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忘れられない人

21歳の時。
ハリウッド映画のゼミでテルマ&ルイーズの論文を提出していた頃、アナウンサーやマスコミ志望の子たちに埋もれて自分探しをしていた。

学部の子たちはなんとなくお高くとまっていて、
お嬢様らしさを全面に出していて苦手だった。

学部ではいつも決まったメンバーでしか集まらず
あとは部室や学食に入り浸り
頭の下半分をオレンジにして歌を歌っていた頃
年下の彼氏に支えられてなんとか内定・卒業。


卒論はレイチャールズについて書いた。
私の卒論について家族の誰も興味を示さず、
ああもうまともに話すのはやめようなどと思っていた頃、おばあちゃんだけは違った。

ゆっくり読むからね、と
自分の家に私の卒論をもっていき、
そしておそらく最後まで読むことなく
そのまま亡くなった。

私のことを誰よりも誰よりも、
可愛がってくれた人だった。

今日はぼんやりそんなことを考えていた。
21歳から23歳ぐらいまでの記憶。
甘酸っぱく、知っているようでまだ何も知らず、
しかし確実に社会人に向かう、青春とも苦悩とも呼べる時期だった。

ちなみにテルマ〜の論文は
「レズ要素があるのでは?」と書いたことだけ覚えている。


テルマ & ルイーズ(1991)


Ray(2005)

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