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ゴッドファーザーの都市伝説的考察 ~バチカンとフリーメイソンの陰謀

  フランシス・コッポラ監督の「ゴッドファーザー」シリーズは、映画史に残る名作です。その最終章である「ゴッドファーザー PART III」は、都市伝説や実際の出来事を巧みに織り交ぜた魅力的な作品です。これらの要素を理解すれば、作品の面白さが倍増すること間違いありません。また、隠された謎(イースターエッグ)を解き明かすことで、新たな視点から映画を楽しむことができるでしょう。ぜひ最後までお付き合いください😁

2つの殺人事件

左からマルチンスク大司教(バチカン銀行総裁)、リチオ・ジエッリ(フリーメイソン・P2ロッジのグランドマスター)、ロベルト・カルヴィ、ヨハネ・パウロ1世

 「ゴッドファーザー PART III」(1990年12月25日公開)では、実際の出来事をプロットに取り入れています。背後の利害関係が複雑な事件なので、2つの事件だけ簡単にサクッと押えておきましょう

1  ヨハネ・パウロ1世暗殺陰謀説(1978年9月28日)
 ヨハネ・パウロ1世は、教皇就任からわずか33日後に不審な死を遂げました。教皇がバチカン銀行を巡る汚職調査に積極的だったため、暗殺されたという説があります。(参考wiki

2 ロベルト・カルヴィ殺人事件(1982年6月17日)
 アンブロシアーノ銀行の頭取であったロベルト・カルヴィは、ロンドンの橋で首つり死体として発見されました。この銀行はイタリアの主要銀行の一つで、バチカン銀行と密接な取引を持っていたため「神の金庫番」と呼ばれていました。しかし、マネーロンダリングなど巨額の使途不明金が発覚し、破綻に至りました。カルヴィの死は、金融スキャンダルの口封じのため、自殺に見せかけた他殺ではないかとされています。(参考wiki

イースターエッグ探し

 それでは、コッポラ監督が映画に込めた隠しメッセージ(イースターエッグ)を探してみましょう。監督が意図的に隠したものから、インスピレーションによる啓示まで、さまざまなメッセージがあって楽しめますよ~😋

1 オレンジは死亡フラグ

  「ゴッドファーザー」シリーズを通して、オレンジは死亡フラグとして認識されています。なぜオレンジなのかというと、製作者は色彩効果を理由に挙げていますが、シチリア産の「ブラッディー・オレンジ」という品種から、ブラッディー(血なまぐさい)なシーンの予告として効果的に使われています。

2 チャイナ・ボール

 ピンクの「チャイナ・ボール」という中華料理店の看板とキャデラックのシーンがあります。この後、車内でマネーロンダリングの話が密談されます。中華料理は円卓で料理を取り分けるため、利益の分配を象徴していると考えられます。また、隠しメッセージとしては、「共産主義」を印象づけるメタファーとも解釈できます。

 戦後のイタリアでは共産党の勢力が強く、ローマは冷戦衝突の舞台でした。バチカンとフリーメイソンは対立する組織ですが、反共産主義という共通のプロパガンダにより、アメリカとNATOの秘密工作に協力する関係にありました。

3 聖ジェンナーロ祭とコンクラーベ

聖ジェンナーロ祭

 ニューヨークのリトル・イタリーで開催される聖ジェンナーロ祭で、聖母子像の神輿をかついだ行列のシーンがあります。このシーンでマフィアの抗争が起こり、神輿から落ちた救世主の首が転がります。聖母子像の神輿はクライマックスのオペラのシーンでも登場するため、重要なイースターエッグです。

 このシーンと関連があるのは、ヨハネ・パウロ1世が99票を得て教皇に選ばれた直後に暗殺されるという出来事です。「ゴッドファーザー PART III」が公開されたのは1990年で、聖ジェンナーロ祭は9月19日に開催されます。当時はミレニアムを前にして、ファティマの第3の予言やノストラダムスの1999年の予言、救世主の再臨が意識されていた時代でした。特に、ファティマの第3の予言に関しては、教皇暗殺が暗示された内容であることが知られていない時期に、この映画に隠しメッセージが仕込まれているのは驚きです😮

4 コーダの暗号

 「ゴッドファーザー PART III」にはサブタイトルに「コーダ(最終章)」という文字が含まれています。音楽記号のコーダマークは丸十字を使用し、地球の惑星記号に似たデザインです。先述の救世主の首が転がるシーンと1999年の予言を合わせて考えると、「救世主による救いのない地球最終章」という意味にとることができます。

5 影の政府:フリーメイソンP2

「金融は武器だ。政治はその武器をいつ、どう使うかだ」

 ドン・ルケーシ(画像中央)は、フリーメイソン・P2ロッジのグランドマスターであったリチオ・ジェッリをモデルにしていると言われています。P2ロッジは、イタリアの政府・行政機関の高官や経済界の重鎮が会員となっていたため、「闇の政府」とも呼ばれていました。P2は複数の無差別テロ事件に関与していたことから、解散させられました。(参考: Wikipedia

 金融は強力なパワーですが、その力を発揮するには政治力が必要です。「銃」を「戦争・暴力」に置換すると、P2の目的がもっと鮮明になりますね。西側諸国はフリーメイソンの資本家が政治の中枢と強い関係を持ち、一部のエリートに都合がいい政治が行われ、国民は踏みにじられる続ける…

雑談:痛恨のミスキャスト

ウィノナ・ライダ-(左)とソフィア・コッポラ(右)

 「ゴッドファーザー PART III」で一番不評を買ったのが、メアリー・コルレオーネ役にコッポラ監督が自分の娘、ソフィア・コッポラを抜擢したことです。当時人気のあったウィノナ・ライダーが体調不良で降板し、急遽ソフィアが後釜として起用されました。しかし、身内びいきで演技経験の浅い女優を選んだことで、批評家からは「台無しにした」と厳しい批評がありました。

メアリー(Mary)役は聖母マリア(Mother Mary)と同じ名前であり、清楚な気品を持つジェニファー・コネリーのような女優が適役だったのではないかと感じます。このキャスティングの失敗が非常に残念です😓


 これまで見てきたように、「ゴッドファーザー PART III」には多くの隠されたメッセージや実際の出来事を元にしたプロットが織り込まれています。もちろん人間ドラマとしても秀逸で、緻密な駆け引きについて別の機会に掘り下げてみたいと思います。どうぞお楽しみに!

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