「六甲のふもと 百年の詩人」 ZINEを届ける その1
前の記事(「六甲のふもと 百年の詩人」 B-side:本の制作ノート)では制作工程をまとめましたが、今回は、つくったものをどう届けるか?についてです。
知らない人に、どう届けるか?
せっかく作ったので、興味をもってくれる方に読んでもらいたいと思います。だけど、直接の知り合いでない人にはどうしたら読んでもらえるのだろう。いろいろ試してみました。
1 六甲のふもとの名喫茶店、コーヒーのおともに
喫茶店「信州安曇乃」
こだわりのひとときを味わえる喫茶店「信州安曇乃」。親切なマスターが、店内に見本を置いてくださいました。珈琲のおともに、ふと手にとってくれる方がいるといいです。マスターによると「読んだ人が昔話を始めたり…」とのこと。詩から、昔の思い出が連想されたのだとしたらうれしいです。
(「信州安曇乃」は、JR六甲道駅から徒歩5分)
2 リトルプレス(ZINE)として届ける
リトルプレス(ZINE)として、いくつかのお店に数冊ずつ置いてもらえることになりました。
■ 古本屋ワールドエンズ・ガーデン
リトルプレス愛にあふれる店主さん自ら、読んでみたいと言ってくれました。「重吉の詩をこんなふうに(神戸でつくられたものとして)読んだことがなかった」と、興味深く読んでくださいました。SNSでは重吉の詩を「掌みたいに温かい」とすてきに表現されています。古本屋ワールドエンズ・ガーデンは、阪急王子公園駅・JR灘駅より徒歩4分。
■ 風文庫
店主さんはちょうど最近ひょんなことから重吉の詩との出会いが重なり、まさに今、重吉の詩集を読まれているとのことでした。「これが神戸でつくられたとは知らなかった」と。神戸という新たな視点を知ってもらえたこと、そして、また、重吉の魅力についてお話できてうれしかったです。風文庫は阪急芦屋川駅から徒歩1分。(読んでみたい絵本がたくさん)
■ 1003(センサン)
冊子を見た店主さんは、かつて重吉の住んでいた「住吉村」の大正時代に関する資料を紹介してくれました。こんなふうに重吉の話が広がるのがうれしいです。この詩集を見てくれた方と、重吉の勤めていた御影師範学校がどこにあったかとかの話がはずんだとのエピソードを教えてくれました。1003(センサン)はJR元町駅より徒歩5分くらい(12月に移転予定です)。
リトルプレスとしてお店に置いてもらうには、値段が必要です。初めて値つけをします。「自分だったら買うなら500円まで」と考えて「本体500円+税」を設定。委託または買取の方法があり、いずれも手数料として3〜4割をお店に支払うことになります。
つまり1冊売れたとして、手取りは300〜350円。制作費(1万円ちょっと)から見ると程遠く赤字ですが、もともと利益は求めない、読んでくれる人がいること自体がうれしいリトルプレスのおもしろさ。リトルプレスの世界を初めて体験し、勉強になりました。
おわりに
小さな本を、小さな範囲でも、関心のある方に届けられる場所を提供してもらえることに感謝です。今後も引き続き、いろいろな届け方を試してみたいです。
(もしお近くに上記のお店がある方は、よければ手にとって見てもらえたらうれしいです)
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