「毎日のごはん」が人生を創る。フードコーディネーター・りこぴんが伝えたい、自分と地球を労わる“食”の在り方
Instagramで身体にやさしい簡単レシピを発信したり、自身が運営する「りこぴん食堂」で、オーガニック食材を使ったこだわりの料理を振る舞う、フードコーディネーターのりこぴんさん。
食の楽しさや重要性を発信する彼女ですが、大学生時代には食生活の乱れに悩んだことも。
今回は、そんなりこぴんさんに、食を通じて無理なく環境課題に貢献する方法についてお聞きしました!
料理もエコも、「小さな選択の繰り返し」で無理なく習慣化!
ーー料理もエコも、取り組んだほうがいいと思いつつ、習慣化できません…。どうすれば、無理なく続けられるようになりますか?
りこぴんさん:
それは、日常のなかに「余裕」がないから習慣化できないんだと思います。
ーーえ?
りこぴんさん:
新しい習慣を生活に取り入れるには、時間や心の余裕が必要なんです。自分のことを大切にしないと、自分以外のことは大切にできません。そのままだと、環境課題も自分ごととして捉えられないと思います。
そして、自分を大切にするためには、「食」がとても大事なので、まずは意識的に身体にいいものを食べること!
ーーまずは食べるものから変えていくんですね。具体的には、何から始めればいいですか?
りこぴんさん:
日々の「小さな選択」を変えてみることですね。
たとえば、余裕のある日はお家で自炊をしてみたり、いつもランチをコンビニで買っているなら、簡単なお弁当を作ってみたり。
「どっちを食べたら身体にやさしいかな?」と考えて、意識的に選択する。ただし、好きなものを徹底的に断ったり、栄養にこだわりすぎるなど、無理をすると苦しくなっちゃうから、まずはできる範囲で始めてみてほしいな。
自分のペースで続けていくと、もっと凝った料理を作りたくなったり、作ること自体が楽しくなったりするんですよね。
ーーなるほど…!
りこぴんさん:
エコも料理と一緒で、日常生活の小さな選択を「環境に優しいのはどっちかな?」と考えながら、選んでみるといいと思います。
エコバッグを持参したり、いつもより丁寧にゴミを分別してみるなど、小さな選択の繰り返しはいつのまにか習慣になっていくんですよ。
私も、普段からエコバッグやマイボトルを持ち歩いていますが、もう持っていることが当たり前になっているから、「地球に良いことをしている」という意識はないんです。
ーー無意識にできるくらい習慣になっているんですね。
りこぴんさん:
そうそう! 食を通じて身体と心を満たして、生まれた余裕で地球に優しいことをする。そんな一歩から始めると、うまくいくんじゃないかな。
コンビニやスーパーの惣菜に頼る日々。身も心もボロボロに
ーーそんなりこぴんさんが、食を仕事にするようになったきっかけを教えてください!
りこぴんさん:
昔から料理をするのは、大好きだったんです。
兄弟が多いのもあり、誕生日などのお祝いごとでは、いつも手作りの料理が並ぶ家庭だったので、自然と料理をするようになって。自分が作った料理を、家族みんなが喜んで食べてくれるのが嬉しかったんですよね。
でも、大学生になって、アルバイトを頑張るようになってから、働くのに精一杯で料理をする余裕がなくなっちゃって…。
毎日コンビニのお弁当や、スーパーで買ったお惣菜ばかり食べるような生活になってしまったんですよね。
ーー疲れていると、つい手軽に食べられる加工食品や外食に頼ってしまいますよね…。
りこぴんさん:
そんな食生活を送っていたら、1年経つころには、太ったり肌が荒れたり、気持ちが落ち込んだり、身も心もボロボロになっていたんです。
でも、「このままじゃダメだ!」と一念発起して、なるべく自炊するように心がけて、毎日自分でお弁当を作って大学に通うようになったら、身体やメンタルの不調がみるみるうちに良くなって!
りこぴんさん:
そんな体験をきっかけに食の重要性に気がついて、自分で料理を学ぶうちに、食を仕事にしたいと思うようになったんです。
大学に通いながら、フードコーディネーターの資格を取り、大学3年生のときにフリーランスのフードコーディネーターとして独立しました。
今は食を通じて、多くの人に豊かな時間や空間を楽しんでもらうことで、人生の豊かさにも繋げてほしいという想いで、食に関する事業を運営しています。
私たちは地球環境や生産者から「小さな豊かさ」を受け取っている
ーー日々、食に向き合うりこぴんさんが考える、食を通じて環境課題に貢献する方法を教えてください!
りこぴんさん:
フードロスを減らすための取り組みだと、こんなことなら簡単に始められるんじゃないかな。
りこぴんさん:
他にも、料理を通じて、環境負荷を減らす方法はたくさんありますよ!
ーー「食」という観点だけでも、こんなにできることがたくさんあるんですね!
りこぴんさん:
そうなんです! あとは、買い物をするときに食べ物に詰まったストーリーを意識してみてほしいな。
ーー「食べ物に詰まったストーリー」ですか?
りこぴんさん:
たとえば、野菜1つとっても、そこには生産者が込めた想いがたくさん詰まっているんですよ。でも、普段の生活でそんなことはあまり考えないですよね。
もしも、目の前に生産者がいたとしたら、簡単に食べ残したり、捨てたりすることはできないと思うんです。
だからこそ、スーパーで買い物をしたり、食事をするときはそんな食べ物が作られた背景について考えてみてほしい。
大切に作られたものを食べているんだと意識できると、おいしいものがさらにおいしく感じられて、食に愛着が湧くんです。
そうすると、食べるものがあるとか、毎日健康で暮らせるとか、私たちが当たり前に受け取っている「小さな豊かさ」に気づくきっかけになるんじゃないかな。
ーーたしかに、小さな豊かさは意識できてないかも…。
りこぴんさん:
おいしいものが食べられるのも、キレイな水が飲めるのも、本来は全然当たり前のことじゃないんですよね。
私たちが地球環境から受け取っている「小さな豊かさ」を大事にできたら、環境を守りたいという気持ちが自然と湧いてくるんじゃないかな。
「小さな選択」が地球のための行動に変わることを教えてくれたりこぴんさん。次回は、りこぴんさんが作った「おいしい」を通じて環境課題に貢献する「エコレシピ2選」をお送りします!
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CQは、カーボンニュートラル社会の実現に向け、一人ひとりがライフスタイルについて考え、行動を変えていくことを目指すプロジェクト。イベント協賛やグッズ展開などを企画しています。
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