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[英語]多読のための読書ガイド

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どんな洋書を選んでいいかわからない人のために! 英語学習雑誌『多聴多読マガジン』の連載コーナー「多読のための読書ガイド」の記事をスピンアウト掲載。 英語多読に精通したプロたちによ… もっと読む
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#ミステリー

「本にまつわるミステリー“Death Sentences”に注目!」~英語多読のための読書ガイド [ミステリー]~

ミステリー編 ~2024年06月号~執筆:河出 真美 (梅田 蔦屋書店 洋書コンシェルジュ) 本にまつわるミステリー“Death Sentences”に注目! ジェフリー・ディーヴァー、トマス・H・クックなど、名だたる顔ぶれが参加する、本にまつわる短編ミステリーシリーズ、「Death Sentences: Short Stories to Die For」。 一話が15,000語程度と手ごろな長さで、書き手が実力派ぞろいなので面白さは保証付き、と多読におすすめのシリーズ

「文学的ミステリー A Vintage Shortのすすめ」~英語多読のための読書ガイド [ミステリー]~

ミステリー編 ~2024年04月号~執筆:河出 真美 (梅田 蔦屋書店 洋書コンシェルジュ) 文学的ミステリー A Vintage ShortのすすめA Vintage Shortは、電子書籍限定の短編作品のシリーズ。 ポーなどの古典作品から現代作家の作品まで、様々な作品を読むことができます。 今回はこのシリーズから文学の香りが漂うミステリーを二編ご紹介します。 一作目はイアン・マキューアンの『My Purple Scented Novel』。 イギリス文学界の大

「子どもが主役のミステリー」~英語多読のための読書ガイド [ミステリー]~

ミステリー編 ~2024年02月号~執筆:河出 真美 (梅田 蔦屋書店 洋書コンシェルジュ) 子どもが主役のミステリーこのコラムを読んでいる人の中には、子ども時代、自分と同じ年頃の子どもたちが謎を解くジュブナイル・ミステリーを心を躍らせながら読んだという人も多いのではないでしょうか。 今回紹介するのは子どもが主役のミステリーです。 一冊目は『The Mean Girl Who Never Speaks』。 「こども警察」に所属し事件の解決にあたるミアは、「意地悪な子

「多読学習者におすすめ! 人気作家の短編」~英語多読のための読書ガイド [ミステリー]~

ミステリー編 ~2023年12月号~執筆:河出 真美 (梅田 蔦屋書店 洋書コンシェルジュ) 多読学習者におすすめ! 人気作家の短編今回ご紹介するのは、人気作家による短編二編です。 最初は、ジェフリー・ディーヴァーのSurprise Ending。 組織犯罪の捜査官に思わぬ話を持ちかけられたミステリー作家アランの運命を描きます。 51ページのボリュームの中に意外な展開をいくつも盛り込み、驚きの結末まで読者を翻弄するその匠の技はさすがディーヴァー。 あっという間に読め

「多読の定番、A to Zの新シリーズ! A to Z “Animal”Mysteriesをご紹介!」 ~英語多読のための読書ガイド [児童書]~

児童書編 ~2023年12月号~執筆:黛 道子(元日本保健医療大学教授) A to Zの新シリーズ ! A to Z “Animal” Mysteries今年度も引き続き、chapter books*をご紹介していきます。 子ども向きのミステリとしては古典的なシリーズにRon Royの A to Z Mysteries がありますが、今回ご紹介するのは、その形式を借りた A to Z Animal Mysteries という別作家のシリーズです。 それぞれの本のタイトル

ミステリー・アンソロジーの世界 ~英語多読のための読書ガイド [ミステリー]~

ミステリー編 ~2023年10月号~執筆:河出 真美 (梅田 蔦屋書店 洋書コンシェルジュ) ミステリー・アンソロジーの世界今回ご紹介するのは、短編ミステリーのアンソロジー2冊です。 まずはTiny Crimes。 なんと1話が4~5ページ程度の超短編を集めた一冊です。 執筆陣が豪華で、アメリア・グレイ、ブライアン・エヴンソンなど、海外文学ファンなら唸ってしまう、まさに今をときめく作家たち。 日本からは中村文則が参加。 カルメン・マリア・マチャドによる、なんとたっ

多読者の強い味方、Oxford Bookworms ~ 英語多読のための読書ガイド~ミステリー

ミステリー編 ~2023年8月号~執筆:河出 真美(梅田 蔦屋書店 洋書コンシェルジュ) 多読者の強い味方、Oxford Bookworms英語学習者の強い味方、それが、レベルごとに語彙・構文などを制限して書かれたグレーデッド・リーダーズです。 数十~百ページ程度の長さの読み物は、一般向けの洋書に手を出す前、英文に慣れるためにはもってこい。今回はその中でも、Oxford Bookworms Libraryからおすすめのミステリーをご紹介します。 まずはLevel 2か

大人にも最適なCambridge English Readers~ 英語多読のための読書ガイド~ 多読用リーダー

GR/LR編 ~2023年8月号~執筆:古川昭夫(SEG英語多読教室主宰) 大人にも最適なCambridge English ReadersCambridge English Readers(略称CER)は、イギリスの出版社ケンブリッジ大学出版局が発行する英語学習者用の Graded Readers(GR)です。 使用語彙250語レベルのStarterから、使用語彙3,800語レベルのLevel 6まで、7段階に分かれています。 古典名作の簡約版がなく、すべて描き下ろ

短いものをたくさん読む、長い本を区切って読む ~多読のための読書ガイド~ミステリー

ミステリー編 2023年6月号         執筆:河出真美(梅田 蔦屋書店 洋書コンシェルジュ) 多読初心者によくおすすめするのは「短いものをたくさん読む」と「長い本を区切って読む」。今回はそれにぴったりな本を紹介します。 まずはRebekah - Girl Detective Books 1-4。 少女探偵Rebekahが主人公の子ども向けミステリー。 1冊は20ページ、約6,000語とちょうどいいボリューム。 シリーズはこの後も続いているので、続刊に手を伸

幽霊の絡むミステリー~ [英語]多読のための読書ガイド 2022年12月号②~

ミステリー編 ~2022年12月号~            執筆:西澤 一(豊田高専名誉教授) 今月は、主題に幽霊の絡むミステリーを紹介します。Cengage Page Turners (CPT) のレベル6 からPicture in the Attic と、Cormoran Strike シリーズの最新刊です。 CPT は、YL1.2 ~ 4.8 に12 レベルのGR です。レベル1 ~ 4 の学園ものは若い読者に人気で、やさしいものの朗読速度が遅くないGRとして聞き読

A. Horowitz の新旧ミステリー ~[英語]多読のための読書ガイド 2022年8月号②~

ミステリー編 ~2022年8月号~執筆:西澤一(豊田高専名誉教授) A. Horowitzの新旧ミステリー今月は、Sherlock HolmesやJames Bondシリーズ続編の執筆も委ねられ人気絶頂の英国作家Anthony Horowitzの作品を紹介します。初期の児童小説The Diamond Brothersシリーズと、今夏に最新作が出版予定のHawthorneシリーズです。 まずは、The Diamond Brothers についてです。世界で最も無能な私立探偵

日本が舞台のミステリーを英語で読もう~ [英語]多読のための読書ガイド 2022年4月号③~

ミステリー編 ~2022年4月号~執筆:西澤 一(豊田高専名誉教授) 日本が舞台のミステリーを英語で読もう今号は、日本が舞台のミステリーを紹介します。 人名や地名などの固有名詞が理解を助け、文化的な背景を知る日本人には読みやすいので、原作も、英訳版もオススメです。 (1) GRで本格ミステリー、Cambridge English Readers『The Big Picture』は GR*のミステリー作家として人気の Sue Leather が、1990 年代に大相撲の人