幽霊の絡むミステリー～ [英語]多読のための読書ガイド 2022年12月号②～
英語学習誌『多聴多読マガジン』連載記事「多読のための読書ガイド」からのスピンアウト！ 多読のプロたちによるおすすめの良書（英語の本）を紹介するコーナーです。
ミステリー編 ～2022年12月号～
執筆：西澤 一（豊田高専名誉教授）
今月は、主題に幽霊の絡むミステリーを紹介します。Cengage Page Turners （CPT） のレベル6 からPicture in the Attic と、Cormoran Strike シリーズの最新刊です。
CPT は、YL1.2 ～ 4.8 に12 レベルのGR です。レベル1 ～ 4 の学園ものは若い読者に人気で、やさしいものの朗読速度が遅くないGRとして聞き読みにも適しています。レベル5 以降にはテンポのよいミステリー系の作品も増えてきますので、大人のやさしい読み物、特に聞き読み用としてお薦めしたいシリーズです。
Cormoran Strike シリーズについてです。私立探偵Cormoran（30代男）とRobin（20 代女）が活躍するシリーズもT h e I n k B l a c k H e a r t で6 巻目です。毎回の、難事件解決も読み応えがありますが、互いに好意を持つふたりが探偵業務を崩壊させかねない関係を避けようと努力する様子や、ふたりを取り巻くユニークな脇役たちの人間模様描写も魅力です。次巻が待ち遠しいシリーズです。
(1) The Picture in the Attic (Cengage Page Turners)
●著者： Richard MacAndrew
●出版社： Cengage Learning
●総語数： 9,373 語
ロンドン郊外で新婚生活を始めたEmma、新居は古い屋敷で掃除も大変でしたが、都会の喧騒から逃れた平穏な生活に期待を膨らませていました。
屋根裏から聞こえる変な音が気になりますが、古い屋敷だからと夫は取り合いません。
夫の出張中にも騒音はエスカレートし、妊娠を知らさせたEmmaの不安はますます募ります。
(2) The Ink Black Heart (Cormoran Strike #6)
●著者： Robert Galbraith
●出版社： Mulholland Books
●総語数： 287,000 語
若者に人気の幽霊漫画の共著者Edieが、ネット上でハラスメントを繰り返す謎の人物Anomie の調査依頼に来たとき、ネット調査は探偵事務所の得意分野ではないと考えたRobin は断ります。
しかし、数日後、Edieは漫画の舞台であるHighgate墓地で何者かに刺殺され、探偵事務所は危険な事件に巻き込まれていくのでした。
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