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世界のフリーランス統計調査2021

2021年9月に発表された「The Global Survey on Freelancing: Overall Results」のまとめです。ボリューム多めですが、「海外のフリーランサーたちはこんなこと考えているんだ」と眺めるだけでも割と楽しめます。世界のフリーランスの現状を把握するのにお役立てください。

フリーランサーの定義と規模

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フリーランサーとは「独立した職業人」のことです。この調査では、フリーランサーを以下のように区別しています。

フリーランサーは、プロではないサービスやギグを提供する独立者である「ギグスター」と区別されます。これは2016年にUberなどの乗り物サービスで有名になった隙間副業を行う「ギグワーカー」のことです。2016年、マッキンゼー・アンド・カンパニーは、世界の独立した人材の数を約1億6000万人と推定しましたが、この数字には、フリーランサーだけでなく、ギグスターも含まれているようです。

しかし、テクノロジー分野をはじめとするフリーランスは、世界的な経済成長に後押しされ、今も成長を続けています。さらにパンデミックの影響を受けて、リモートワークへの移行も進んでいます。アメリカの大手フリーランス・プラットフォームの「Upwork」の調査では、アメリカのパートタイムおよびフルタイムのフリーランス人口を6,000万人と推定しています。そして、メアリー・ミーカー氏のインターネットトレンドに関する有名な研究を参考にすると、その中の4分の1、つまり約1500万人がフルタイム・フリーランスであると推察できます。残りの4,500万人はパートタイムまたはサイドギガーです。これらのプロフェッショナルたちは、合わせて1兆ドル以上の経済価値を生み出しています

フリーランス革命の原動力

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フリーランス革命に火をつけるには、いくつかの要因が重なりました。

<企業目線>
 :MBOPartnersのCEOであるMiles Everson「人材の断片化」と呼ぶ、必要なコストと時間だけで「オンデマンド」の専門家を雇うことによるコスト面での優位性
 :数ヶ月かけて人材を確保し、育成するのではなく、数日から数週間のうちに審査済みの人材に迅速にアクセスできるという時間的なメリット
 :常勤では獲得できない優秀な人材にアクセスできるというパフォーマンス面でのメリット
 :様々な分野で世界トップクラスの専門家を短期間、または長期間活用、あるいは暫定的に利用できるという戦略的利点
 :フリーランス・プラットフォームを介して仕事をすることで、フリーランサーの資格や経験が吟味されており、透明性があること

<世界の潮流>
 :世界各国の政府が大学院のSTEM教育に投資していることで、人材が大幅に拡大していること
 :世界的な経済成長とCovid-19の影響による継続的な人材不足
 :企業での雇用に飽き足らない若いプロフェッショナルたちが、より自由な働き方を求めていること
 :リモートワークやハイブリッドワークに対する組織の寛容さの推進(これにより、フリーランサーとリモート従業員の差が縮まる)
 :フリーランスが正当な代替キャリアであると認識されていること
 :フリーランスは、一時的な人材不足を満たす効率的な方法であり、企業が「第3の手段」として、柔軟な混合型労働力の利点を認識しているため

世界各国のフリーランスの人数

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上記に示されているだけでも、約730万人。日本は含まれていません。中でも、アメリカはフリーランスの主要な消費国であり、世界のフリーランスの仕事の最大の市場でもありますが、フリーランス革命を推進しているのは明らかに世界の需要です。

この成長を支えているのは、フリーランスを支援するマーケットプレイス、コミュニティ、エージェンシー、アプリケーション、サービスなどのエコシステムです。識者によると、現在運営されているプラットフォームは800から1000と推定されています。しかし、これは世界のフリーランス人口から考えると、かなり少ない方だと思われます。つまり、多くのフリーランサーは、プラットフォーム・コミュニティに参加しないことを選択しています。

また、フリーランスとして活動している人たちの中でも、サイドジガー(副業として隙間時間で稼いでいる人)の数を正確に把握することは困難ですが、彼ら自身もフリーランスのコミュニティの中で大きな成長を遂げています。

フリーランサーはどのような人たちか

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<年齢>
30 歳未満:15%
30~39 歳:約 30%
40~49 歳:25%
と多世代(GenZ~Baby Boomer)が多く含まれています。50歳以上は31%でした。フリーランスに関する記事では、若年層のフリーランスに焦点が当てられがちですが、フリーランス人口は実際には、大きなテントのような形をしています。

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<性別>
参加したフリーランサーの99%が、従来の性別表示を選択しています。
男性が約3分の2の63%を占め、「女性」と回答したのは37%でした。

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<教育>
参加したフリーランサーの学歴の幅は広く、8%が独学と回答しました。49%が技術系の大学を卒業しています。42%が大学院の学位を取得しています。42%は、MA、Law、MBA、MD、PhDなどのポストグラデュエートを取得しています。

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<フリーランス歴>
フリーランス歴が1年未満の人は全体の約16%、10年以上の人は全体の22%でした。残りは、1~10年のフリーランス経験者です。

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<所在地>
北米のフリーランサーが全体の約 18%を占めています。東欧、北欧、ロシアを含むヨーロッパのフリーランサーが46%を占めています。下図は、回答数に基づいて、「北米」、「大欧州・ロシア」、オーストラリア・インド・中国を含む「アジア・太平洋」、「ラテンアメリカ」「アフリカ」と再構成しています。アジア・太平洋地域は参加者の9%、ラテンアメリカ地域は16%、アフリカのフリーランサーは11%となりました。

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<職業・専門分野>
技術系スペシャリストが33%。19%がマーケティングや広告のクリエイティブ担当者。20%が独立系経営コンサルタント。専門分野を特定していないフリーランサーは18%となりました。

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<フリーランスのキャリア選択>
64%のフリーランサーは、フルタイムで働いていると回答しました。また、12%は一時的にフルタイムフリーランスとして働きながら正規雇用を求めています。20%は、別の仕事をフルタイムでしながらサイド・ギグ(副業)をしています。4%は無回答でした。

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<プラットフォームの会員数>
調査の回答者が加入しているプラットフォームの数を尋ねると、(今回の調査では、フリーランスにリーチするためにプラットフォームと提携しているため、「0」という選択肢はありませんでした。)ほとんどのフリーランサー(69%)は、複数のプラットフォームではなく、1つか2つのプラットフォームを愛用していました。

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フリーランスの人々の生活

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フリーランサーが仕事や生活全般についてどのように感じているか調査(2021年4月から6月にかけて)。この時期は、世界の一部の地域では一時的にCovid-19が沈静化したものの、他の地域では猛威を振るっていた時期です。調査では、仕事量、ネットワーク、経済的な成功・困難感、クライアントや同僚との関係、仕事の楽しさ、評判、フリーランスとしての決意などについて質問しました。

<見えてきたこと>
01:仕事量
ほとんどの人は仕事をしっかりこなしていますが、一部のフリーランサーは苦労していること。多くのフリーランサーは、「仕事の量が足りない」「プロジェクトの種類が違う」「仕事が偏っている」などの問題に直面しています。30%は、典型的な同僚よりも仕事量が多いと回答しています。さらに33%は、自分の仕事量は他の人と同じくらいだと感じています。38%のフリーランサーは、十分なプロジェクトワークがないことに不満を感じています。

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このことは、経済的な成功感にどのような影響を与えるのでしょうか?

40%(下図5〜7)のフリーランサーは、同僚よりも成功していると感じており、26%(下図4)は自分の成功は他のフリーランサーと同様であると考えています。34%(下図1〜3)は、自分の経済的成功はまずまずだと考えています。

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02:ネットワーキング(人脈)
ネットワークは成功の鍵であり、フリーランサーは自分を売り込んでサービスを提供していかなければならなりません。44%は自分のネットワークは強いと考えており、24%が同僚と同等のネットワークを持っていると考えています。32%は自己批判的でした。

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03:クライアントとの関係性
ほとんどのフリーランサーは、クライアントとの関係を満足していると考えています。61%のフリーランサーが良好な関係であると回答し、27%が他と程度、11%がより批判的であると回答しました。(後半のクライアント満足度指数のパートで詳しく説明)

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04:仕事を楽しんでいるか
フリーランサーは、一般的に仕事を楽しんでいます。63%が仕事に満足しており、否定的な意見は11%のみでした。(フリーランス満足度指数のパートで詳しく説明)

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05:セルフブランディング
全体的に見て、フリーランサーは市場で強い評判を築いていると感じています。 評判についての質問では、59%が自分の評判は他の人よりも強いと答え、25%が同僚と比べて遜色ないと答えています。16%は自分の評判は他よりも悪いと答えています。

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06:長期的視点
フリーランサーは現実的な計画を立てる傾向があります。49%が自分は他の人よりも長期的な視点を持っていると答えています。23%のフリーランサーは、自分の計画は、他の人よりも短期的なものだと述べています。

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07:フリーランスへのコミット率
調査に参加したフリーランサーの大部分はフリーランスにコミットしています。61%が「非常にコミットしている」と答えており、Upworkの「Freelancing in America」などの調査と一致しています。また、15%だけが「コミットしていない」と答えました。これは派遣社員のフリーランサーと同じです。

08:その他の興味深い傾向
◉年齢差:若いフリーランサーは、仕事量や経済的な成功に満足している一方で、年配のフリーランサーは、仕事、人間関係、フリーランスへのコミットメントへの満足度が高いと回答しています
◉性別差:男性の方が女性よりも、仕事量、経済的成功、フリーランスとしての満足度、フリーランスへの取り組みに肯定的です。
◉職業別違い:技術系の職業の人は、全体的に満足度が高いと回答しています。次いで「クリエーター」、「独立系コンサルタント」、「科学系フリーランサー」の順となりました。イベント関連のフリーランサーは満足度が低く、これはイベントや旅行業界の課題を反映しています。
◉所在地の違い:北米とヨーロッパのフリーランサーは、仕事量が多いと回答しています。アフリカは最も低くなっています。クライアントとの関係は、ヨーロッパ人が最も強いと回答。
◉キャリアタイプ:一時的にフルタイムで働いているフリーランサーは、フリーランスとしての経験では他の人よりも若干低く評価されていますが、コミットメントでは他のフリーランスのキャリアタイプよりも高く評価されており、フリーランスである限り全力で取り組むことが示唆されています。
◉フリーランスの在職期間:経験豊富なフリーランサーほど、より強い仕事量と経済的な成功を生み出しています。また、ネットワークの強さや満足度、そして当然のことながらフリーランスへのコミットメントについても同様の傾向が見られました。
◉教育差:学歴がフリーランス生活に与える影響については、ほとんど差がありません。
◉プラットフォーム利用率:全体の3分の2の人は、1~2のプラットフォームしか利用していません。彼らは、経済的な成功が他の人よりわずかに多く、クライアントとの関係もわずかに強く、評判も良いと報告しています。
◉クライアントのタイプ:最もポジティブな評価を得たのは、主に中小企業と大企業の両方で働いているフリーランサーでした。全体的に、仕事量は多く、クライアントとのネットワークの有効性は高まり、コミットメントは深く、楽しみや満足感は混合タイプの方が大きくなっています。ただし、経済的な成功や評判の良さは大企業を中心にした場合の方がより密接に相関しているようです。主に非営利団体と仕事をしているフリーランサーの満足度は低くなっています。

自分の能力をどう評価しているか?

フリーランスの仕事は簡単ではありません。フリーランスが自分を売り出して仕事を獲得するには、スキルと自信が必要です。人脈作りは多くの人にとって居心地の悪いものです。仕事の計画やプロジェクトの共同作業を成功させるには、柔軟性と適応性が必要です。難しいクライアントに対応するには、レジリエンスが必要です。成功するフリーランサーは、必然的に問題解決者であり、チームプレーヤーであり、強いコミュニケーション能力を持っています。

「フリーランスが自分自身をどのように見ているか」を理解するために、私たちは1900人のフリーランスに、同僚のフリーランスと比較して自分のコンピテンシーを評価してもらいました。

1:フリーランスは自分の領域に高い自信を持っている
前章では、ほとんどのフリーランサーがフリーランスの仕事を肯定的に表現していました。下のグラフは、フリーランサーが自分のソフトスキルとハードスキルを比較的好意的に評価する傾向があることを示しています。例えば、評価の高い方と低い方(強くそう思う、強くそう思わない)に注目すると、一般的には自分の能力に自信を持っていることが分かります。以下は、フリーランスが自分自身を特に肯定的に評価している分野です。

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これらのデータは、フリーランサーが全体的に自信に満ちた楽観的な人々であることを示しています(実際、65%が非常に楽観的であると回答しています)。しかし、より深く見ると、フリーランサーが自ら改善の余地を認めている分野がいくつかあります。

2:改善余地があるスキル
能力領域がいくつかあります。能力の評価が 50 未満の場合、人間関係の問題に集中する傾向があります。人脈作りのための時間を確保すること、ビジネス上の強いつながりを築くこと、同僚や顧客との関係を築き、それに投資すること。

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また、高い評価を得た項目の中にも、改善の余地があると思われるものがあります。ここでは、顧客や同僚との関係に関する項目が多く見られます。
 :50%が、仕事上の人間関係について先を見越して考えていると答えています(プロジェクト中、またはプロジェクト前後)。
 :51%が、相反する視点に注意を払っていると答えました(顧客や同僚の意見の相違に対処する際に重要)
 :52% は、仕事のグループに調和をもたらすために努力しています
 :54% は、フィードバックを効果的に与える、または受け取ることができると答えています
 :56% 衝突にうまく対処できると思う、と回答しています

<上記の回答全容>

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<その他の興味深い傾向>
◉年齢差:若いフリーランサーは、キャリア目標志向は低いが、野心的で、クライアントとの関係構築に長けていない。一方、年配のフリーランサーは、コミュニケーションやプレゼンテーションスキル、顧客との関係、他者との良好な協働、専門性に対する評価の確立、対立への対処などに積極的。
◉性別差:女性は「柔軟性と適応性」「レジリエンス」「顧客との関係」「フィードバックの与え方と受け方」「他者との協働」において、男性よりも肯定的でした。男性は「専門性の認識」「説明責任」「分析力」などのスキル分野で自分を高く評価しています。
◉職業別の違い:イベント業界の専門家は、Covid-19 の直後に最も大きなビジネス上の損失を被ったにもかかわらず、自信を失っておらず、野心、柔軟性と適応性、回復力、約束の履行などの分野で高い評価を得ています。
◉所在地の違い:全体的に、北米とヨーロッパのフリーランサーは一貫してよりポジティブです。アフリカのフリーランサーは、多くの分野で自信を持っていると評価しています。アジア・太平洋地域とラテンアメリカのフリーランサーは、他のコホートに比べてあまりポジティブではありませんでした。
◉キャリアタイプ:一時的にフルタイムで働いているフリーランサーは、他のフリーランサーに比べて、ほとんどの属性で自分を高く評価しています。
◉フリーランスの在職期間:経験豊富なフリーランサーほど、自分のスキルや属性について肯定的です。
◉教育差:大学歴のないフリーランサーは、他のグループに比べて、多くの項目で自分のスキルやコンピテンシーについてわずかしか肯定的ではありませんでした。
◉プラットフォーム利用率:より多くのプラットフォームを利用している人は、「技術的に最新であること」、「新しいツールや方法を学ぶこと」、「専門家として見られること」について、やや高い評価を得ています。
◉クライアントタイプ「中小・大企業混在型」と「スタートアップ・中小企業型」のフリーランサーは、「目標志向」「野心的」「柔軟性・適応性」「約束を守る」「根性がある」などの項目で高い評価を得ています。

フリーランスの満足度指数

今回の調査では、大多数のフリーランスが、許容できる仕事量を報告し、自分を成功者と数え、仕事を楽しみ、フリーランスに専念し、フリーランスとしてのキャリアを成功させるために必要な能力のほとんどを持っていると考えています。
フリーランスの満足度をより深いレベルで理解するために、8つの項目からなる指標を作成し、「フリーランス満足度指標」と名付けました。

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これらのデータは、フルタイムおよびパートタイムのフリーランサーが、フリーランス生活の長所と短所をどのように見ているかについて、より深い視点を提供してくれます。フリーランス満足度指数の最高点と最低点を取ることで、フリーランスが自分のキャリアの見通しをどのように評価しているかを知ることができます。

1:フリーランサーは、フリーランスにつきもののトレードオフを理解し、受け入れている
ほとんどのフリーランサーは、従来の雇用形態からソロ・プレナー的な生活やキャリアに移行することで生じるトレードオフ(仕事の機会の不安定、頻繁に変化する職場や同僚への挑戦)を理解し、受け入れています。このデータは、以前の結果とも一致しています。その代わり、フリーランサーは、フリーランスが持つ柔軟性と独立性(生活の質を高め、満足のいくクライアントとの関係を築く機会)を高く評価しています。

2:懸念事項は、現実的で重要なものではあるが、多くのフリーランサーにとって、フリーランスの仕事の魅力を損なうものではない
「経済的な目標を達成できるかどうか」は、一般的な不安要素です。フリーランスの約半数が経済的な成功を心配していますが、これは以前のデータと同じで、フリーランスの34%が自分の経済状況を心配しています。
下の図は、フリーランス満足度指数を用いて、フリーランスの生活の相対的なプラス面とマイナス面を示しています。これによると、クライアントや同僚との仕事、興味深い分野での専門知識の構築、高い生活の質の享受などの分野で、フリーランサーは自分の経験やキャリアの選択を非常に高く評価しています。フリーランスの不確実性やジレンマはマイナスとされていますが、フリーランサーの多くが経済的な目標を達成できると確信しています。

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<その他の興味深い傾向>
◉年齢差:年齢が高いほど、フリーランスを魅力的なキャリアの選択肢と考えている傾向がある。
◉性別差:女性の方が、フリーランスは魅力的なキャリアの機会であり、専門知識を身につけることができると考えています。男性は、経済的な目標を達成することや、挑戦的な問題に取り組む機会を得られることに肯定的。
◉職業別の違い:イベント・フリーランサーは、現在の経済的な困難にもかかわらず、自分のフリーランスとしてのキャリアを肯定的にとらえています。僅差で2位は「技術系のフリーランサー」で、他のフリーランサーの2倍、経済的な目標を達成することに肯定的。
◉所在地の違い:「北米」は全体的にポジティブな傾向が強く、フリーランスを、より質の高い生活を送れる魅力的なキャリアの機会であると考える傾向があります。しかし、これについては、他の地域のグループも僅差でした。
◉キャリアタイプ:フルタイムのフリーランサーは、他のフリーランサーよりも常に高く評価されています。
◉フリーランスの在職期間:フリーランスとしての経験が豊富な人は、「キャリアの機会」「興味深い分野での専門知識の構築」「生活の質」「興味深い同僚と仕事ができる」「柔軟性がある」などを評価しています。在職期間は、「経済的魅力」の判断には影響しませんでした。
◉教育差:全てのグループが、キャリアとしてのフリーランスに肯定的であり、興味深いプロジェクトや興味深いクライアントと仕事をする機会を提供してくれるということを評価しています。また、フリーランスならではの柔軟性を評価しています。
◉プラットフォーム利用率:少ないプラットフォームを利用しているフリーランサーは、複数のプラットフォームを利用しているフリーランサーに比べて、クライアントやクライアントの経験をわずかながら評価しています。
◉クライアントタイプ:「中小企業」と「大企業」の両方のクライアントを持つフリーランサーは、「生活の質が高い」「経済的な目標を達成した」「より興味深いクライアントや同僚と仕事ができる」「独立性や柔軟性が高い」など、キャリアとしてのフリーランスに一貫して肯定的であり、より高い生活の質を見ています。

フリーランスのワークスタイルと今後の注目点

フリーランスの醍醐味は、プロとしての広い視野を持ちながら、自由で自立した生活を送れることだと思います。自分が良い影響を与えられるクライアントやプロジェクトが一番楽しいからです。

逆に、フリーランスで一番大変なことは、学べる仲間がいないことです。今回の調査では、フリーランスが、仕事の計画や難しい決断にどのように取り組んでいるのか、ストレスにどのように対処しているのか、挑戦や障害にどのように対応し、将来の目標をどのように考えているのか、がわかりました。

1:フリーランサーは自分を問題解決者であると見なしている
フリーランスの60%が、自分は問題解決のために複数の解決策を考える「コンティンジェンシー思考」の持ち主であると回答しています。ほぼ同率の65%が、自分の目標に対する課題や障害に効果的に対処できると回答しています。また、61%が「分析力が高い」と答え、63%が「創造力がある」と答えています。

2:フリーランサーは情報を求め、複数の視点を持つ
76%が、新しい状況に対処する際、できるだけ多くの情報を積極的に求めると答えています。60%が、困難な問題に対処する際には、相反する視点を考慮することが役に立つと答えています。

3:フリーランサーは将来を見据えて活動している
47%が「メディアやインターネットの情報を重視している」と答えています。61%が将来の計画に「どのように生きたいか」を盛り込んでいます。ほとんどのフリーランサーが、長期的な影響を考慮して計画を立てていることがわかります。

4:フリーランサーは楽観主義者
フリーランスの59%が自分は強く楽観的だと答え、反対に楽観的だと答えたのはわずか1%でした。今回の調査では、60%の人が仕事を通じて将来的に経済的安定を得ることができると回答しました。また、66%の人が、顧客や同僚から専門家として認められると確信しています。

<その他の興味深い傾向>
◉年齢差:すべての年齢層で楽観的な見方をしていますが、若いフリーランサーは年配の同僚よりも楽観的です。若いフリーランサーは、経済的に安定し、自分の専門性が認められることにも自信を持っています。
◉性別差:性別を問わず、大多数の人が自分は楽観的で、問題に対処し、障害を取り除く能力があり、経済的にも評判的にも成功すると考えています。
◉職業別の違い:科学、臨床、医療関係のフリーランサーは、他のフリーランサーよりもやや楽観的で、その分野の専門家として認められる可能性が高いと考えています。技術系のフリーランサーは経済的な成功に最も自信があり、独立系の経営コンサルタントは最も自信がありません。
◉所在地の違い:アジア・太平洋地域のフリーランサーが最も楽観的で、経済的に成功することに最も自信を持っています。一方、ヨーロッパは最も低くなっています。
◉キャリアタイプ:フルタイムでもパートタイムでも、自分の意思でフリーランスになった場合でも、就職活動中にフリーランスになる場合でも、ほとんど違いはありませんでした。サイドジガーが最も自信を持っていたのは経済的に安定していると確信していることでした(別でフルタイムの仕事をしているから)。
◉フリーランスの在職期間:新しいフリーランサーは、経験豊富なフリーランサーよりも楽観的で、より多くの自信を持っています
◉教育差:学歴による違いはほとんどありませんでしたが、高度な専門職や学歴を持つ人は、他の人よりも楽観的ではなく経済的に安定しているという自信がやや低くなっています。
◉プラットフォーム利用率:より多くのプラットフォームに所属している人は、経済的に成功する自信がやや高く、高い評価を得ることができると確信しています。
◉クライアントのタイプ:「 中小企業」と「大企業」の両方のクライアントを持つフリーランサーは、より楽観的で、より自信があり、経済的に安定していると考える傾向があり、専門家としての地位を確立する自信があります。

クライアントとの関係

フリーランスがどのようにクライアントと接しているか。10項目からなるクライアント満足度指数を作成しました。

1:フリーランサーとの効果的な仕事の仕方を学ぶ企業が増えている
フリーランスと効果的に働くことに長けていると回答したフリーランサーの割合が高い。45%が「顧客はフリーランサーとうまく仕事をする方法を知っている」と強く同意しています。「強く同意しない」はわずか7%でした。

2:クライアントのプロジェクト管理能力についても同様のことが言える
フリーランスと仕事をする上でのプロジェクト管理能力は、フリーランスの成功には欠かせない要素です。成果物やスケジュールの妥当性、クライアントのチームメンバーとの関係、プロジェクトがどのように設計されているか?アウトプットが満足のいくものであるか、必要な情報へのアクセスなど、あらゆる面に影響します。
約半数のフリーランサー(47%)は、「クライアントのプロジェクトマネージャーは、フリーランサーとうまく仕事をする方法を知っている」と強く同意しています。これは、数年前に比べて信頼度が大きく向上しています。52%は、必要な情報に簡単にアクセスできると回答しました。46%が「成果物やスケジュールはおおむね妥当である」と強く同意しました。

3:フリーランサーはクライアントチームとのつながりを強く感じている
フリーランサーが社内のチームメンバーからどのように扱われているかは、準備を進める上で重要な要素です。69%がクライアントチームのメンバーはフレンドリーで親切であると強く同意し、56%がクライアントチームのメンバーは技術的にも専門的にも優れていると評価しています。

4:フリーランサーは、一般的に公正さと敬意をもって扱われ、報酬も公正であると答えている
フリーランサーが事務的にどのように扱われているかは、クライアントの有効性の重要な要因です。69%が、フリーランサーの待遇について強く同意しています。「強く同意しない」は3%でした。52%は、自分の仕事に対して公正な報酬が支払われていると強く感じています。
最近では、フリーランスの報酬をめぐっては、「底辺の競争」があると言われています。例えば、Reddit(日本の2ちゃんねる的な掲示板)では最近、公正な報酬の問題についての会話が行われました。フリーランスの世界では、ライティングや文字起こしなど賃金が問題となる分野が確かにあります。しかし、大多数のフリーランサーにとって、給与は公正であると感じられています。

<上記の回答全容>

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<その他の興味深い傾向>
◉年齢差:30-39歳は、フリーランサーにとって、クライアントとの取引における黄金の10年と言えます。この層のフリーランサーは、経験豊富で有能であり、評判や顧客を築いていると感じています。この層は、フリーランサーと仕事をする上でのクライアントの能力、マイルストーンやタイムラインの妥当性、クライアントのプロジェクトマネージャーについて最も肯定的でした。第2位は、50歳以上のカテゴリーとなっています。
◉性別差:ほぼすべての指標において、男性の方が女性よりも顧客を評価する際に一貫して肯定的でした。
◉職業別の違い:技術系のフリーランサーは、クライアントを最も好意的に評価しており、コンサルティング系フリーランサーがほとんどの項目で評価が低くなりました。クライアントのプロジェクトマネージャーの能力、スケジュール、クライアントの待遇、クライアントチーム全体の能力、行った仕事に対する報酬の妥当性、など。
◉所在地の違い:北米と欧州のフリーランサーは、他の地域のフリーランサーよりも肯定的でした。アジア・太平洋地域のフリーランサーは、クライアントがより現実的に成果物やタイムラインを設定していると回答しています。アジア・太平洋地域のフリーランサーは、クライアントのプロジェクトマネージャーがより有能で、クライアントのスタッフがより親切だと感じています。すべてのロケーショングループの60%以上が、クライアントから公正な扱いを受けていると考えています。
◉キャリアタイプ:フルタイムのフリーランサーは、フルタイムの仕事を探している人や副業をしている人よりも、クライアントの組織を高く評価しています。
◉フリーランスの在職期間:経験豊富なフリーランサーほど、クライアントの成果物はより現実的で、クライアントのプロジェクトマネージャーはより効果的で、プロジェクトの報酬はより公平であると評価しています。
◉教育差:高学歴のフリーランサーは、他のカテゴリーに比べて、クライアントの経験を評価する際に、よりネガティブになる傾向があります。
◉プラットフォーム利用率:1~2のプラットフォームしか利用していない人の方がクライアントを肯定的で、48%が、クライアントはフリーランサーと仕事をするのに肯定的で、フリーランサーと仕事をする上で非常に有能であると見ています。
◉クライアントのタイプ:「中小企業」と「大企業」のクライアントが混在しているフリーランサーは、最も肯定的でした。クライアントのプロジェクトマネージャーは、よりスキルが高いと考えており、フリーランサーを公平に扱ってくれる可能性が高く、より親切で、フリーランサーにとってより満足度の高い経験をもたらしてくれると考えています。

コロナ禍でのフリーランス活動

Covid-19はフリーランスに大きな影響を与えました。最後は、Covid-19がフリーランサーに与えた影響について見ていきます。フリーランサーの生活、仕事、ビジネスに与える影響を反映した一連の項目について尋ねています。

1:フリーランスは、自分の健康について慎重かつ楽観的に考え、予防策を講じている
68%と3分の2以上のフリーランサーが、自分がCovid-19に感染する可能性は低いと考えています。80%の人が、ウイルスに感染するリスクを減らすために必要なことをしていると答えています。一方、フリーランスの34%は、Covid-19への懸念により、健康や経済的な心配をせずに仕事をすることが難しいと答えており、半数以上の人が、健康的な行動をしていない人を見ると心が痛むと答えています。

2:Covid-19は、課題であると同時にチャンスでもある
壮大な人類の悲劇にもかかわらず、Covid-19は世界中のフリーランサーにとって、メリットとデメリット双方をもたらし、非常に複雑な状況を作り出しました。
45%のフリーランサーは、Covid-19によって自分の住んでいる地域での仕事の競争が激化し、機会が制限されたと回答。しかし、53%のフリーランサーは、Covid-19によって自分の職業のフリーランサーにとっての機会が増えたと答えています。この混沌とした状況の中心にあるのが、リモートワークやハイブリッドワークへの移行です。56%のフリーランサーが、リモートワークへの移行は需要の増加を感じ、リモートワーク推進がフリーランサーの利用に対するオープンな姿勢がもたらされたと捉えています。

<その他の興味深い傾向>
◉年齢差:年齢の高いフリーランサーは、ウイルスを避けるために、より多くのことをしていると報告しています。その結果、Covid-19のリスクが低いと感じています。若いフリーランサーは、Covid-19に関連する機会に熱心に取り組んでいるが、同時に競争上のプレッシャーも大きい。すべての年齢層で、リモートワークは役に立つと考えています。
◉性別差:Covid-19 に関する懸念や回答について、男性・女性の違いはありませんでした。
◉職業別の違い:イベントフリーランサーは、個人的なケアの必要性に最も注意を払っていました。仕事の新しい機会に対するCovid-19のポジティブな影響については、当然のことながら、テック系フリーランサーと比べて最も関心が低くなっています。
◉所在地の違い:北米のフリーランサーは Covid-19 を最も心配しておらず、アフリカや中南米のフリーランサーは Covid-19 を最も心配していました。これはワクチンの展開を考えると当然のことです。アジア・中南米のフリーランサーは、Covid-19やリモート・ハイブリッド・ワーク・アレンジメントへのシフトがもたらすプラス面が大きいと考えています。
◉キャリアタイプ:サイドジギング(副業)をする人は、Covid-19でのフリーランス機会の増加について最も楽観的ではありませんでした。リモートに移行することは有益であると全グループが同じように予想しています。
◉フリーランスの在職期間:年数の長いフリーランサーは、他のグループに比べて Covid-19について心配しておらず、仕事や日常生活で影響を受けると答えた人は少数でした。勤続年数の短いフリーランサーは、Covid-19によってもたらされる機会について、より熱心に取り組んでいました。競争の激化を認識しており、リモートへの移行から利益を得る可能性が最も高いとしています。
◉教育差:あらゆる学歴の人々が、健康維持のための対策を講じていると回答しました。全カテゴリーの3分の1が、仕事や家庭生活に支障をきたす心配事があると回答しました。そしてすべてのグループが、機会の増加とリモートワークのメリットを報告しています。
◉プラットフォーム利用率:フリーランサーが加入しているプラットフォームの数が少ないか多いかは、Covid-19のリスク評価に影響を与えませんでした。プラットフォームの数が少ない人は、リモートへの移行によるメリットが大きいと考えられます。
◉クライアントタイプ:非営利団体に所属するフリーランサーは、Covid-19 の影響がやや大きく、不安もやや大きいと回答しています。スタートアップ企業や中小企業と仕事をしている人は、機会の増加が最も大きいものでした。すべてのカテゴリーの顧客が、リモートへの移行から利益を得ています。

最後に

才能に国境はありません。グローバル社会における私たちの課題は、機会をよりよく分配することです。フリーランスは、テクノロジーを通じた経済的機会と、才能と意欲のある個人を結びつけることで、それを可能にします。

日本においても海外と仕事をすることで、業務内容面や報酬面で改善が見られるはずです。最近はチャットやメール中心でのやり取りも増えているので、英語が苦手意識ある人でもコミュニケーションがとりやすくなっているのではないでしょうか。この大きなうねりに乗って、仕事の仕方、ひいては生き方のリバランスをしてみるのもいい機会かもしれません。

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