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承認欲求について知っておくべきこと

「こんなに頑張っているのに、認めてくれない」
「こんなに苦労している姿を、誰も見てくれない」
「どんなに頑張っても、自分は頑張っていると心から思えない」

こんな感情が無かったらどんなに楽なんだろう、と思ったことはありませんか?

この厄介な感情の正体、それは承認欲求
悲しみ・怒り・不安など、時に様々な心理的困難をもたらす承認欲求について、今日はちょっと深掘りしてみたいと思います。

◆承認欲求のはじまり

赤ちゃんに承認欲求は不可欠。
けれど本来は大人になるにつれて不要になっていくもの。

そもそも承認欲求における【欲求】って何でしょうか?

→自分の欲 。周りに対してこうして欲しい、こうなって欲しいを
→相手に求めること。自分の欲しいものを相手から貰おうとするイメージ。

それを踏まえて、今の自分の承認欲求のルーツを辿ってみましょう。


承認欲求の始まりは生まれて間もなく。赤ちゃんの頃です。
抱っこして!おむつ替えて!おなかすいたよー!眠いからゆらゆらして!
こっちを見てよ!かまってよー!
赤ちゃんは親が自分の欲求を満たしてくれるまで、泣いて訴え続けます。
そして欲求が満たされると、安心して眠りにつくのです。

赤ちゃんにとって、親からこれらの欲求を満たしてもらえることは “生”を意味します。逆に親にこれらを満たしてもらえないことは“死”を意味します。
承認欲求が無ければ、命を繋いで生きていけないのです。
承認欲求が無いと生きていけない。赤ちゃんにとって承認欲求は、本能的に必要なものなのです。


そんな赤ちゃんも1歳、2歳、3歳…と成長していくと、
「この時間になればご飯を食べられる」
「こうすればお父さんやお母さんがかまってくれる」
「この時間になると眠れるんだ」ということを徐々に学んでいきます。

赤ちゃんの頃に満たされた“生”に対しての承認欲求。
成長するにつれて今度は  “アイデンティティ” に対しての承認欲求へと変化していきます。


◆承認欲求のカラクリ

成長と共に、アイデンティティへの承認欲求に変化していく子ども。
自分は自分のままで良いんだ、自分は他者や社会から認められているんだという感覚です。

幼少期に親から自分の好きなこと、好きなものを「すごいね!」「それ良いね~!」と褒めてもらえたり、自分がやってみたいことを「良いね、やってごらん!」「きっとできるよ!」と認めてもらえた経験。

このようなコミュニケーションから、子どもは自分が受け入れてもらえている感覚を学び、無意識に「ここに居ても良いんだ」「生きていても良いんだ」という安心感や自信を形成します。
親からもらった燃料タンクです。

一方、幼少期に認めてもらう・褒めてもらうという経験が少ないと、自分自身に対する安心感や自信が不足している状態に陥りやすいのです。
そしてそのまま大人になった場合、
自分はこれで良いんだ、生きていても良いんだという安心感を他者に求めるようになります。

本来親に満たしてもらうはずだった燃料タンクを他者に満たしてもらうことで、安心感や自信を得ようとするのです。
本当は親に満たしてもらいたかった。でも今から親に褒めてもらったり、認めてもらったりすることは難しい。
誰かに認めてもらいたい”ということは、お父さんお母さんの続きをその相手に求めているということなのです。


◆目的の動機が変わってくる

「認められたい」「褒められたい」という気持ちで過ごしていると、あらゆる行動の目的が変化していきます。

「色んな経験をしたい!」「人に喜んでもらいたい!」と最初は楽しくやれていた仕事も「あの人に褒められたいからちょっと残業しよう」「無理してでも頑張ろう」と目的が変わっていく。
「美味しいものを作るのが楽しい!」と楽しく作っていた料理も、「忙しい中頑張って作ったねと言ってもらいたい」と目的が変わっていく。

このように、承認欲求は“何のためにやっているのか?”という本来の動機まで変化させてしまうのです。

認められたい・褒められたいと思いながらした行動は、必ず見返りを期待してしまいます。
そしてその見返りがないと、苦しさが生まれます。
( 褒めてもらえなかった、認めてもらえなかった、自分はダメだ、役に立たない、価値がない、愛されていない )

もし自分が花だったとしたら。
お水を自分の欲しい時に、欲しい量だけもらえるとは限りません。
そう考えると他者に承認されることで安心感を得るというのは、実はちょっと非合理的なことなのかもしれません。
そして何より、他者から承認されないことよりも、自分で自分を承認してあげられないほうが本質的には悲しいことです。


◆脱!承認欲求への第一歩

私自身、カウンセリングで承認欲求をどんどん手放していくクライアントさんを沢山見てきました。人間って面白いほど変われます。

もし承認欲求を少しでも手放したいと思ったら、
行動の目的を他者からの承認ではなく、自分の好きなこと、楽しいこと、ワクワクすることに置き換える。好きなことが見つからない、何をして良いのか分からないという人は、自分の心が安心すること、穏やかな気持ちになれることを見つけるとGOOD!


承認欲求を減らしていく第一歩は、まずはここから。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。



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