101. デジタル眼精疲労の症状を最小限に抑えるためには,人間工学的なパラメーターを最適化し,スクリーンの使用時間を制限することが望ましいと思われる。青色遮光フィルターの使用に関するエビデンスはない

Digital eye strain in young screen users: A systematic review

Mataftsi A, Seliniotaki AK, Moutzouri S, Prousali E, Darusman KR, Adio AO, Haidich AB, Nischal KK. Prev Med. 2023 May;170:107493. doi: 10.1016/j.ypmed.2023.107493. Epub 2023 Mar 26. PMID: 36977430.


デジタル眼精疲労(Digital eye strain:DES)またはコンピュータビジョン症候群(computer vision syndrome:CVS)は,世界的に増加し続けるデジタル画面の使用に関連する現象であり,多くの個人に影響を及ぼしています。DESの原因因子と緩和因子を認識することは,適切な政策の確立に役立つと考えられる。我々は,若年者,すなわち老眼前(40歳未満)のデジタル機器使用者のDES症状を悪化させたり緩和させたりする要因を検討することを目的とした。2021年7月1日までのPubMed,Scopus,EMBASE,Cochrane,Trip Database,およびグレー文献を検索した。DESの診断基準が異質な多数の研究の中から,若い被験者の診断と関連要因の評価に有効な質問票を用いたもののみを対象とした。関連データを抽出し,対象研究のバイアスリスク評価と各アウトカムのGRADE評価を実施した。2365人が参加した10件の研究(介入型5件,観察型5件)が含まれた。バイアスリスクが中程度の研究から得られたエビデンスは,青色遮光フィルターはDESを予防しない(2研究、130人),一方,1日4~5時間以上のスクリーン使用(2研究,461人)およびスクリーン使用時の人間工学的パラメータの不良(1研究,200人)は,DES症状スコアの高さと関連することが示唆された。青色遮閉フィルターとスクリーンの使用時間に関するアウトカムのGRADE評価では,エビデンスの質は低~中程度であることが示された。DESの症状を最小限に抑えるためには,人間工学的なパラメーターを最適化し,スクリーンの使用時間を制限することが望ましいと思われる。医療専門家や政策立案者は,職場やレジャーでデジタル画面を使用する人に,このような方法を推奨することを検討してもよいと思われる。青色遮光フィルターの使用に関するエビデンスはない。

※コメント
ブルーライトカットに対するデジタルデバイス眼精疲労へのevidenceは今のところ無いようです。
ブルーライト云々よりも,使用時間や使用距離などの人間工学的なパラメータの方が関連性があるようです。

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