フラットキッチンの落とし穴!?キッチンのレイアウトのお話。
前々回のキッチン天板の話に引き続き、今回はキッチンの形のお話です。
最近では、インテリアブロガーさんやインスタグラマーさんが自宅の素敵なキッチンの写真を公開されていますね。
そのほとんどがフラットカウンターの対面キッチン。
新築分譲マンションでも、近頃はフラットカウンターの対面キッチンを採用している物件が多くを占めます。
フラットカウンターの対面キッチン、ブロガーさんたちの素敵写真を見て憧れる方も多いですが、実は生活してみて気づく落とし穴も!?
そこで今日は、キッチンのレイアウト・形状について比較検討してみたいと思います。
メーカーによって呼び方は少し異なりますが、大まかには以下のタイプに分かれます。
・I型
・対面型
・L型
・Ⅱ型
一つずつ特徴を見ていきましょう。
I型
いわゆる昔からある壁付け型のキッチンです。
狭いスペースでも設置しやすいのが特徴です。
上の写真のようにダイニングスペースと一体に(ダイニングの壁際に)設置されるパターンと、キッチン室として独立しているパターンがあります。
古いキッチンや賃貸物件にも多い前者は、キッチンが丸見えになってしまうのが一番のデメリットでしょうか。
少し余談ですが、賃貸住宅で良く見られる図面で気になることがあって。壁付けキッチンの後ろは作業スペースや通路として一定の空間をあけておかないといけないので、ダイニングキッチン(DK)って表記だけどダイニングテーブル置くスペースないじゃん・・・って図面をよく見かけます。
後者のキッチン室が独立した間取りは、お料理が好きな方や、キッチンは見せたくないという方に依然として一定の人気があります。
対面型
ダイニングに対して背を向けて作業をするI型に対して、家族の顔を見ながら料理ができると人気の対面型キッチン。
上の画像のようにコンロ側が壁についているタイプはペニンシュラ型、下の画像のように両サイドとも壁から独立しているタイプはアイランド型と呼ばれます。
2000年代以降のキッチンで最も人気のある形がペニンシュラ型だと思われます。
ペニンシュラ型の中でさらに、笠木カウンター(造作対面などとも呼ばれます)とフラットカウンターの2つのタイプに分かれます。
笠木カウンターとは、下の写真のようにキッチン天板から立ち上がりのある腰壁が設置されたタイプをいいます。
天板からの立ち上がりがあるため、キッチンの手元が隠れるのが最大のメリット。
洗剤など生活感丸出しなアイテムを隠すことができます。
キッチン天板からの立ち上がりは、15~25cmくらいにすることが多いですが、低いほど解放感があり、高いほど圧迫感はありますが手元を隠す効果は大きくなります。
対面型冒頭の画像は、立ち上がりを低めに、コンロ前壁もないのでとても解放感がありますね。
一方、収納を重視されるなら、以下の画像のように吊戸棚をつけると、解放感には欠けますがかなりの収納力アップとなります。
冒頭の画像と比較すると、こちらのようにコンロ前壁があった方が油飛びが防げます。
そして、ブロガーさんのお宅や新築分譲マンションで多く採用されているフラットカウンター。
解放感があって、キッチンスペースがすっきり見えるのが特徴です。
モデルルームのような空間で見るととても素敵なのですが、実際に生活してみると、そのすっきり綺麗を保つには工夫と努力が必要。
リビング側からキッチンの上が丸見えになるので、天板に物を出しっぱなしにしない、洗剤やハンドソープを見栄えの良い容器に詰め替える、スポンジやふきんの色にまでこだわるなど、素敵を保つには気を付けなければいけないことも多いです。
キッチン用品って、なぜかカラフルな色使いが多いので、雑多な印象を与えてしまいやすいんです。
自信のない方には、笠木カウンターの方がおすすめです。
L型
シンクと作業台、コンロがL字型に配置されたキッチンです。
キッチンスペースが広い間取りで採用されることが多いです。
シンク、作業台、コンロを一列に並べると動線が長くなりますが、L字に配置することで動線は短く、作業スペースは広く、の両方をかなえることができるレイアウトです。
Ⅱ型
換気設備が必要なコンロは壁付けに、作業台は対面(アイランド)にして家族の顔を見ながらお料理ができるキッチンです。
作業台からコンロ側へは振り向くだけなので、動線が短く作業がしやすいキッチンです。
こちらも広いキッチンスペースが必要です。
まとめ
・狭い空間にコンパクトにキッチンをレイアウトしたいならI型。
・家族の顔を見ながらお料理したいなら対面型。その中でもペニンシュラ型の方が、スペースも費用もコンパクトに納まります。フラットカウンターにするか笠木カウンターにするかは、見た目重視か使い勝手重視か。
・広いキッチンスペースが取れる間取りなら、アイランド型やL型、Ⅱ型も検討可能です。
以上、キッチンの形状について比べてみました。
これからお家づくりをされる方のご参考になれば幸いです。
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