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「衝撃的な光景に、涙が止まらなかった」環境系エンターテイナー・WoWキツネザルは“エンターテインメント”で地球を救う

インパクトのあるビジュアルと軽快なトークで、YouTubeTwitterを通じて環境課題を面白おかしく発信する環境系エンターテイナーのWoWキツネザルさん。

もともとはバンドマンだった(!)という彼を変えたのは、大好きな“ワオキツネザル”が生息するマダガスカルで目の当たりにした、「環境破壊の現実」だったといいます。

そんなWoWキツネザルさんが欲しているのは、「地球を救うヒーロー」…?

WoWキツネザル(わお・きつねざる)
環境系エンターテイナー。マダガスカルで環境破壊の現実を目の当たりにしたことから、『エンターテインメントで地球を救う』をコンセプトに活動をスタート。「絶滅体験プロジェクト」を主催し、2019年に「絶滅体験レストラン」、2020年に「絶滅体験デリバリー」を開催。自身のYouTubeでは、環境問題をワクワクしながら学べる動画を発信中。その他にファシリテーター / ストーリーテラー / MCとしても活動している。

一緒に、「地球を救うヒーロー」になろうぜ!

ーー環境問題って、現実だとはわかりつつも、見ていると辛くなることもあって…。WoWキツネザルさん、どうしたらいいですか?

WoWキツネザルさん:
そういう人たちにアテクシが伝えたいのは、「一緒に世界を救うヒーローになろうぜ!」ってことかな。

ーーヒーロー…?

WoWキツネザルさん:
環境課題は、自然災害などの天変地異と違って、事前に対処できるでしょ? 

自分たちの行動や意識を変えるだけで、地球を救えるかもしれないなんて、ヒーローマンガみたいでワクワクするじゃない!

ーーでも、地球を守るために行動するって、責任が重いです...。

WoWキツネザルさん:

環境課題の解決はね、「地球のため」じゃなくて「自分のため」なんですよ!

環境が破壊されたらアテクシたちも生活ができなくなるし、生物の多様性が失われたら、食べるものすらなくなるかもしれない。

WoWキツネザルさん:
そんな地球を救おうとして、汗水垂らして必死で戦っているヒーローたちが世界にはたくさんいるんです。でも、ヒーローはそれだけじゃ足りない。

だから、アテクシの発信を見ている人全員に、一緒にヒーローになってほしいんです!

1人のバンドマンが、「環境系エンターテイナー・WoWキツネザル」になったワケ

ーーそんなヒーローの数を増やすには、どうすればいいんですかね?

WoWキツネザルさん:
環境課題を肌で感じられるような「体験」が必要だと思います。普通に生きていたら環境が破壊されている実感なんて、湧かないから!

やっぱり、実際に五感を通じて体験しないと、自分ごと化できないんですよ。

ーーたしかに、現段階では普段の生活で特に困ることはないですね。

WoWキツネザルさん:
アテクシも、もともとは環境課題とは程遠い、ただの動物好きのバンドマンでしたからね。

ーーバンドマン! 一体どんな経緯が…!?

WoWキツネザルさん:
バンド活動中、YouTubeで面白おかしく自分たちの音楽を紹介するために生まれたのが、アテクシが大好きな動物「ワオキツネザル」をモチーフにした「WoWキツネザル」だったんです。

WoWキツネザルさん:
その後、仕事が結婚式やイベントの司会などにシフトしていくなかで、どんどん「WoWキツネザル」のキャラクター像が固まっていって。

「もっとキャラのディテールを詰めたい!」と調べていたら、ワオキツネザルの生息地のマダガスカルにハマり…気付けばマダガスカル大使館にいました。

ーーすごい行動力…!

WoWキツネザルさん:
そこで「WoWキツネザルをマダガスカルの観光大使にしてください!」と頼んだのですが、そもそも前例がないと言われてしまって(笑)。

でも、代わりにマダガスカルの魅力を伝える活動を一緒にやることになり、サンシャイン水族館を貸し切ってイベントを開催したりしていたんです。

「何でも言ってみるものね…」

WoWキツネザルさん:
ただ、考えてみたらアテクシ、マダガスカルに行ったことがないと気がついて(笑)。

急遽クラウドファンディングを立ち上げて、マダガスカルに行くことにしました。これが大きな転機でしたね。

涙が止まらなかった。マダガスカルで目の当たりにした「環境破壊の現実」

ーー実際にマダガスカルに行ってみて、いかがでしたか?

WoWキツネザルさん:
アテクシがマダガスカルに行くまえに想像していたのは、豊かな自然と元気な野生動物たちの姿でした。

…でも、実際に目の当たりにした光景はまったくの別物。

もはや自然は、指定地域や国立公園にしか残されておらず、居場所や食べ物を失った野生動物たちは、観光地で人間たちに餌付けされていました。

そんな現実が…。

WoWキツネザルさん:
衝撃的な光景に、涙が止まらなかった。

初めて、「自分は環境のために何ができるだろう」と考えました。

マダガスカルの現地住民の人たちが悪い、と考える人もいるかもしれないけど、みんなはただ一生懸命に生活しているだけ。その結果、「環境を破壊するしかない」という構造ができていることこそが問題なんです。

構造を変えるために必要なのは、「正しい教育」。だから、アテクシは日本に帰国して、環境課題について発信しようと心に決めました。

ーー日本で啓発活動を始めたんですね。

WoWキツネザルさん:
でも、イベントにはすでに環境課題に興味のある人しか集まらない。そんなとき、今まで司会をするときに大事にしていたことを思い出しました。

それは、「人を繋ぐこと」と「人に届けること」。

この2つを兼ね備えているものこそ、「エンターテインメント」だと気づいたんですよ。

このままだと訪れるかもしれない未来を表現した「絶滅体験レストラン」

いつも着ているジャケットにも「エンターテイメントで地球を救う!」と刺繍されている。

ーーそこで、「環境×エンターテインメント」が繋がったんですね!

WoWキツネザルさん:
そう! 自分がマダガスカルで「体験」したように、人の意識や行動を変えるには「体験」が必要だと知っていました。

でも、今の日本人には環境に対して考えられるような体験が圧倒的に足りていない。

そこで、「環境×エンターテインメント×体験」を叶えるためにと生み出したのが、2019年に開催した「絶滅体験レストラン」です。

ーーどんなイベントだったんですか?

WoWキツネザルさん:
「絶滅」をテーマとした料理・パフォーマンス・展示の3つから構成される体験型イベントです。

WoWキツネザルさん:
ご提供した料理は、海洋プラスチックの量が魚の量を上回った未来を表現した「ゴミの海で採れたプラスチックまみれのサーモン」。

それから、2100年の地球で最後に残った、ヌートリア(カピバラの仲間)やカラスなどのお肉を使った「合い挽きハンバーグ」、人類最後の栄養源である「コオロギを使ったリゾット」…。

どれも衝撃的なメニュー…。

WoWキツネザルさん:
このまま環境破壊が進めば、徐々に食べられるものが減っていき、最後には昆虫食が当たり前になる世界観を表現しました。

お客さんが食事をする近くでは、パフォーマーたちが絶滅危惧種の生物に扮して、歌やダンスを披露。

WoWキツネザルさん:
パフォーマンス終了後は、環境課題に関する展示をご覧いただき、お帰りの際はお土産に植物由来の洗剤を配り、「まずは洗剤をかえるところから始めてみよう」と呼びかけました。

ーーこれがわたしたちの未来の世界…。生々しい体験ですね。

WoWキツネザルさん:
250名を超える来場者の半数が環境課題に関心のない方々でしたが、イベント後は「環境を良くする行動をもっと日常に取り入れたい」「環境課題が身近なものになった」と言ってくれました。

イベントを手伝ってくれたスタッフたちも、運営を通じて環境について考えるきっかけになったと話してくれたのが嬉しかった。

ーーお客さまだけじゃなく、スタッフさんまで…!

WoWキツネザルさん:
アテクシが信じていた、「体験で人は変えられる」ことが証明されたイベントでした

ただ、イベントだけでは届けられる範囲に限りがあるので、現在は並行してYouTubeでも環境について発信しています。

アテクシの動画を観るだけで満足しないで!

ーー環境課題に対して意識はしているけど、WoWキツネザルさんのように具体的な行動には移せていないという人はどうしたらいいですか?

WoWキツネザルさん:
できるのは、「学びつづける」こと、ただ1つだけだと思います。

なぜレジ袋をもらうよりもエコバックを持っていったほうがいいのか、その理由をしらないと自分ごと化できず、行動にも繋がらない。

今は何もできていないかもしれないけど、それは伸びしろがあるだけ。学びつづけることで、ゴミ拾いの活動に参加できたり、環境保護団体に寄付できたり、世界を変えるような論文を書けたりしちゃうかもしれないよね。

ーー学びたかったら、WoWキツネザルさんが発信しているYouTubeの動画を見れば、簡単に学べますもんね!

WoWキツネザルさん:
いや、それは違うな。

え…?

WoWキツネザルさん:
視聴者の皆さんにはアテクシの動画を観て、「これだけじゃ、もの足りない」と思ってほしいんです。

アテクシの発信は、あくまで環境課題の最初の入り口! もっと情報を深掘ってほしいし、議論してほしいし、アテクシの知らない情報があったら、視聴者のみんなにも教えてもらいたい。

アテクシは世界中で本気で地球を救おうとしているヒーローたちをリスペクトしてます。

だから、そんなヒーローたちと、まだ環境課題に対して無関心な人たちを、エンターテインメントの力で繋ぐ架け橋になっていきます!

(取材・執筆=目次ほたる(@kosyo0821)/編集=いしかわゆき(@milkprincess17)/(撮影=深谷亮介(@nrmshr))

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