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寂寥感を美しく奏でるビートルズ

音楽に心を揺さぶられるのは何故だろう?
苦いも甘いも酸っぱいも表現する和音の不思議をずっと考えている。

そんな思い出の一つ、高校一年生の私が初めて自主的にビートルズのアルバムを聴いたときの話を記録する。

↑当時の経緯についてはこちらに記載しています


わからないけど聴いてみる


高校一年生の時。
当時変わり者として名を馳せていた教師と放課後に雑談していたとき、彼はこう言った。

「ビートルズが音楽界に与えた影響は革命的だった」

私にはよくわからなかった。
言葉としては理解できたが、その語り口から想像させられる衝撃についてはピンとこなかった。

ビートルズの音楽的革命についてピンとこなかった私は、
まずは聴いてみようといくつかアルバムを借りた。
確か2〜3枚借りたのだが、この中の一枚が私とビートルズを繋ぎあわせた。
そのアルバムは「リボルバー」(1966年発売)。

リボルバーの2曲目「エリナー・リグビー 」を聞いたときに
この悲しい弦楽奏で始まる楽曲が心に深く刻まれた。
こんなにも寂しい音楽なのに、美しい。


それは寂寥感


寂しさと美しさ。
16歳にはその複雑な心模様を言語化できなかったが、
あれから今でも「リボルバー」は私の中でちょっと特別な存在だ。

どこかで見たモーツアルトの言葉に
「私は寂しさや怒りといったネガティブな感情でも、美しく音楽に表すことができる」
というものがあった。


「私は孤独だ」という主観的な表現ではなく
客観的視点(第三者の目線)で淡々と奏でる曲だからこそ
映画を見ているような心象風景が立ち上がってくる。
音楽は不思議だ。

All the lonely people
Where do they all belong?

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