きかんしゃトーマスとハリー・ポッターをつなぐミステリーを徹底解説! ④
ハリポタシリーズの第1回目の記事で、ホグワーツ特急やキングスクロス駅の魅力を解説しました。今回は、ホグワーツ特急をさらに深掘りして、驚くべき発見をご紹介します。それは、あの有名な「きかんしゃトーマス」との接点です。これら2つの象徴的な機関車がどのように繋がっているのか、ぜひ最後までお読みください😋
ホグワーツ特急の由来
まず、スタジオツアー東京に展示されているホグワーツ特急について説明しましょう。展示されているホグワーツ特急は、イギリスで走っていた機関車を輸入し、再現されたものです。撮影に使われた実物は、イギリスのグレート・ウェスタン鉄道で走っていた蒸気機関車(GWR 4900 Class 5972 Olton Hall)で、1937年に製造されました。
グレート・ウェスタン鉄道の歴史
グレート・ウェスタン鉄道(GWR)は、1833年に設立され、1838年に運行を開始しました。主要路線はロンドンのパディントン駅からブリストルのテンプル・ミーズ駅までで、南西イングランドやウェールズを結ぶ重要な交通手段でした。1947年末には国有化され、イギリス国鉄の西部局となりました。この鉄道はイギリスの鉄道史において、重要な役割を果たしています。
きかんしゃトーマスの原点
「きかんしゃトーマス」の作者ウィルバート・オードリーは、グレート・ウェスタン鉄道の沿線にあるウィルトシャー州ボックスという田舎町で育ちました。彼の少年期に見た蒸気機関車や鉄道模型への愛着が、後に「きかんしゃトーマス」シリーズの創作へとつながります。トーマスとホグワーツ特急が似ていると感じるのも、同じ鉄道会社の工場で作られた車両だからです。
オードリーの少年時代とボックス・トンネル
オードリーの少年時代、彼の家はボックス駅(現在は廃駅)の近くにあり、彼は蒸気機関車を眺めたり、父親と共に鉄道模型を作ったりして過ごしました。彼の母親が名付けた「旅の終わり」(Journey's End)というオードリー家の住居は、現在、「ローンハウス」(Lorne House)というB&Bになっています。
この家から徒歩5分の場所にボックス・トンネルがあります。このトンネルは、1836年から5年間かけてイザムバード・ブルネルが設計・建設し、当時としては世界最長の長さでした。ブルネルは、自身の誕生日である4月9日に朝日がトンネルを通過するように設計したとされています。この時期はイースター・シーズンで、キリストの復活を象徴する「新しい始まり」や「再生」のメッセージを込めたものとも解釈できます。
トーマスの誕生とボックス・トンネルの象徴
「きかんしゃトーマス」の物語は、第二次世界大戦中に麻疹(はしか)にかかった息子クリストファーを励ますため、オードリーが創作したのが始まりです。トーマスという名前は「自然につけた」とされていますが、オードリーが牧師であったことを考えると、使徒トーマスからの影響を受けていた可能性もあります。トーマスが他の機関車たちと共に困難に立ち向かう姿は、ボックス・トンネルのような「長く深い闇から光へ進む旅」を象徴しているようにも感じられます。この物語は、第二次世界大戦後の1945年に初めて出版されました。
1997年:イギリス児童文学の転換点
ウィルバート・オードリーは1997年に亡くなるまでに、「きかんしゃトーマス」シリーズを26冊出版しました。その後、このシリーズは息子クリストファーが引き継ぎ、現在までに16冊が出版されています。1997年は、イギリス児童文学において重要な年です。この年にオードリーが世を去り、同時にJ.K.ローリングが「ハリー・ポッター」を世に送り出しました。偶然にもこの二つの作家が繋がる年であり、新旧の児童文学が交錯する象徴的な瞬間です。
二つの蒸気機関車の「闇から光へ」の旅路、みなさんは単なる偶然だと思いますか?
ハリーポッター・シリーズの考察記事を書いています。映画の記事委託も請け負っております😊