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グルグル思考の原因を探すときに惑わされる7つの手がかり②、③~十分性・必要性~

こんにちは!

こしあんです。

前回は「この原因があるからこの結果になった」という類似性の話をしました。


今回は、その類似性よりもはるかに強力な手がかりとなっている「十分性」と法制度においても結果を検討する際に基準となる「必要性」について話をしていきます。


【他の選択肢を除いてしまう】手掛かりの罠

この十分性はひとつの原因を突き止めたと思った瞬間、他の可能性を「除外」してしまう手掛かりの一つです。

たとえば、若い女性が道端で突然転んでしまったところをあなたは目撃します。
その女性が躓いた箇所を見れば道がボコボコしているではありませんか。

「あー、きっと段差に引っ掛かって転んでしまったんだな」と考えたりします。
またその女性がヒールの高い靴を履いていれば、「歩き慣れてなかったんだろう」なんてことも考えるかもしれません。

この瞬間、あなたは転んでしまった他の原因を考えなくなります。
つまり、頭に浮かんだ原因がその結果を引き起こす条件を満たしていれば、その他の可能性は除外されるわけです。

多くの人は一つ原因を見つけたら、その後は深く考えることはありませんよね。
しかもこのような認識は概ね合っていて大抵は問題ないと言います。

しかし、そんなこと言われると「じゃあ、特に気にしなくていいのかな?」と思ってしまいます。

ただ、研究者たちによれば「他の可能性を除外している」という認識を持つことは大切で、その認識がないと他者の評価を不当に貶める可能性があると言います。

たとえば、「親の七光りで役を獲得した」とか「アイツは実力じゃなくて上司に気に入られたから出世した」と考えた場合、本人の努力や才能があったからそういった役やポジションを得られたという可能性を考えなくなります。

実はこれ、他人だけでなく自分自身に対しても当てはまります。

いつも対人関係で何らかのトラブルを起こし仕事を長く続けられない人がいたとします。
そうすると「親の愛情が足りなかったからだ」とか「いじめにあって人間不信になったから」といった答えに行き着くことがあります。

確かに、そういった原因も少なからず影響しているかもしれません。
しかし、「他の原因が全くなかったのか?」と考えると疑問が残りますよね。

一つの答えを導き出して一応の決着を付けたがるのが人間のさがというものなのかもしれませんが、深く考えずこの手がかりに飛びつくのは危険です。

機械の故障であれば原因は割とハッキリすることはあります。
しかし、人は皆何十年もかけて成長していきます。
それこそいろんな出来事を通して今のあなたがいます。
たった一つの原因が問題になるわけではないんです。

もし、一つ答えを見つけたら「違う可能性もある」ということを思い出してください。
そうすれば、もっと広い視野を持つことができ、グルグルと思考を彷徨さまよわせることも少なくなるのではないでしょうか。


【バット・フォー・ルール】という必要性

私たちは結果を検討する基準の一つとして「○○がなければ××はなかった」という考え方をします。

たとえば、「あの時慌てなければ転ぶことはなかった」と考えた場合、「心に余裕があれば転ばなかった」という実際にはあり得なかった未来を想像したりします。
人はこうやって反事実的推論をして原因を突き止めようとします。

もっと言えば現実には起きていないことを想定して、一つの可能性を考えているわけです。
いわゆる「たられば」と言われるものに近いのかもしれません。

「あの場所に行かなければ、事故に合わなかっただろうか?」と仮定したとき、もし違う結果になるとすればその場所に行くという要素は原因と見なされます。

でも、こういった思考は誰にでもありますよね。

「あの会社に勤めなければ体を壊すことはなかった」とか「あの時の出来事がなければ私が成長することはなかった」といったものは枚挙にいとまがありません。
研究者たちも「このような反事実的推論を使って原因を突き止めることに不合理な点はない」と考えています。

では何が問題なのか?

一つ言えることは、必ずしもすべての必要条件が原因を示しているとは限らないということです。

何度も繰り返し言いますが、たった一つの原因ですべてが決まってしまうというわけではありません。

仮にゲームのように過去に遡って違う選択肢を選べたとしても、そこからまた多くの選択肢が枝分かれしていきます。
選ばなかった選択肢の行方は誰にもわからないんです。

いろんな可能性を考えることは大切ですが、そこに囚われ過ぎないように気を付けてください。
選ばなかった未来を証明することなど誰にもできないんです。

今回はここまで

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最後までお読みいただきありがとうございます。

それではまた次回お会いしましょう。

※この記事は読んだ本をもとに考察し、私の経験したことなども踏まえて書いています。
そのため、参考にした本とは結論が異なる場合があります。
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▼参考元書籍


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