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あなたがいつも調子が出ないのはこれのせいかも?

こんにちは!

こしあんです。

あなたは特にどこか悪いところがあるわけではないのに、いつも調子がでないと感じたことはないでしょうか。

これはあくまで一つの可能性の話ですが、謎の不調の原因としてズバリ「炎症」というものが考えられます。
この「炎症」はあなたも知っての通り、生体の防御反応だったり、外傷などでも生じるあの炎症です。

人が持っている機能ではありますが、実は心も身体も健康な人はこの「炎症」が少ないことがわかっています。

今回は、本人も気がつかないうちに身体を蝕んでいく「炎症」についてのお話です。


【炎症と防御作用】

大抵の人が転んで擦り傷を作ったり、ドアに指を挟んだりした経験があると思います。
あなたも何かしらのケガというものはしてきたのではないでしょうか。
私はよそ見をしていて歩道にあるポールに股間をぶつけたことがあります。笑

それはさておき、簡単に言えばケガをしたとき痛みとともに傷口や挟んだ指が腫れ上がったりするのが「炎症」です。
そして、私たちは炎症を引き起こすことでウイルスなどの侵入者から身体を守っています。

実はこの炎症は身体の表面だけでなく、体内でも起こります。
かぜなどが想像しやすいかもしれませんね。
熱が上がってくると関節が痛くなったりします。

また、花粉が飛ぶ季節などは、アレルギーによって目のかゆみや鼻づまりといった症状に苦しんでいる人も多いのではないでしょうか。
これも外から入ってきた異物に対し免疫システムが過剰反応して起こります。

すり傷といったものは割とすぐ直るのでそんなに気にすることもありません。
しかし、花粉症といったアレルギー反応がひと月以上続くとしんどいですよね。
鼻のかみすぎで頭がボーっとしたり、鼻が詰まってよく眠れない人もいるのではないでしょうか。

このように長期の炎症反応というものは私たちの身体を疲弊させていきます。
しかも、現代人はどうやらこの炎症を長期化させる傾向にあるようです。


【炎症性サイトカイン】

炎症は炎症性サイトカインと呼ばれるたんぱく質によって生じると言われています。
あなたがケガをしたり病気になった時、炎症を引き起こすことで侵入者や負傷から私たちを保護し、体内の善玉菌として機能します。
細胞はサイトカインを放出し、血液が問題のある箇所に誘導されます。
そのため挟んだ指が熱くなったり腫れ上がったりするわけです。

誘導されたサイトカインが治癒を助けるあいだ、人は疲労や具合の悪さを感じます。
先ほども言ったように、風邪を引いたときなど、身体がウイルスと戦っているあいだ、熱や鼻水が出たり疲労を感じたりするのはそのためです。

このように炎症反応を促進する働きを持つサイトカインを「炎症性サイトカイン」と呼んでいます。

この炎症は短期間であれば問題はありません。
しかし、現代人はこの炎症が長期にわたり起こっているところに問題があります。

当たり前のことですが、炎症が長引けば長引くほど私たちの身体にダメージが蓄積されていきます。
このような過酷な環境に置かれると私たちの身体はどうなってしまうのか?

このような状況になると脳は体内で「戦うためのエネルギーが必要だ!」と予測し始めます。
そうすると必要以上に頻繁かつ大量にコルチゾールを分泌するよう身体を促します。
これは通常、コルチゾールが炎症を抑制するためです。
しかし、血中のコルチゾールレベルが長期間上がったままになると炎症は激化し、活力の喪失を感じるようになり、発熱したりします。

風邪を引いたわけでもないのに身体のダルさや発熱があるときは長期の炎症が起こっているのかもしれません。


【長期の炎症と悪循環】

炎症のせいで疲労を感じると私たちの脳は身体を守るために、体内のエネルギー資源を保存するようになります。
そうするとエネルギーを消費しないように人はあまり動かなくなっていきます。
そのため食事の量が減り、睡眠の質が低下し、運動しなくなると言われています。

睡眠不足や運動不足が私たちにどのような結果をもたらすのかはあなたも知っての通りです。
炎症はこうして私たちの身体やメンタルに大きな影響を及ぼします。

そして負の連鎖はまだ続きます。
まず体重が増えた場合、問題がさらに悪化します。
実は脂肪細胞には炎症を激化させる炎症性サイトカインを産出するものがあるからです。

そもそも「内臓脂肪」は人体にとって異物でしかありません。
そのため、私たちの身体に内臓脂肪が増えると免疫システムが働き、脂肪細胞が分泌する炎症物質が臓器に炎症を引き起こします
しかし、内臓脂肪というものは運動や食事制限で減らすしかありません。
免疫機能で脂肪が減るんだったら、だれもダイエットなんてしませんよね(笑)

そして、減らない内臓脂肪がある限り身体はジワジワと燃え続けます。
その結果、傷ついた血管、細胞が動脈硬化や脳梗塞の引き金になると言われています。

「最近調子が悪い」とか「寝たのに疲れがとれない」といった症状は、多くの人が経験したことがあると思います。
しかし、いつまでたっても回復しないのであれば体内で炎症が起こっているのかもしれません。


【脳にも侵入する炎症】

炎症などによって慢性的にバランスを崩した私たちの身体は糖尿病、肥満、心臓病、うつ病、不眠症、記憶力の低下、早期老化や認知症に関与すると言われています。
「うつ病と炎症に何か関係があるのか?」と感じる人もいるかもしれません。

最近の研究では、セロトニンが少ない人でもメンタルが健康な人は多く、逆に激しいうつ病なのにセロトニンが多い人も一定数いることが確認されています。
つまり、今までの仮説では説明がつかないところに注目され始めたのがこの「炎症」です。

たとえば、肉体的・精神的なストレスが毎日続いたとします。
そうするとあなたの身体は緊張状態を解除できず、コルチゾールやサイトカインに満たされます。
これによって脳は身体が何らかの病気にかかっている、またはどこか損傷していると見なし始め、慢性的な炎症が生じます。
今では、脳には炎症性サイトカインを分泌する細胞を持つ独自の炎症システムが備わることが知られています。

脳内の炎症は神経結合に干渉してニューロンを殺してしまいます。
そのため、注意の集中、記憶の想起を困難にし、IQテストの成績を低下させると言われています。

ハーバード大学医学部マサチューセッツ総合病院研究員でもあるリサ・フェルドマン・バレットによれば、まだ研究中ではありますが、「心の病」と考えられているいくつかの主要な疾病は、バランスの乱れと抑制のきかない炎症に起因するのではないかとも言っています。


最後に、
2017年にカロリンスカ研究所が約5万人のスウェーデン人の男性を集めてこのような質問をしたものがあります。
それは「現在のあなたの健康状態はどれに当てはまりますか?」といったものです。
選択肢は5つあり「とても良い、良い、普通、悪い、とても悪い」の中から一つ選びます。

ちなみに、あなたの身体の調子はどれに当てはまるでしょうか?
あなたの主観で構いません。

さて調査の結果、実は体調が悪いと答えた人ほど体内の炎症レベルが高い傾向にありました。
つまり、主観的な判断でも体調が悪いと感じている人は炎症が起こっている可能性があります。

では炎症を抑えるためにはどうしたらいいのか?
と思いますよね。

残念ながらこの「炎症」を抑えるための特効薬というものはないようです。
「健康な食事」、「快適な睡眠」、「適度な運動」のバランスが大切です。
また、社会的な繋がりが少ない人は炎症性サイトカインのレベルがそうでない人よりも高く、病気になりやすいとも言われています。
自分の好きなコミュニティに参加するといった行動も大切なのかもしれません。



今回はここまで

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それではまた次回お会いしましょう。

※この記事は主に私のアウトプットを目的に書いているものです。
参考にした資料(主に読んだ本)をもとに考察したもので、私の主観が多分に含まれています。
そのため、参考にした論文とは結論が異なる場合があります。
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