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クリエイティブ業務管理に重要な3つの視点

クリエイティブ業務の管理について【ディレクション】と【マネージメント】【リーダーシップ】という3つの視点を使い分けることが重要です。

私は、ゲーム制作現場のクリエイティブに特化したプロジェクトマネージャーという業務を担当しています。

そもそもプロジェクトマネージャーとは何か?

まずプロジェクトマネージャーとは、プロジェクトの立ち上げから完了までを一元的に管理・指揮する役割を持つ人物のことを指します。プロジェクトマネージャーは、顧客や関係者との折衝やスケジュール調整、コスト管理やリスクマネジメントなど、多岐にわたる業務を担います。プロジェクト成果物の品質を維持し、タスクの推進やスタッフの指導にも注力します。プロジェクトにおいて最大の成果を出すためには、プロジェクトマネージャーの的確な判断と進行管理が欠かせません。

ただ、ゲーム制作などで規模が大きいプロジェクトになると、一人のプロジェクトマネージャーが全ユニットを統括して、先に述べたような必要な業務をやりきれるようなものではありません。特にクリエイティブ分野にいたっては、ある程度クリエイティブ業務に理解があって専門スキルや知識が必要となります。

クリエイティブに特化したプロジェクトマネージャー

そのなかで私は、クリエイティブ領域に特化した役割を担っています。

わかりやすい例としては2Dイラストという括りの中にもキャラクターを主として担当するメンバーや背景を担当するメンバーに細分化され、それぞれの得手不得手と業務内容を理解した上で、担当の割り振りが行われます。

一般的な【顧客や関係者との折衝】【スケジュール調整】【コスト管理】【リスクマネジメント】という業務の中にも各クリエイティブ分野ならではの体系化されたノウハウや、進行をする際に必須となる最低限のもの作りに対するリテラシーが必要になるのです。

ディレクションとマネージメント、リーダーシップの違い

クリエイティブ現場に限らないものではありますが、しばしばディレクションとマネージメント、リーダーシップは混同されて語られることが多く、育成計画や担当者の業務領域が混乱している現場を良く見かけます。

それぞれの視点は分けて語るほうが、担当領域が明確で肥大化した組織やプロジェクトにおいては意識統一もシンプルになります。

重要な3つの視点

1.ディレクションの視点

  • プロジェクトの方向性を明確に示し、目標を達成するための実務レベルの具体的な方法を考え、クオリティライン明確にして成果物の合否判断を行う。

  • チームメンバーがプロジェクトのテーマに則したアイデアを出しやすい環境を作り、より創造的なアウトプットを生み出す。

  • ディレクションによって、チーム全体のモチベーションを高め、プロジェクトの進捗をスムーズに進める。

2.マネージメントの視点

  • プロジェクトのスケジュールや予算、人員配置などを管理し、クオリティラインを定義し品質や納期を守る。

  • チームメンバーの業務や進捗状況を適切に把握して、必要な調整やフォローアップを行う。

  • マネージメントによって、プロジェクトのリソースを最適活用し、成功への道筋を作る。

3.リーダーシップの視点

  • チーム全体を牽引し、方向性を示すことで、メンバーのパフォーマンスを最大化する。

  • チームメンバーのニーズや要望を理解し、それぞれがモチベーションを持ってプロジェクトに取り組めるようにする。

  • リーダーシップによって、プロジェクトに参加する人々の目標や価値観ををチームの価値観とすり合わせる。

クリエイティブ業務では特に1と2のバランスが難しい

この中でクリエイティブに特化したプロジェクトマネージャーは、主に2と3を担うことになります。

一人で3つの遂行はとても困難で、特に2のマネージメント視点は1のディレクションと相反するのでよほど強い権力を持つ豪腕ディレクターが鶴の一声でリソースを調達出来るか、そもそも使いき切れない潤沢なリソースがある場合を除き、品質とリソースを秤にかけ続ける必要があります。

チーム組成の段階でいずれかのバランスが崩れていると、多くの場合どこかに歪みが生じるか破綻をしてしまいます。

私は過去に様々なチームへ業務改善として参加させていただきましたが、適切に進行出来ていない組織は、機能としてこの【3つの視点】のバランスが極めて悪い状態でした。

クリエイティブに特化したプロジェクトマネージャーは、ディレクションの視点を持つメンバーと密に対話し、チームの目的と全体リソースのバランスを鑑みて、必要な意思決定を行います。

また時に制作現場とも直接の対話するので、現場の感情が理解出来ることや共通言語で意思疎通が出来る必要があります。

まとめ

前述の【3つの視点】を持って業務改善やチーム組成ができると、現場のクリエイターとしても組織としても、とてもシンプルで強いチームが作れるので是非いちど、ご自身の立場から思いを巡らせてみてください。

必要な要件をまとめると以下のような業務領域と人物像となります。
①メンバーの要望やニーズ、目的や価値観を理解し言語化出来る。
②チームの目的とリソースのバランスを鑑みて、必要な意思決定が行える。
③クオリティラインを定義し品質や納期を守ることが出来る。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
もしもこれが誰かの考えるきっかけや助けになれたら嬉しいです。




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