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海外ノマドー海外の企業でオンライン日本語講師ー1日の仕事と給料事情

海外ノマド生活中…だった私は現在、家(HOME)のあるフランスに戻って、別国へオンライン日本語講師をしている。
元々はベトナムの大学の日本語講師をしていたのだが、更新予定だった契約が(急遽)終了し、周囲の紹介で系列企業の日本語講師に応募し、そこでの就職が決まった…。

のだが、色々あって結局私は家に戻り、オンラインで日本語講師をしている。

https://note.com/coquelicots/n/ncdc37fd50a97

オンラインなので、WIFIさえあればどこでも仕事ができる、所謂ノマド的な仕事ができるのではないかと想像できるが、オンライン日本語講師はやはり静かな場所で話し続けなければならず、授業時間も決まっているため、なかなか思うようにな自由はない。


そんな企業勤めのオンライン日本語講師の状況や気になる(であろう)給料事情を少し書いておこうと思う。


勤務先について

勤務先はベトナムにある大手企業。この企業内で日本語教育を自社でしていこうというプロジェクトがあり、そこの日本語講師として採用された。ただ、準備がままならないまま開始され、私はその最初の開校(開設)当初に採用されたので、VISAや労働許可証など大切なことがまだきちんとできていないまま、採用、というか仕事が開始し、正社員にもなれず、委託業務として仕事を開始することになった。

オンライン日本語講師の1日

最初は現地に行き、仕事を開始した。(3カ月はあるVISAで入国し就業可能)
現地での日々の仕事も、通常オンラインでの教授なのだが、本来ベトナムの会社に出社しながら、オンラインで日本語を教えるというシステムだった。会社に行って、一人で会議室で仕事をする。その場合、会社が郊外にあったためバスで約1時間15分ほど通勤で、バス停まで行く時間を考えるt1時間30分以上の通勤時間、往復で3時間かかっていた。

家を7時に出て、8時過ぎに会社に到着する。

通常
8時半~ 就業、
9時~9時半 オンラインクラス
9時半~10時 準備(と言う名の、先生よっては休憩)
10時~10時半 オンラインクラス
10時半~11時 準備(と言う名の、先生よっては休憩)
11時~11時半 オンラインクラス

本来12時~13時 お昼休憩…だが、12時~は食堂が混むので大抵
11時半~13時半 昼食(昼寝)
13時半~14時 オンラインクラス
14時~14時半 準備(と言う名の、先生よっては休憩)
14時半~15時 オンラインクラス
15時~15時半 準備(と言う名の、先生よっては休憩)
15時半~16時 オンラインクラス
16時~16時半 準備(と言う名の、先生よっては休憩)
16時半~17時 オンラインクラス
17時半 帰宅

という感じだ。ただし、その先生の担当によって、クラス数が変わる。
30分クラスを8コマ1日に担当する形だ。ただ。この30分の準備もいらないと言う時と、クラス編成の関係で、私は(これは先生の希望による)間を15分休憩(次のクラスの準備)にしていた。
また、学習者の都合と時間の関係で、その15分の休憩もない時間割のこともあり、最終的に私の時間割は

9時~9時半 オンラインクラス
9時半~10時 オンラインクラス
10時~10時15 準備(と言う名の、先生よっては休憩)
10時15~10時45 オンラインクラス
11時~11時半 オンラインクラス

のような時間割の時もあった。

そして、結局その国で労働許可書が出なかったため、私は家に戻りオンラインで日本語を教えている。ただし、時差があるので、ある程度考慮されている部分はあり、午後のクラスを中心に教えているが、なるべく多くのコマを教えなければならないためこんな風になっている。

1日8コマのところ、午後だけで詰めて7コマ教えられるようにされている…。
これは家に帰って来てからのクラス編成で、時間が2つ書かれているが私の家の時間と現地時間の両方だ。現地では午後だけれど、私の住む場所ではちょうど朝8時~仕事になる。

本来、現地採用で、現地で正社員として仕事をするように雇用されたはず、なのだが、会社が新しく新設した部署で、労働許可書申請に問題が出てしまった。オンライン日本語講師になったのは、私の希望ではなく、労働許可書や滞在許可書が取れない(のは私のせいではなく、会社の方で)会社のため、希望していないまま、とりあえず

「家から仕事をしてください。」
ということになった。

ただし、現地にいた時に始めたクラスがあるので、日によっては現地時間の午前からの授業があり、その日はかなり大変だ。私の方では朝4時~開始しなければならず、いつ、どう寝て良いのか分からない時がある。

企業内オンライン日本語講師の仕事内容

オンライン日本語講師の仕事は、もちろん授業もあるが、それ以外に学習者のクラス分けテストやクラスが終わった後のレベルチェックテストもある。
そして、契約書には授業に関する資料作成(PPT作成)や日本語翻訳チェック、外国人先生が作成した資料の日本語チェックなどもある。

ただし、これは先生によって異なるようだ…。なぜか教えるだけ、の先生で、準備時間は休憩時間になっている先生もいて、実働1日4時間なんじゃないか?と思う先生もいるし、8コマ全部入っていない先生もいる。私はなぜかそこそこ授業数も多く、そして今までも先生業を長くしていたことと、会社勤めなどもしていて資料作成(PPT)は得意なので、なぜか結構資料作成もしている。そこで、授業数は少し減らしてもらっているが、気分的に「いつも忙しい」という感じだった。

これは現地にいた時から同じで、授業をしながら空いた時間にPPT作成をしたり、PPT作成はちょっとした隙間時間にはできないので、最初のうちは週に1回ほど家から教えられるようにお願いし、なるべく集中してPPT作成をしたりもした。

なににせよ、現地にいた時は通勤3時間往復にかかっていたので、かなり大変だった。

授業内容

授業は全てオンライン、1クラスたった2人の会話中心クラス、1クラス30分で、月曜、水曜、金曜クラスと火曜、木曜クラスがある。レベルが3レベル(日本語能力試験 N4、N3,N2相当)に分かれていたが、これが本人の自己申告制なので、レベルにはかなり差があった。

私はN3クラスをメインに担当していたが、N3のはずがほぼN2レベルではないかと思う学習者も多く、日本滞在歴がある学習者もおり、会話をするのにあまり苦労しないで、楽しく教えられるクラスが多かった。

日本人講師は会話クラス担当なのだが、使用教科書は国際交流基金が出している「まるごと」と「いろどり」これはオンランでも手に入る教材もあるので、オンライン日本語講師の方などには手に入れやすい教材だ。音声も手に入るので、自学学習にも使用できる。

国際交流基金の教材は使いやすいし、会話に重点を置いているので良い教材だと思う。

教科書もダウンロードできるので便利だ。

教え方は全てオンライン。同じ敷地にいる学習者もいたが、会社の日本語クラスで、その会社が他の地方都市にもあったため、オンラインでは同じ建物にいる学習者は少なく、他の建物や同じ都市の別の建物、そして、地方の学習者もいた。だから実際に会うことができない方もいたし、中には同じ建物内で受講している学習者もいた。

コンセプトとしては仕事の合間にさくっと30分日本語を勉強できるというシステムだったようだ。

オンライン日本語教師の給料事情

最近は企業や語学学校のオンライン日本語講師の求人もある。
ある程度規制はあるものの、家から仕事ができて、ある程度の自由も得ることができることもある。確かにフリーランスの方が稼げる時もあるが、安定を求めるなら企業、学校で雇われたオンライン日本語講師の方が良いかもしれない。正社員枠は少ないが、今までに見た求人だと



ちょっと異なるところがあるが、私の求人はこんな感じだった

この求人を見てもそうだが、元々はオンラインでの募集とは書いておらず、普通に企業で日本語を教えるものだと思っていた。給料はベトナムの日本語教師にしたらかなり良いようだ。正社員だし、毎月一定の額がちゃんと得られることは良いことだ(ただし、この給料から税金で20%くらい引かれる)
他の先生で「今までの給料の倍」
と言って転職してこられた方もいた。

まあ、この話は又改めてしたいと思うけれど…

以前ちょっとした愚痴のように書いたものもあるが、海外就職がいかに大変でリスクがあって、自国にいることがどれだけ自分が守られているか、ということを改めていつか書きたいと思う。

オンライン日本語講師はノマドなのか?どこでも仕事ができるのか?

まあ、とりあえずお陰様で(?)自分の人生計画とはちょっと異なっているが、ベトナムでの日本語講師と言う仕事を、家からしている状況で、今のところというか、正社員ではないのだが、委託業務として、毎月ある程度決まった金額が入って来る、オンライン日本語講師にしたらある程度安定した生活が送れている状況かもしれない。

ある意味ノマドのような、そうでないような…ただし、私は仕事があるところに移動するノマドワーカーだったので、この状態のノマドは実は性に合っておらず、時差での仕事のせいもあって、生活もぐちゃぐちゃになっている。

オンラインの仕事のせいで、ずっとPCの前でPCの画面を見ながら、仕事をしているせいで、視力も又落ちた気がするし、私は家に籠っているのは嫌いではないが、これは家での作業であって、ノマドとして
いつでも、どこでも働ける

という印象とはかなりかけ離れた、ただ一人で家でひっそり仕事をしているような、そんな状況になっている。

オンライン日本語講師は便利だけど…効果は半減…

私は一応日本語講師を10年以上しているのだが、特に会話に関してはやはり対面とオンラインではその効果はかなり違うと信じている。
コロナ禍の影響もあって、実はもうオンラインでも日本語を数年教えているのだが、オンラインだけで教えていたクラスはやはり他のクラスに比べて日本語能力にかなり差があった。

特に最初からオンラインだとそこで躓いてどんどんクラスが進んでもなかなか上達できない学生もいた。
既に日本語がある程度できる場合は会話ができるので良いのかもしれないが、これが人数が多くなると、やはり取り残されていく学生がどんどん出てくる。

また、どんなにインターネットの環境が昔に比べて良くなったとは言え、聞きずらいことは多い。マイクが高性能になって、周りの音も入るし、会話の授業はオンラインだと大変だ。私は語学学習を専門として、いかに効率よく日本語を学習するかというテーマで研究している故、オンラインクラスは便利ではあるが、効果が半減することで少し自分の意志とは反した教え方になっている。

ただ、現地にいた時は私のクラスの学習者は私のいる会議室に来て、週に1回くらいは対面授業をしていた。そして、なるべく会話ができるようにとお昼ご飯を一緒に食べたり、週末出かけたりもしていた。これは他の先生はしていなかったようだが、自分の語学学習、語学教授を考えると、この時間に給料は発生していなくても、自分の生徒が少しでも日本語が上達するようにと思うのが、先生としての性かもしれなかった。

会社で働くオンライン日本語講師の仕事環境は

便利という点では学習者も、そして特に教師はいつでもどこでも誰にでも教えられるという点では便利だし、お金を稼ぐ、そして一人で仕事ができるという点ではストレスが半減することもある。

ただし、私のようなケースでは会社での仕事をしながら、周囲とのコミニケーションが少ないため、かなり自立的、自発的な仕事でもある。そして、会社に所属しているということは教える内容などきちんとシラバスがあり、資料やPPTもあるので、それに沿って教えていく。ただし、他の先生の教え方も分からないので、何が正解かも分からない。自分の教え方に自信があればいいが、もしまだ経験が浅い場合は、少し不安にもなるかもしれない。

私もできれば他の先生のクラスものぞいてみたいのだが、そういうこともなく、とりあえずPPTに沿って教えている。他の先生ともチャットツールで繋がっているが、教えるクラスも異なることもあって、あまり情報交換はしない。先生によってはPPTを変えている先生もいるそうで、それは先生によって異なる。

会社になんとなく属しながら、でも一人で仕事をしているような、そんな状況なで、ただし、私の場合は正社員でもないし、既に国も異なるので色々そこに壁というか、境があるようにも感じたが、仕事としては時差を除けば確かに便利だったかもしれない。

オンライン日本語講師は良いことばかりじゃない

自分で望んで家からのオンライン日本語講師をしていたのではないので、やはり多少の考慮はしてもらえればと思いつつ、時差が大きな問題で、朝の4時から仕事をしないといけないことは本当に辛かった。

元々夜型なのでそれこそ朝起きるのも大変だが、いつどうやって寝て良いのか分からなない状態で、オンラインでの仕事なのでPCも現地時間に合わせてしまって、逆に時間の感覚も狂ってしまい、ただの寝不足状況が続いた。

これが期間限定なら良いのだが、そういうことでもなく、ずっとこの生活が続くかもしれないとなると、やはり長期間継続は難しいなと思いながら、仕事をしていた。そういう意味でも私はあまりオンライン日本語講師という職をお勧めしない。

オンライン日本語講師として…

経験してから言えることはやはりオンラインである以上、リアクションを大きくして話していた気がする。ただし、これは私の場合は対面の時も同じだった。教え方などもオンラインとオフラインでは異なる部分があるかと思うが、ここまでオンラインもオフラインも教えてくると、恐らくオンライン日本語講師のやり方(始め方ではなく、教え方)はかなり上級になってきた気がする。

特に無料でダウンロードできる国際交流基金の教材を使っていかに教えるか、ということは、かなりできるようになってきた。

オンライン日本語講師用講座ができるかも??

実際、オンライン日本語講師を目指す人もこのご時世には増えていくかもしれない。特に今年から正式な日本語学校などで教える場合には日本語教師資格も国家資格になったため、教える条件のハードルが上がってしまった。けれどオンライン日本語講師から資格がなくてもできると言う方も多い。

(実際に海外では資格がなくても教えるケースも少なくない…)今までの規定の資格は所持しているし、私は実は又ちょっと別カテゴリーで日本語を教えることが多いので、実際はまたちょっと珍しい枠かもしれないのだが、日本語教授、日本語学習という分野においては一応専門家なので、恐らくオンラインも(オフラインも)教え方、学び方という点では講座が開けるかなあ…とふと考えたりもしている…ところだ。

将来は

恐らく、弱視の私にはPCを見続けるオンラインの日本語講師は合っていないので、いつかは仕事を変えなければならないと思っているし、本来、正社員で労働許可証も出て仕事をするはずが、業務委託では将来の不安定だし、仕事として望んでいた型ではないので、ここに立ちどまっているとは思わない。

だからと言って、この経験が無駄だったとも思っていなくて、どういう形にせよ、大企業で働けたことには感謝している。そんなことが私の人生において起こると思っていなかったので、外国の大企業(その国の10位以内には入るのではないかという大企業)での就業経験は色んな意味で良い経験だったと思う。



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