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「助成金の診断サービス」を始めたことで改めて実感した「捨てる」ことの大切さ

今月から弊社では「助成金の診断サービス」を始めました。

始めるにあたっては3つの「捨てる」がありました。

・「過去の教え」を捨てる
・「自前主義」を捨てる
・「分かりにくさ」を捨てる

「過去の教え」を捨てる

「補助金や助成金に頼るような会社はダメ」

これは前職で社長がよく言っていた言葉です。

実際日本では、取り組んでいる仕事だけでは採算が取れないため、国から補助金や助成金をもらってなんとか経営を維持している産業があります。あえて申し上げれば、依存体質になっているで、会社として自立できていない状況です。

会社として長く事業を続けていく上で、そのような状態は好ましくありません。そして、私自身も、その教えに納得していたので、起業してからも自社で補助金や助成金は受け取らず、自社のサービスとしても、この分野には手を出していませんでした。

一方で、先日大河ドラマ「青天を衝け」で、主人公の渋沢栄一がパリで上司に対して、家賃の引き下げ交渉をお願いして断られるシーンがありました。

海外での滞在費用がかさんで手元のお金が減っていく中、徳川慶喜の弟である徳川昭武一行が住む屋敷の家賃を下げてもらわないと、お金が底をつくという状況です。けれども、栄一から依頼を受けた上司は「(家賃を下げてほしいと家主に依頼するなんて)みっともないことは武士としてできない!」と断ったのです。

まさに、「武士は食わねど高楊枝」という感じでしょうか。

ドラマでは思わず笑ってしまいましたが、振り返ってみると、今の日本もある意味非常時

補助金や助成金を一切もらわずに事業を続けるのはすごく立派ですが、「もらえる可能性があるお金を、変な意地や見栄を張って受け取らないのは、頭の固い幕末の武士と変わらない」のではと感じた次第です。

「自前主義」を捨てる

さて、いざ補助金や助成金に取り組もうと思っても、ご存知のように、その制度や仕組みは一筋縄ではいきません。

受給できる補助金や助成金はいろいろありそうですが

・数がかなり多い
・いくらもらえるかが分からない
・どれが自社で使えるのか分かりづらい
・申請手続きが面倒くさい

といった壁があります。

以前の私であれば、「本を買って一から勉強して」となっていたところです。しかしながら、既にこの分野で実績や経験を積んでいる会社もたくさんある中、いまさら弊社が頑張ったところで、追いつき、追い抜くのは容易ではありません。

そこで、自分で勉強してサービスを提供するという道はあきらめ、他者の力をお借りしてサービスを提供する形に頭を切り替えました。過去8,000社以上の申請支援を行って来られた会社さんに連絡をして話をお伺いし、業務提携する形でリリースすることにしたのです。

もちろん、先行してお金はかかります。けれども、自ら学んでサービスとして売上につなげるまでにかかる時間を考えると、「お金を使って時間を買った方が絶対に早いし、お客さんにも役に立つ」と決断したのです。

「分かりにくさ」を捨てる

弊社では今「感情→思考→行動」のプロセスに沿って、その人の価値判断の基準を言語化し、そこからマーケティングやマネジメントにつなげる仕事に力を入れています。

コンテンツには自信を持っており、実際に取り組んでいただいたクライアントさんもかなり高く評価していただいています。

しかしながら、いかんせん分かりにくいのが欠点!

人の感情という曖昧なものを深掘りして言語化し、仕事や生活に紐づけていくため、「すぐに売上が2倍になる」「社員が3ヵ月でリーダーシップを発揮できるようになる」という性質のものではありません。

一生使える宝物を手に入れることになるですが、汎用性が広いために、人によって、会社によって効果が様々。このため、分かりやすいベネフィットを打ち出すために、手を変え、品を変え、試行錯誤を繰り返しています。

一方で、今回の「助成金の診断サービス」では、チェック項目を入力していただくと

・概算でいくらの助成金がもらえるのか
・該当する助成金はどれなのか

が一発で分かります。弊社の主力商品と真逆で(汗)、極めて分かりやすいのです!

この点、実際に新サービスを提供する裏側では、「自社の主力商品を分かりやすく伝える方法はあるのか」をさらに研究を進めているところです。

「捨てる」ことで生み出す

誰しも時間は有限です。

何か新しいことを始める際には、1日24時間、1年365日という限られた時間の中で、何かを捨てないと、なかなか前には進めません。それは過去の常識であったり、小さなプライドであったり、また、こだわりの仕事であったり、といろいろです。

けれども、現状を大きく変革していきたいなら、思い切って何かを「捨てる」勇気が必要だと感じます。

不思議なことに、何かを「捨てる」と、そこに空間が生まれるためなのか、新しい発想や新しい展開が生まれてくるのを何回も経験しています。

現状を変えるために「何か始めたいけれど、何を始めたら良いのかよく分からない」という形には、まずは「今持っている何かを捨てる」ことから始めてはいかがでしょうか。「捨てる」ことで生まれるものは必ずあります。

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