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幾時代か過ぎて Ⅱ

澄み切った時代がありました
何もかもわかりやすい世の中でした
社会も人の心も嘘はありませんでした

やさしさがあふれた時代でした
石につまづき倒れたとき何も言わず 
あなたは手を差し伸べてくれました

胸を焦がした時代がありました
持ったより胸の熱さをコントロールできず
あてのない怒りを吐き出していました

かなしい時代がありました
窓についた雨粒がひとつひとつ
かなしいと数えては指が泣いていました

静かな安息の時代がありました
燃え尽きたかのような火種を消して
眠りましょう あなたのそばで

そんな時代は消えてしまったと言います
そんな時代はもう来ないのでしょうか
当たり前に四季のある時代でいいんです

濁ったままの時代や淀んだままの時代は
どこかへ掃いて捨て
澄み切った時代に戻せばいい ぼくらの手で


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