COVAROCK (こばろく)

心ならずも外されてしまった人たちへ                          …

COVAROCK (こばろく)

心ならずも外されてしまった人たちへ                                         ~あなたはここで終わりではない 人生が決まるのは死ぬ時だ~ 人は死ぬまで生きている

最近の記事

移動 ~世代交代

彼は地味ではあるものの 「この会社には尽力してきた」 それは、彼の中では小さいけれども自身を支えてきた誇りでもあった 30年近い勤務歴 この部署一筋 今のこの組織の基礎を築き上げたのは 紛れもなく彼や彼と同じ世代の同僚たちである そしてそんな仲間の中 今もここに残っているのは彼だけである 彼はなんとなくではあるが安心感のような寂しさのようなものを その胸に抱えながらも日々を満足も不満もなく落ち着いて過ごしていた 部下にも心底信頼されているかどうかはわからないが 決して嫌われ

    • 手紙 ~せめて瞳の奥に

      考えました 二人の関係とはこれまでの時間とはなんだったのだろう? 人生には必要なことのみが起こるというのならこの出来事は 二人に何を伝えようとしているのだろう・・・? ずっと「意味」を探していました だから二人の軌跡を思い返すことから始めてみました すると見えてきたのはいつも中心にいるのは自分がどうか?だったのです 自分の想いはこうだ!だから素直にこうするのだ! あなたの都合や気持ちも考えていたけど優先はいつも自分の気持ち・・ いや 気持ちじゃない! 感情でした まるで感情に

      • 手紙 ~ブレークスルー

        何を食べても美味しくない それどころか何食べてるのかもわからない 朝起きた時から澱んだ重石を抱えているような気持ちで目覚め 何となく過ぎる一日がずっと続きました 毎日夜になると泣けてしまう 人はこんなにも涙を出せるのかというぐらい 堪えきれなくてついあなたに電話をかけてしまってる そんな僕にあなたは僕が気が済むまで付き合って話を聴いてくれる ただ僕の望みには一切「YES」は言わない  返ってくる言葉は常に「ごめんなさい」 それでも諦めきれなくて  「これで終わりにするから夜

        • 手紙 ~砂の城

          それから少しして僕はあなたの部屋に半ば入りびたるようになりましたね あなたはそれを許してくれたしそう望んでいるようにも思っていた それだけじゃない  あなたを連れ出して夜の東名高速をドライブ気分で仕事をしたこともあった それすら「当たり前」のようになっていましたね 僕はただ あなたと居たかったからその想いに素直でいようとしたのです そんな僕の気持ちをわかってくれていたのか あなたは嫌がる事もなく 僕の誘いに応えてくれていましたね けれど本当はあなたには他にも大切なものがあった

          手紙 ~チークタイム

          本当に幸せでした あなたの彼氏でいれること 僕の彼女があなたであること それが訳もなく無性に嬉しかった 当時トラックドライバーだった僕はただ遠くへ行けることが楽しかった 家に帰りたいとはそんなに思ったこともなかったけれど あの頃は「とにかく早く家に帰りたい」そんな思いでいっぱいになりました それはもちろんあなたがいてくれるから 少しでも多くあなたとの時間を創りたい 使い古された言葉で言うなら 「あなたがそこにいてくれるなら他に何もいらない」本当にそう想った 高速道路のPAか

          手紙 ~チークタイム

          手紙 ~交差点

          これを読んでいるあなたは今どこでどんな暮らしをしているのでしょうか? あなたが幸せでいてくれているならそれでいいし もしそうでないとしてもそれがあなたの運命なのでしょう そこに立ち入る気は一切ありません ただあなたが僕を切り捨てたあの時から僕の人生は変わった そしてそのことに結果として僕は救われたのかもしれない 人生もゴールが見えてきたこの歳になって改めて あなたは僕にとってどんな存在だったのかを思い返してみたく この手紙を書いています 独り言のような話になりますが僕が変わる

          夢幻 ~自己防衛本能

          この想いとは裏腹に「そこにいることを許されない」自分 夢 希望 努力などと言うものは絵空事にしか思えない「疲れ」 すぐそばにそれはあるのに決して手にできない景色 これから何を支えにこの世界を歩いて行けばいいのか・・・ 考えれば考えるほど胸が抉られるような悩ましさに苛まれる日々 とはいえ人はなんとなく少しずつその環境にも慣れるものなのだろう もちろん心のモヤモヤが晴れることはないのだが・・・ 冷静になってくると「この出来事は自分に何を伝えようとしているのか?」 そんな視点が湧

          夢幻 ~自己防衛本能

          夢幻 ~名を呼ばれ

          先輩方が引退した高校2年の夏休み後半 その日は朝から練習になった 自分たちの代の新チームが始まったのだ さて「していたつもり」の努力に支えられた夢の花は咲くのだろうか? 咲かして見せるさ そのためにずっとやってきたし耐えてきた 新たにチームが始まるその時だけはレギュラーも補欠も無い まずは横一線に並ぶことができるから (とはいえ ある程度の「差別」はあるのだが) 肩に思い切り力を込めてグラウンドに立った ノックでの守備練習 コーチがバンバン打ってくるそのボールを皆必死で追い

          夢幻 ~名を呼ばれ

          夢幻 ~夢のステージへ

          高校進学 迷うことなく野球部の門を叩いた やっと夢の章が始まる このために打ちのめされてもやってきた 同期の仲間を見ると 各中学で活躍していたやつもそこそこいた 初日からレギュラー組の先輩方に交じり練習に参加している奴もいる そんな景色を見ているとさすがに気後れしている自分を見ずにはいられない それでもやる! やるしかない! 3年あるんだ 自分にはできる! そう信じて・・・いや「信じなくてはならない 信じない自分は認めない」 ビビる心を力づくで押し込めようとしている自分がいた

          夢幻 ~夢のステージへ

          夢幻 ~泣けたユニフォーム

          ある日のバッティング練習(下手でも3年生は全員練習は参加できた) ピッチャーが投げるボールに 自信が無くてなかなか手をだせない自分 それを見かねた監督が叫んだ 「おい! 誰もおまえなんかに期待してないんだよ! しょーがねーから時間やってんだ  少しは気を遣え! ぐずぐずしてねーでさっさと終わらせろ!後のやつの迷惑考えろ!」 自分は それ以上バッターボックスにいられなくなり 慌ててバットを5回振ってその場を離れるしかできなかった 恥ずかしかったし怖かった・・・ (それにしても 

          夢幻 ~泣けたユニフォーム

          夢幻 ~間違った努力

          中学に進んだ自分は迷わずに野球部へ入部 パフォーマンス力は相変わらずだったのだが・・・ そんなわけで当然ながら下級生時で日の目をみることもなく 主な練習は全体でのランニングとグラウンド隅で中腰姿での 「ゼ―!ゼー!」という謎の声出し そしてグラウンド整備 ただ意外と挫けることはなかった それは自分にとってはあくまでも「甲子園」がゴールであり 中学野球は「通過点」だと考えていたからかもしれない だから体力をつけようとわざわざ硬式用のバットを購入し家に帰ってから もくもくと素

          夢幻 ~間違った努力

          夢幻 ~一生懸命

          小学二年の夏、TVで観ていた甲子園 「この瞬間こそが人生」とばかりに駆け抜ける青年 それに夢を託すかのように一喜一憂し声援を送るアルプススタンド 「この胸の躍動は何!? 俺もそこにいたい!」 次の日、目に星を浮かべグローブとバットを持った自分は 近所の空き地で三角ベースの仲間に入れてもらった バットを振ってもボールが当たらない 当たってもボテボテの内野ゴロ 守ってはボールは股の間を通り過ぎてゆく そんな繰り返しを重ねていた 当時年長の友達二人がリーダーとなりジャンケンでメ

          夢幻 ~一生懸命