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【読書感想】十六夜荘ノート

今日はどっぷり本の世界へ📖
絵本の合間に読む、気になった本の感想を書きます。



まずは一言

『マカン・マラン』シリーズの著者、古内一絵さん2012年の作品。
マカンマラン3冊目の最後にオススメされていて、おもしろそうなので読んでみたいと思い借りてきたのですが…ホントに今オススメしたい本でした(≧∀≦)


今日の本

『十六夜荘ノート』
著者: 古内一絵
発行: ポプラ社(2012年)



感想

マカンマランとは違い、過去と現在の同時進行で進む2つのストーリー。
過去の方は昭和13年からの戦前戦後の時代を綴った少し重いお話で、現在の方はエリートサラリーマンに不意に降って沸いた遺産相続の現実的なお話となっており、現在と過去を行ったり来たりするのが逆に重くなり過ぎず、飽きずに読み進められます。

もちろん2つは繋がってるわけで、現在の方の主人公・雄哉ゆうやが、祖母の義姉、元華族の大伯母・玉青たまおから受け継ぐことになった笠原家の遺産である御屋敷について調べていくプロセスと、過去の記憶を玉青が振り返る形でリンクしていきます。

私がなぜこの本をオススメするかというと、小説自体のおもしろさもさながらフィクションとはいえ戦争でどれだけの人がその犠牲になっていたか、戦争の悲劇をこの本で知ったから。

憲法改正が問われている今、本当に戦争など二度としてはいけないと切に感じました。今も世界では絶えず繰り返されているけれど、この本を読んで改めて自国も相手国も巻き込まれている庶民のことを考えると絶対あってはならないことだと思えます。

玉青さんの言葉が印象的でした。
ホント涙なくして読めませんでした(T_T)

国も法も、自分たちを守らない。

『十六夜荘ノート』P320より


お兄さんの一鶴いっかくや、十六夜荘の住人バックパッカーの真一郎、他の登場人物も魅力的な人が多かったのですが、やはり玉青さんの生き方がカッコよくて!
あの時代に自分を持ちそれを貫く強さ、戦後からつい先日亡くなるまでの生き方が素敵でした。用意周到に計画してこの遺産相続人へと記憶と愛が受け継がれていくようにしてる所も^^


真一郎がこんなこと言ってました。

人生は所詮、気のせいだから

折角今の時代に生きられている私たちだからこそ、だったら自由に自分の思うままに生きたいですね。
憲法改正だけは避けないとその自由も奪われてしまいます…そんな観点からも今多くの人に読んで感じてもらいたい本でした。



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