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【フランス転職記#1】就労ビザ「パスポートタラン」を取得するまで
欧州MBAを卒業後、フランスで働くことになりました。
フランスにある大学院を卒業後、就労ビザを取得しそのままフランスに残って働く同僚はいるものの、私のようにフランス以外の国で大学院を修了したのちにフランスの就労ビザを申請した方がなかなか周りに見当たらず、就労ビザ申請時は非常に四苦八苦しました。(申請手続きにあたり、多くの方々に助けていただきました。誠にありがとうございます。)
今後、同様のビザを申請される方の参考になればと思い、申請プロセスについてここに記そうと思います。
はじめに
フランスの就労ビザには大きく2つ種類があります。どちらも入国後、現地で有効期間を延長することが可能です。
①パスポートタラン:有効期間は最長4年間。
②LVS-TS:有効期間は原則1年間。
パスポートタランは有効期間が長い分、申請にあたっての条件(一定額以上の給与など)を満たしている必要があります。(条件についてはこちらから)パスポートタランはLVS-TSよりも提出する書類が多く、勤務先からの協力は欠かせません。
どのビザで申請するべきか、まずは勤務先の方に確認すると良いかと思います。
過去にビザスポンサーをしているのか、その場合はどのビザでスポンサーしたのか。勤務先からの回答とパスポートタランの申請条件を照らし合わせて、就労ビザ申請の検討を進めていくのがおすすめです。
私の場合は、LVS-TSの方が簡易的な申請ではあるのですが…まだフランス語が話せず、毎年ビザの更新作業が発生することに不安を覚えたため、勤務先に相談の上、パスポートタランで申請を進めました。
必要書類(2023年10月時点)
必要書類はビザ申請用のサイト内にあるVISA WIZARDにて確認できます。必要書類に改訂される可能性もあるので、申請作業に着手する前にご自身で最新情報をご確認いただけたらと思います。
私はパスポートタランの新興革新企業従業員(Recruitment in an innovative young company)の枠でビザを申請しました。下記が今回の申請で準備した資料です。参考までに、括弧内に書類手配者を記載しております。
パスポート(被雇用者)
顔写真 3枚(被雇用者)
└規定についてはこちらから。背景色は白のみなど、いくつか規定があります。CERFA n°14571*05(被雇用者)
CERFA n°15614*04(雇用主)
└サイン入りの原本が必要とのことでした。雇用契約書(被雇用者)
└オファーレター受諾時にサインした契約書。弊社はDocuSignを使った電子契約書で締結しているのですが、そちらを提出しました。当該ポジションにおける、従業員の資格と経験を証明する書類(被雇用者)
└大学院のDiplomaを提出しました。英語で記載があるDiplomaだったため、アポスティーユや翻訳はせず、そのまま提出しました。遂行すべき職務と引き受ける任務の目的を明記した書簡(雇用主)
└Hiring Managerが一筆書いてくださりました。社会保障協定適用証明書「J/F6」(被雇用者)および社会保障費負担金及び社会保険料支払証明書「URSSAF」(雇用主)
└社会保障協定適用証明書は日・フランス社会保障協定申請書を提出する必要があるようです。(現地採用というよりかは、日本の企業付けで駐在として行かれる方が提出対象となるようです。)
└URSSAF上での受領確認証として、勤務先が準備してくださったDPAEを提出しました。Extrait KBIS(雇用主)
フレンチテックが発行した、革新的企業の証明書(雇用主)
パスポート返送用のレターパック赤(被雇用者)
└お問い合わせ番号を控えるのを忘れずに…!申請費分の現金(被雇用者)
└お釣りが出ないよう、小銭を準備して向かいました。
必要書類には含まれていなかったものの…Autorisation de Travail(就労許可証)をすでに取得していた経緯があり、こちらの書類もあわせて持って行きました。
申請プロセス
日本からの申請は、都内にあるフランス大使館で手続きを行なうこととなります。
アポイントの予約はこちらで枠を確保しました。(上記③の書類作成時の最後にこの予約画面が表示されました。)
10月の申請だったせいか空き枠も十分にあり、すぐ予約が取れました。申請タイミングによっては枠の逼迫が予想されるため、早めに枠の確保に動いた方が良いかも知れません。
当日は書類の提出、指紋採取、顔写真の撮影を行ないます。30分も掛からず、手続きが終わりました。
最後に
申請から翌3営業日で承認の旨をWebサイトで確認。なんと、アポイントメントから1週間以内にパスポートを返却いただきました。あまりにスムーズな対応にびっくりしました…!フランス大使館の皆様、迅速なご対応をいただき、ありがとうございました。
大学院の卒業証書が手に入ってからのVISA申請開始だったため、大学院卒業と同時に進学先の国での在留資格が切れる(=シェンゲンビザに切り替わる)私は、日本に帰国して申請せざるを得ませんでした。
ただ、フランスの大学院に進学してそのまま残っている同僚は、フランス国内で全ての手続きを終えたようで、手続きはよりスムーズだったようです…。現地就職を視野に入れて欧州の大学院に進学する場合、勤務希望国から逆算して進学先を決めるのも一つの手段かもしれません。
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