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人はなぜ影響力を持ちたがるのか

Netflixオリジナルドラマの「MESSIAH(メシア)」を観た。

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「人の影響力」について考えさせられるドラマだった。

簡単に言うと、突如謎の男が現れて、彼を「神の使い」だったり「神自身」と信奉する人々が大勢生まれだす。

とてつもない影響力を世界に広げていく彼は何者なのか。何が目的なのか。

が最後までなかなかわからない、結論を引っ張りまくるドラマ。

予告編はこれ(相変わらずNETFLIXは予告編の作り方が上手い)。

このドラマはそのタイトルからわかる通り、「宗教的影響力」が混乱を巻き起こしていく。

最近日本でも「ファンマーケティング」とか「ファンベース」とか、「ファンが大事だよね」という考え方が定着してきている。

ブランドを愛してくれる一番のファンを大事にしよう。
会社に共感してくれるファン(社員)を大事にしよう。

「ファン」という呼び方をしてはいるものの、本質は「宗教の信者」とほぼ同じである。

そのブランドが標榜する価値観、理念に共感して、それを応援したいと思う。そのブランドが考えること、行うことを信じて、支えたいと思う。

多くのブランドで、2〜3割のコアファンが、売上全体の売上の7割〜8割を上げている、というデータもあるくらい、ファンが集まるとビジネスが生まれっる。

宗教も信者からの寄付がちりつも(塵も積もれば山となる)で膨大な運営資金になるし、サブスクリプションもたくさんのファンが少額を定期的に払い続けることで成り立つモデル。サロンなんかその典型。

人が集まるところにはビジネスが生まれるのである。

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ところで、バズる記事の多くには、「影響力を増やしたいなら?」というテーマのものが多い。

・ブログのアクセスの増やし方
・Twitterのフォロワーの増やし方
・YouTubeの登録者数の増やし方

なぜみんなそこまで影響力を持ちたがるのか?

何かビジネスを立ち上げようとしているのだろうか?

それとも副業的に、
影響力を持てば、広告収入が入るから?

まあそれもあるかもしれない。

ただ、影響力を持つのも地道な努力が必要だし、1年以上かかったりする。

それだけ継続的に努力できるのなら、本業にそれだけの集中力を注ぎ込めば、収入面は上がりそうだし、影響力と関係ない複業に集中しても全体の底上げにはなりそう。

それでもみんな、フォロワーを増やしたがる。なぜだろう。

幸せになるだけなら、目の前の人を一人一人幸せにしていけば、巡り巡って自分も十分幸福になれるのではと思ってしまう。

影響力を持つためにかける時間を、目の前の人を幸せにするため、笑顔を一つでも増やすための時間に費やした方が、有意義なのではないかと思うこともある。

一方で、承認される、求められる、ことに対する幸福感もある

頼ってもらえた。感謝してもらえた。自分の存在意義を見つけた。

ただそこに、何千、何万、何十万のファンは必要だろうか。

みんなそこまでして、より大規模な影響力で、より多くの人の役に立ちたいという崇高で思想を持っているのだろうか。

こんなことを書いている私も、「影響力なんてあるに越したことないだろう」と思っているタチなので、そのことは全く否定しない(できない)のだけれど、

何か好きなことを突き詰めたり、好きなことで実績が積み重なることによって、結果として影響力が付いていくことはまだしも、

影響力を付けるために何かを頑張る

というのはなんだか本末転倒なのでは?

というようなことを考えさせられるドラマだった。

NETFLIX、深い物語つくるなあ。

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