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50年で90分も早くなった東海道新幹線

ご覧いただきまして、ありがとうございます!
タイトルの詳細は、解答・解説の部分にて記載しています。

「勝手に鉄道検定」は、下記のような鉄道利用に関する不安を解消するために始めた企画です。

「どの路線がどこに行くか分からない」
「この名所はどの駅で降りれば近いのか分からない」
「目的の駅を通過する列車に乗ってしまった」

鉄道に自信がある方には「知識の整理」として、鉄道に自信がない方には「安心して鉄道を利用するためのサプリ」として役立てば本望です。
「勝手に鉄道検定」の過去問題の一覧は、こちらをご覧ください。

勝手に鉄道検定:アーカイブ(一覧)

以下の部分から、「概要」「出題」「解答・解説」となります。
初めての方は概要から、以前から「勝手に鉄道検定」をご覧いただいている方は出題から、前回の記事から遷移してきた方は解答・解説からご覧になることをおススメします。


勝手に鉄道検定「概要」

勝手に鉄道検定は、冒頭でお伝えしたような鉄道利用に関する不安をクイズの形で解消していくことを目指した企画です。
1日1問、鉄道利用に関する不安を解消するのに役立つ問題鉄道や旅行などに関して興味が湧くような問題の作成を心がけています。

自分の周りにも、鉄道利用に関する不安を覚える方はいらっしゃいます。
もちろん、無理強いをするつもりはないですが、そのような方が1日1つでも知識を増やすことで鉄道利用に関する不安が少なくなれば幸いです。

感覚のズレなどから、あまり有用でないと感じる問題もあると思います。
そのような問題を少しでも減らせるように、問題のクオリティ向上更なる知識の拡充に日々努めていきます。

勝手に鉄道検定の記事は、出題&前問の解答・解説が基本的な構成です。
この記事では、

・問100の出題
・問99の解答・解説

を行います。
「勝手に鉄道検定」の動機について、より詳細に知りたい方はこちらの記事もご覧ください。


問100の「出題」

【問100】東海道新幹線を走る列車に関する記述として、正しいものはどれか?

1. 必ず「いい日旅立ち」が流れる
2. A席側からも富士山が見える
3. ひかりは熱海駅に停車しない
4. こだまは安城駅に停車する

問80までは鉄道にまつわる「今日は何の日?」に即して問題を作成していましたが、実験的にスタイルを変更します。
問91~問100では、東海道新幹線に関する問題を取り上げます。

問100は東海道新幹線にまつわる難問です。
東海道新幹線に関する総合的な知識が必要になります。
問題は難しいとは思いますが、1つ1つの選択肢を見ていくと面白い気付きがあるかもしれません!

明日9/28(月)の11:45頃までは、Twitterにて実際にご解答いただけます。
現在解答できる鉄道検定のツイートは、固定ツイートに設定しています。
https://twitter.com/cosine_travel

この問題の解答・解説は、こちらの記事をご覧ください。


問99の「解答・解説」

正解は、「」です。


のぞみは約2時間30分東京駅新大阪駅間を結びます。
以下、詳しく説明します。

◆最速の「のぞみ」

のぞみは、東海道新幹線で一番速い列車です。
しかし、同じのぞみの中でも所要時間には数分程度の差があります。
前後の列車の間隔が詰まったりして、スピードが出せる列車と出せない列車があるからです。

最速で走るのぞみは、上下線で1本ずつです。

上り(東京方面) : のぞみ64号(新大阪駅21:24発)
下り(新大阪方面) : のぞみ265号(東京駅21:24発)

偶然にも、両列車ともに発車時刻が21:24です。
そして、のぞみ64号は23:45に東京駅、のぞみ265号は23:45に新大阪駅に到着します。
所要時間は、2時間21分です。

夜遅くになると前を走る列車も少なくなってきますので、スピードを落とすことなく走れる区間が長くなります。
のぞみ64号・265号は、東海道新幹線で最速の列車となります。

ちなみに、のぞみ64号は博多駅を18:59に出発します。
山陽新幹線の区間では停車駅が7駅になるのぞみが多いですが、のぞみ64号は6駅博多駅小倉駅広島駅岡山駅新神戸駅新大阪駅)しか停車しない最速の列車です。
のぞみ64号は、東海道・山陽新幹線で最速の列車といえます。

もしも、のぞみ64号のぞみ265号に乗る機会がありましたら「これが一番速いんだな」と意識してみてください。
これらでなくても、のぞみは2020年3月から全列車が2時間30分以内東京駅新大阪駅を走るようになりました。
次は、全列車が2時間30分以内で走れるようになった歴史を見ていきます。

◆高速化の歴史

東海道新幹線が開通したのは、前回の東京オリンピックが開催された1964年のことです。
当時は「のぞみ」が無く、「こだま」と「ひかり」が走っていました。

開業当時の「ひかり」は、東京駅名古屋駅京都駅新大阪駅に停車していました。
これは、現在の「のぞみ」よりも停車駅が少ないです。
(新横浜駅は通過、品川駅は当時は開業しておらず)

◇0系の時代

現在の「のぞみ」よりも停車駅が少なかった「ひかり」ですが、東京駅から新大阪駅の所要時間は4時間でした。
当時は現在ほど速く走れる車両ではなく、最高速度は210km/hでした。

このときの車両は、先頭形状が丸みを帯びた0系です。
昔のニュース映像で見ることがあるかもしれませんし、鉄道博物館などでも展示されています。

青梅鉄道公園のGoogleストリートビュー

意外な場所では、「青梅鉄道公園」にも0系新幹線が保存されています。
車内にも入ることができるので、開業当時の東海道新幹線の雰囲気が味わえます。

◇300系の時代

1992年になり、「のぞみ」が誕生しました。
このときに、のぞみ用の車両として登場したのが300系です。

300系の最高速度は270km/hであり、このときから最速の列車は東京駅から新大阪駅を2時間30分で走り抜けていました。

ちなみに、1993年に生まれた自分からすると「のぞみ」と言ったら300系のイメージが強かったです。
中学3年生の修学旅行で京都・奈良に行ったときも300系でした。

◇N700系の時代

300系の登場以降、700系N700系が登場して乗り心地の向上が続けられてきました。
N700系も300系と同じく最高速度は270km/hでしたが、車体傾斜システムを採用したことでカーブを通過するときの速度を落とさずに走行できるようになりました。
これにより、東京駅~新大阪駅間は最短で2時間25分となりました。

◇N700Aの時代

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Aの文字が大きいN700A(浜松駅にて撮影)

N700系は更に改良を加えられたN700Aに改造されました。
最高速度は、270km/hから285km/hにアップしました。
これにより、東京駅~新大阪駅間は最短で2時間22分となりました。

ちなみに、東海道新幹線の車体の横にはロゴマークが書いてあります。
N700Aには、Aの文字が小さいもの大きいものがあります。
Aの文字が小さいものはN700系からN700Aに改造された車両で、Aの文字が大きいものは最初からN700Aとして製造された車両です。

Aの文字の大きさで速度や乗り心地は変わりませんが、小さいAと大きいAを見たときは車両の成り立ちが違うことを思い出してみてください。

◇オールN700Aの時代

2020年3月、最高速度が270km/hだった700系新幹線が東海道新幹線での運転を終了しました
これで、全ての車両が最高速度285km/hのN700Aタイプに統一されました。
よって、スピードが出せなかった700系に合わせることなく、全ての列車で高速化を図ることができるようになりました。

東京駅~新大阪駅間の所要時間は1分短縮されて、2時間21分となりました。
そして、最も時間がかかっていた東京駅~新大阪駅間を2時間37分で走っていた列車は2時間30分で走れるようになりました。

300系の時代には最も早くて2時間30分だったのが、オールN700Aの時代には最も遅くて2時間30分となりました。
こうして、約50年の間に東海道新幹線は4時間から2時間30分まで1時間30分(90分)の短縮をすることができました。

2020年7月1日には、N700Sがデビューしました。
現在ではN700A、N700Sの2タイプが東海道新幹線を走ります。
今後の更なる速度向上、乗り心地の向上が楽しみですね。

◆最後に

2020年9月現在、全ての「のぞみ」が東京駅~新大阪駅間を2時間30分以内で結ぶことを説明しました。

高速化の歴史は、下記の通りです。
(時間は最短のもの、東京駅~新大阪駅間の所要時間)

0系の時代 : 4時間
300系の時代 : 2時間30分
N700系の時代 : 2時間25分
N700Aの時代 : 2時間22分
オールN700Aの時代 : 2時間21分(最も遅くて2時間30分)

N700Aのロゴマークの違いも楽しみながら、是非とも東海道新幹線をご利用の際は高速化の歴史に思いを巡らせてみてください!


最後までご覧いただきまして、ありがとうございました!
明日以降の「勝手に鉄道検定」も、よろしくお願いします!

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