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経営者はストーリーをまとって未来を創る。「経営者の編集パートナー」になってわかったこと

2020年に創業して、経営者の編集パートナーとして、note連載を担当して2年が経ちました。

はじめは、忙しい経営者の時間を効果的に使ってインタビューし、言いたいことを分かりやすく伝える。

経営者の頭の中を、編集のプロである僕たちが整理して、発信する。

そこに価値があると思っていました。

ところが、ライティングを重ねるなかで、この作業の本当の価値は何だろうと考えるようになりました。

経営者の「話したこと」と、僕たちの「書いたこと」が、「ちょっと違う」と言われたことがきっかけでした。

単なるライティング業務であれば、ネガティブなことと捉えるのですが、経営者の編集パートナーとしては、むしろそこに価値があるのではないか。直感的に感じました。

なぜ、経営者の意図が伝わらないのか。隔たりはどこにあるのか。

それを考えながらの修正は、経営者と編集者が一緒に再編集する感覚で、ともにつくる、「共創」という言葉がしっくりきました。

編集者が聞いて書き→経営者が直し→また書いて→修正をくり返す

そのくり返しのなかで、過去や現在の記憶を再編集して、未来につなげていく。

これは、スティーブ・ジョブズの言うところの 「Connecting Dots」なんだと思います。

下記に引用します。

将来をあらかじめ見すえて、点と点をつなぎあわせることはできません。できるのは、後からつなぎ合わせることだけ。だから、私たちはいまやっていることが、いつか人生のどこかでつながって実を結ぶだろうと信じるしかない。運命、カルマ…、何にせよ私たちは何かを信じないとやっていけない。私はこのやり方で後悔したことはありません。

スティーブ・ジョブズ 米スタンフォード大卒業式スピーチ(2005年6月)より

ジョブズが言うように、ぼくたちは何かを信じないとやっていけません。

経営者なら、なおさらです。

経営者の仕事は、未来を創ること。夢物語ともいえる壮大なビジョンを、いかに現実にしていくか。絵に描いたもちを、現実の事業にどう落とし込んでいくか。

経営者が根拠のない自信で未来に向かうとき、裸だと心もとない。

そのときに、自分で自分を信じられるような「ストーリー」をまとうと、未来に向かうことに迷いがなくなります。そのほうがパワーもでるし、応援してくれる人も増える。

この2年間、さまざまな連載を通して、それを確信しました。


経営者の発信には何が求められているのか?

広報的な観点では、経営者の発信にどんなことが求められるのか。

ひと言でいえば、その会社「らしさ」が伝わる発信を意識し、積み重ねるべきです。

「らしさ」とはなにか?については、次回以降の記事でお伝えしていきますね。

「らしさ」を伝えるために、経営者のキャラクターや経営方針、これまでの経歴など、企業規模、状況にあわせて発信の方針を決めています。

例えば「価値観の提示」はすごく重要で、どんな原体験があって、どんな思考や信念体系を持ち何を大切に思っていて、どんなゴールを達成したいと思っているのか。

自分の「価値観の提示」をするのは、とても勇気がいる行為です。

価値観とは、その人の感じ方やものの見方、考え方のこと。自分そのものです。大っぴらにして、それを否定されることは、誰にとってもしんどいことですからね。

とくに、これまであまり発信をしていない人にとっては、相当な決意が必要になります。

「矢面に立つ覚悟」と言い換えても、いいでしょう。

発信するのに抵抗がありすぎて、私はそういうキャラじゃないとか、炎上するリスクがあるとか、やっぱり辞めようかなと思い悩み、決心するのに数ヶ月かかる経営者もいます。

そんなときにそっと背中を押すのも、編集パートナーであるぼくたちの役割です。

ブログが経営者の発信基地に

いまのマスコミの人の多くは、ネットの二ュースを見たあとに、気になる情報や経営者がいればブログを検索するという手順です。

そのときにメディアの人間にとって欲しい情報がネット上にないと、広報的にはチャンスを逃がしてしまうことになります。

たとえば、弊社で運営を担当させてもらっている山口不動産のCEO、武藤浩司さんは、noteの連載タイミングで広報活動を本格化させて、TV取材や対談の依頼が増えています。

ぼくは編集者として連載を担当し、回を重ねながら、武藤さんや会社がどんどん変わっていくのを見ていて、前向きさというか、覚悟や迫力、強烈な印象を感じています。

発信することによって具体的にどんな変化が起こったのかは、武藤さんのnoteを読んでみてください。

ブログは、書いている人をも動かし、読んだ人との交流がはじまり、回を重ねながら未来への新しいストーリーをまとう。

武藤さんはブログの連載という「発信基地」を手にいれました。

どれくらい発信すればいいのか?

発信基地というからには、ずっと発信し続けなければいけないのでしょうか?

ぼくは必ずしも、そうは考えていません。

もちろん、発信し続けられるのであれば継続した方がいいと思っていますが、経営者は常に優先順位の中でリソースを配分しています。

ある程度、その会社「らしさ」を伝えられるくらいの情報を発信したあとは、不定期更新でもいいと考えています。

では、どれくらいまとまった情報発信が必要かと言えば、1年間をめどに、月1回で年間12回をおすすめしています。

これは、これまでの経験から導きだしたもので、1年くらいやるとちょうど伝えたかったことも一通り言えて、その会社「らしさ」も明確になってくるからです。

企業の財産になるので、「まず1年はやりましょう」と提案しています。

ぼくたちと一緒に、会社の発信をはじめませんか。

頼母木 俊輔 (たのもぎ しゅんすけ 通称 モギー)
(株)コルクラボギルド代表/苫米地式認定コーチ。 柄の洋服が好きな編集者。柄の洋服への偏愛が強すぎて、柄の洋服ブランド『ガラガラガ』を立ち上げました。次は47都道府県ごとの柄シャツを作る。カラフルでおおらかな生きやすい世の中にしていきたい。
仕事のご相談は moggybooks@gmail.com

アイキャッチイラスト制作: イラストレーター yuko kitamura


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