。

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「TOHKA 酒杯」もまた、デザイナーの浅野雅晴さんとのコラボレーションにより生まれました。デザイナーの皆様とお互いの意見や考えを汲み取りながら一つの形を作っていくことは、大変ではあるものの、おもしろいところでもあると考えています。

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若手が活躍できる場を

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「TOHKA 酒杯」の木地を手掛けるのは、20代の木地師である畑尾勘太さん。

若手ながら細やかに木地を挽く技術を持っているため、TOHKAのような繊細な造形も得意とする作り手です。

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我戸幹男商店では、若手の職人が安定して自立できるよう、可能な限り若手の職人にも仕事を任せています。それは、木地師という職、ひいては漆器という文化を残すことにつながるためです。

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木地の状態を見ながら、幾つもの道具を素早く持ち替えながら削っていきます。目と手、五感を使って勢いよく、かつ繊細に形作る様は、長らく漆器に携わってきた目からしても見事なもの。

山中漆器だからできる、極限の薄さと細さ

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石川県の山中という地域には古くから木地を挽く高度な技術があり、「TOHKA 酒杯」にもその技術がふんだんに使われています。たとえば山中独特の「縦木取り」。

縦木取りとはその名の通り、年輪に向かって縦に材料を切り出す製材方法のこと。

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薪は縦に割りやすいように、木は繊維に向かって縦方向に力を加えると裂けやすいもの。その反面、横方向からの力にはしなやかな強さを持っているのです。

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「TOHKA 酒杯」のように耐久性を持ちつつ透けるほど薄い飲み口、そして非常に細いステムは、この山中漆器ならではの「縦木取り」でしか実現できないといっても過言ではありません。

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木を薄く挽くことにも熟練の技術が必要です。同じ種類であっても1本1本、質が違うのが木というもの。それぞれの性質を読み解き、道具の仕込み方や刃の向きを変えていく。そして、狂いなくすべてを均一の薄さにしていくには、卓越した技術が不可欠なのです。

国産の丈夫な「ミズメ」を使用。

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「TOHKA 酒杯」には、別名・梓(あずさ)とも呼ばれる「ミズメ」という木が使用されています。この木は、古来より儀式に用いる「梓弓」(弓矢)に使われるほど、弾力性が高いのが特徴。割れにくく丈夫であることから建材や家具など、様々に用いられています。

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漆器のお吸物椀や茶道具の棗(なつめ)の木地として使われることもあり、漆器の木地の素材の中では高級な材

それほど高品質で丈夫な木を使っているからこそ、ステム(脚)部分を4mmという細さで挽いても耐久性があるのです

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450年余に渡って技術が連綿と受け継がれてきたのが山中という土地です。縦木取りの木取り方法と、山中漆器の木地師の技術が合わさることで「TOHKA 酒杯」は生み出されています。

「お酒の表情を楽しむ。 極限まで薄く細く削り出した山中漆器の酒器 TOHKA 酒杯 」は、 2021年2月5日までMakuakeにて先行発売を実施中です。 リターンのお届けは2021年4月末を予定しております。




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