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お風呂の鏡は必要?鏡のアリ・ナシと水栓位置の話。

これまで3回にわたってお風呂の話をしてきました。
思いがけず長くなりましたが、今回でお風呂の話は最終回となります(たぶん)。

突然の質問ですが・・・

お風呂の鏡って必要だと思いますか?

日本のお風呂って、鏡がついているのが当たり前と感じる方が多いと思います。
実際、TOTOやLIXIL、Panasonicなどユニットバスの代表的なメーカーさんのお風呂にはほぼ標準装備のように鏡がついていますよね。

私自身も、お風呂には鏡がついていて当たり前という感覚を持っていたのですが、この仕事をしてから一定数の「お風呂に鏡はいらない」という方がいることを知りました。
お風呂に鏡がいらない理由としては、「水垢がつくから初めから ない方がいい」というご意見が多いように思います。

たとえば、ホテルのお風呂や海外の住宅など、おしゃれで素敵なお風呂をみてみると、浴室内には鏡がないですよね(鏡は隣の洗面室についている)。
お風呂の鏡のアリ・ナシには、お風呂の入り方の文化の違いもあるように思うんです。

以前、お仕事をした高額物件の新築マンションでは、お風呂の鏡のアリ・ナシが選べるオプションがありました。

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この物件の場合、鏡ナシにすると水栓の位置が変わりました。
ホテルのお風呂のようですね。
この水栓位置は「立ってシャワーを浴びる」のに適した位置なんです。
座って身体を洗ったり、シャワーを浴びたい場合には、水栓位置が高すぎます。

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座ってシャワーを浴びるには、このような水栓位置が使いやすいですよね。
日本人の場合は、バスチェアに座って身体を洗ったり、シャワーを浴びるという習慣の方が多いので、一般的なユニットバスは水栓位置が低く設定されているんです。

先ほどのマンションのオプションの場合、単純に「鏡がいるか・いらないか」だけでなく、「立って洗うか・座って洗うか」も考えないと、見た目はいいけど使いにくいということにもなりかねません。
都心の高額物件では、このような「鏡ナシ・立って洗う水栓位置」と「鏡アリ・座って洗う水栓位置」の二択から選べるケースが多いように感じます。

日本のお風呂に鏡がついているのって、この「座る」ことができるからなのかなぁとも思うんです。
座ってゆっくりできるから、身体を洗う以外のこと、たとえば男性なら髭剃りとかもお風呂の中でするようになって「お風呂に鏡」が当たり前になったのかなぁと想像します(銭湯とかにも必ず鏡ありますしね)。
考えてみると、立ってパパっと身体を洗うだけなら、鏡がなくても困らないですよね。

「お風呂に鏡はいらない」派の中でも「水垢がつくから鏡はいらない」という理由なら、「座って洗う水栓位置」で「鏡ナシ」とした方が使いやすいと思います(一般的なユニットバスで鏡ナシとすればそうなります)。

一方、ホテルや海外のお風呂のように立ったままシャワーを浴びたいという方なら、それに適したシャワー水栓を選ぶことをおすすめします。
在来工法なら水栓のデザインも取り付け位置も自由に決められますし、ユニットバスの中でもLIXILの高額ランクのユニットバス「スパージュ」は、立ってシャワーを浴びるのに適したタワー型水栓を選ぶこともできるようです。

お風呂の鏡アリ・ナシ問題と、水栓位置の違い=立って洗うか座って洗うかの文化の違い の関係についてお届けしました。
ご参考になれば幸いです。

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