見出し画像

ネイティブ日本語教師に必要なこと no.2


前回のネイティブ日本語教師に必要なこと no.1では、
「ネイティブ日本語話者としてのネイティブスイッチをオンにしておくこと!」というお話をしました。
今回は「言葉に関する好奇心と感度を上げる〜中級以上レベル編」です。

言葉に関する好奇心と感度を上げる〜中級以上レベル編


日本語は中級以上になると語彙も表現もどんどん増えていきます。
しかも抽象的だったり、意味が近いものが多かったり、一つ一つの語彙の使用頻度が低かったり・・・
初級の時は新しい言葉を覚えたらすぐに生活の中で聞いたり使ったりできたけれど、中級以上の語彙となるとそうはいきません。そんなわけで中級レベルは日本語学習へのモチベーションが下がりやすい時期でもあります。

学習者のニーズを知り、想像し、カスタマイズする

中級の学習者からこんな質問がよく出ます。
「改良と改善は何が違うんですか?」「介入するって会話で使いますか??」こんな時、日本語教師はどのようにサポートするべきでしょうか。日本語教師は主観や自身の普段の言語活動から、簡単に「だいたい同じです。」「うーん、これは、あまり使いませんね。」などと答えてしまうことがあります。でも、教師側の主観のみで答えてしまうのは危険ですね。

だからと言って、意味の違いや使い分けをただ細かく説明しても伝わりません。意味や使い分けを説明するにしても、その人が日本語でどのレベルに到達したいのか、どんな環境で日本語を使うのかなど学習ニーズによっても答え方は異なってきます。

例えば、その学習者が日本語で仕事がしたいのなら、自分では使えなくても、見聞きして意味が分かる語彙が多いほうがいいのかもしれません。
「会話ですぐに自分から使うことはないかもしれませんが、会話や読み物には出てくる言葉です。その時に意味がわかったほうがいいですよね。」とか
「若い人はあまり使いませんが、少し年上の人やテレビのニュースなどではよく使われていますよ。」などと学習者の立場に立って、客観的な視点でアドバイスをする。そして、語彙の説明や例文も彼らの学習ニーズにあった答え方にカスタマイズしていけるといいですね。

私たちはネイティブでプロフェッショナルな日本語教師です(または、それを目指しています)。「学習者にとって何が必要かを知り、彼らがどんな場面でどう使うのかを想像し、それに合わせて答え方をカスタマイズする」を心掛けていると、回答の仕方も変わってきます。

言葉へのアンテナを立てておこう

「学習者のニーズを知り、想像し、カスタマイズする」と言っても、先生が普段から中級以上の言葉に触れていないと、また言葉へのアンテナを張っている状態でないと、学習者からの質問に機微よく答えることはなかなかできません。

日本語を教えることを仕事にするなら、言葉への好奇心と感度を持っておくこと、常に講師自身が楽しんで言葉の意味や違いを考えていることが必要です。メディアに触れたりして、今世間ではどんな言葉が使われているのか、どんなことが話題になっているのか、常にアンテナを立てておくといいですね。

最後に、この記事が少しでもお役に立ったら、ぜひスキを押してください!次回は、ネイティブ日本語教師に必要こと no.3をお届けします。(Y)

cotohajimeでは現役日本語教師、新米日本語教師、日本語教師を目指す皆さんに日本語教育に関する情報を提供しています。ぜひホームページにもお立ち寄りください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?