心理の江原 from 【ふくろう先生】

公認心理師・臨床心理士→再受験で国立大医学生&幼・保の巡回相談員。幼・小の、通…

心理の江原 from 【ふくろう先生】

公認心理師・臨床心理士→再受験で国立大医学生&幼・保の巡回相談員。幼・小の、通常級における発達障がい児支援の相談依頼が多め。行動療法(ABA)寄りの認知行動療法を軸に【具体的かつ希望に繋がる相談】を心がけています。ご相談希望はTwitterやコメント欄からもお気軽に!

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繰り返す「困った行動」に困ったら <ABAで発達支援>

こんにちは。公認心理師・臨床心理士の江原です。 何度怒られても繰り返す、お子さんの困った行動。 「毎回泣いて嫌な思いしてるはずなのになんで続けるの?」 そんな風に思うこと,ありませんか? 今回はそういった状況を引き起こす、良くあるパターンとその対応概要を解説します。 ◎困った行動が繰り返される「あるあるパターン」5選今回ご紹介する「あるあるパターン」は以下の4つ。 ①注意や説教を本人は、「注目された」「関わってもらえた」「退屈な話を中断できた」みたいに捉えている ②怒

    • 登園自粛後から,子どもの首振りが増えたけど,どうするのが良い?【ABAで発達支援】

      こんにちは。公認心理師・臨床心理士の江原です。 今回は,とある保護者の呟きからインスピレーションを受け,その方に許可をいただいて,つぶやきへのお返事代わりに記事化したものとなります。 その内容とは概ね以下のような内容。 「(新型コロナの感染拡大を防ぐための)登園自粛が開始してから、子どもの首振りが久しぶりに出てきたけど、これは自閉が増したから? 赤ちゃんの頃も,激しく首は振ってたけど」 確かに、今まで見られなかったり、しばらく見られていなかった不思議行動が出てくると心

      • 【指示・叱りのコツ】有言実行で悪循環を予防する 【ABAで発達支援】

        こんにちは。公認心理師・臨床心理士の江原です。 基本、褒め方などをお話しすることが多いですが、たまには心理としての立場から見る叱り系のコツもご紹介しましょう。 大事なのは有言実行例えば子どもにゲームをやめさせたい時など、つい【脅しや駆け引き的なこと】を言ってしまいがちですよね。 そんな時気をつけたいのが【有言実行】であること。 子どもに「親はこんなこと言ってるけどどうせやらない」と悟られると、叱りの切れ味が鈍り、悪循環になりかねません。 例えば、「

        • 子どもを叱る自分を責めてしまうあなたへ。〜「褒めて伸ばす」の大いなる誤解①〜【ABAで発達支援】

          こんにちは。公認心理師・臨床心理士の江原です。  最近はあちこちで「褒めて伸ばしましょう」という言葉を聞く機会が増えましたよね。しかし、意外と多くの方が、微妙にこの言葉を誤解しているパターンも多いように思います。 そしてその微妙な誤解のために、「また叱っちゃったんです。本当は褒めなきゃとわかっているんですけど・・・」と悩まれ、時に涙する保護者の相談というのも少なくありません。 このように、心理として保護者の皆さんの相談等を受けていると,この言葉にまつわる誤解のせいで必要

        繰り返す「困った行動」に困ったら <ABAで発達支援>

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          【相談事例】小1の息子が知らない人にもスリスリしてしまう【ABAで発達支援】

          こんにちは。公認心理師・臨床心理士の江原です。 今回は,Twitter上で保護者の方から寄せられたご質問への回答を記事としてご紹介致します。  実際のご質問は以下の通りです。こちらのつぶやきの内容についてのコメント依頼をDMにていただきましたので,こちらで回答させていただきます。 (なお,記事としてお答えすることについてはご本人より許可をいただいて掲載させていただいております。) 以下,私からの回答となります。同じような悩みを抱える他の保護者の方にとっても何かお役にたてば

          【相談事例】小1の息子が知らない人にもスリスリしてしまう【ABAで発達支援】

          不適切な注意ひきや「みてみて」への対応のコツ(後編) 〜 『平和な時こそ花束を』〜 【ABAで発達支援】

          こんにちは。公認心理師・臨床心理士の江原です。 この後編では,前編で解説した「問題行動が起きていない時=注意引きなどをしていない時」に,実際どのように関わると良いのかについてを解説してみたいと思います。 ※※※ 本記事は不適切 or 過剰な注意ひきに対する『平和な時こそ花束を』作戦の解説 後編 となります。最も重要なポイントは前編で解説していますので,ご覧になっていない方はまずは前編↓から御覧ください。 不適切な注意ひきや「みてみて」への対応のコツ(前編) 〜 『平和な

          不適切な注意ひきや「みてみて」への対応のコツ(後編) 〜 『平和な時こそ花束を』〜 【ABAで発達支援】

          不適切な注意ひきや「みてみて」への対応のコツ(前編): 〜 『平和な時こそ花束を』作戦〜 【ABAで発達支援】

          こんにちは。公認心理師・臨床心理士の江原です。 先日のTwitterやnote記事では、【計画的無視を使う時に重要なコツは,「どんな振舞いならOKか」もセットで示すこと】という「こっちの水は甘いぞ作戦」についてご説明しました。  今回は特に,「かまってかまって系」の行動(注意引き等)への対応に関する重要なポイントについてお話ししてみたいと思います。 長くなるので,前編ではまず関わりのタイミングについてを,後編では実際に関わる上でのポイントについてを説明していきます。

          不適切な注意ひきや「みてみて」への対応のコツ(前編): 〜 『平和な時こそ花束を』作戦〜 【ABAで発達支援】

          問題行動に「計画的無視」だけじゃ足りない理由。〜『こっちの水は甘いぞ作戦』のススメ〜 【ABAで発達支援】

          こんにちは。公認心理師・臨床心理士の江原です。 最近SNSなどで,ABAの中の「計画的無視」について誤解されていそうなやりとりを目にすることがあります。というのも,なんとなく「無視だけで問題行動が収まる」かのように誤解されている方が多い印象なのです。 もしも,あなたもその誤解のもとに無視を試みた結果うまくいかず,「無視は効かない」「うちの子には合わない」と結論づけたとしたら,それはちょっと結論を急ぎすぎているかも知れません。  そこで今回は,計画的無視をはじめとする無視

          問題行動に「計画的無視」だけじゃ足りない理由。〜『こっちの水は甘いぞ作戦』のススメ〜 【ABAで発達支援】