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手紙 ~せめて瞳の奥に

考えました
二人の関係とはこれまでの時間とはなんだったのだろう?
人生には必要なことのみが起こるというのならこの出来事は
二人に何を伝えようとしているのだろう・・・?
ずっと「意味」を探していました
だから二人の軌跡を思い返すことから始めてみました
すると見えてきたのはいつも中心にいるのは自分がどうか?だったのです
自分の想いはこうだ!だから素直にこうするのだ!
あなたの都合や気持ちも考えていたけど優先はいつも自分の気持ち・・
いや 気持ちじゃない! 感情でした
まるで感情に従順であることが「自分であること」のように

考えてみると幼い頃 身体が弱かった僕は常に親に庇護されていて
周りのことなど関係なく振舞っていたように思います
何かピンチが迫っても誰かがいつも片づけてくれていた
自分の行為が周りに与える影響など微塵も思わなかった
感情に従うことは気分的に自由だったし楽だった 
それを自分に素直であることだと信じた

でもね あなたとの別れは教えてくれたと思うのです
感情と気持ちは違うんだって
僕は本気であなたを大切にしたい 大切にする そう思っていた
それが僕の「気持ち」だった
けど実際はその場その場の「感情」であなたと接していた
その時々であなたにとって何が大切なのか?の視点が抜けていたまま
僕の感情は気持ちを裏切っていたのです

あなたは優しい人だからきっと僕に合わせようとしてくれていたのでしょう
もちろんあなたが僕に愛情を持ってくれていたこともわかっています
だからこそ尚更 僕に尽くしてくれようとしていたのでしょうね
それを思うとあなたには申し訳なかった 本当に・・・
彼があなたを奪って行ったとかどうとかではないんだと思います
あなたの愛情に応えられなかったのは僕の方だから
我慢と疲れを与えてしまっていたこと・・・ごめんね

僕はあなたとの別れをきっかけに人生が大きく動き出しましたよ
元気なくふさぎ込んでいた僕を励まそうと友人が声をかけてくれたのです
「ライブやるんだけどさ、気晴らしに歌ってみないか?」
そして今の僕がここにいます

あなたと出会うキッカケを作ってくれたあいつから聞きました
やはりこの手紙をあなたに出すのはやめておきます
今度こそいつまでも幸せにお過ごしください
そしてあなたはどこにいてもあの頃のやさしい人でいてほしい

あなたとの時間は僕に「本当に従い守るもの」を教えてくれたシーンとして
この人生に今でも深く刻まれています

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