「六甲のふもと 百年の詩人」 八木重吉の詩を届けよう
詩人 八木重吉が神戸に暮らして、来年(2021年)でちょうど百年になります。八木重吉の詩を、周りの人たちに読んでもらえる機会になればと、小さな本(ブックレット)を手づくりしました。
「六甲のふもと 百年の詩人ー八木重吉の詩 神戸篇-」
表紙と、裏表紙です。
詩のなかの神戸をさがす
八木重吉は東京の詩人と思われがちですが、多くの詩が神戸でつくられました。詩に描かれる海や山や坂、ささやかな家族の暮らし。これらは百年前の神戸のすがたです。
ところが、残念ながら、このことは神戸でほとんど知られていません。
そこで今回の本は、八木重吉の詩のなかで「神戸らしさ」が感じられる詩をまとめるよう試みました。厳選した22の詩を収載しています。
たとえば、好きなのはこんな詩です。
まっしろな
鳩がとぶ、
あふむけに
ねころぶ こえのせぬ はま、
わすれたる かんげきの日を
わづかにみする まるやかに りりしい空
(まっしろな鳩『純情を慕ひて』大正13年所載)
これは、今はなき御影の浜のことと思われます。私は舞子や須磨の浜に寝転がった時に見た空をイメージして読みました。
詩の言葉と やさしい時間を
私はいま神戸に暮らしながら、「八木重吉もこんな風景を見ていたのかも」と想像しながら詩を読んでいます。
詩の言葉を、身近な風景に重ねて読むと、やさしい時間が流れます。
疲れがちな日々だからこそ、そんな新鮮な楽しみを、ほかの方と共有できたらいいです。
神戸が好きな方や、八木重吉の詩に関心のある方に届きますように。本は少部数しかありませんが、もし関心をもってくださった方がいれば、メッセージ等いただけたらうれしいです。
・手づくり本の「制作ノート」も書きました。
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