ミッドサマーを見て

グロい、面白い、怖い

いろんな感想を聞いていた作品
とても内容が気になっていたところ、ちょうど時間が空いたので見てみた。
その、個人的な感想を少し共有してみる。

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縁の遠い、部族的で、カルト的でもある世界に起きた物語。

大事な部分はただ単にその世界を描き出したのではなく、アメリカ人集団がそこに入り込むような構図がとられることによって我々との差を対照的にする点、恣意的に部族を客観視するよう視聴者を導いたのち、衝撃的なシーンを用いて感情に揺さぶりをかけてくる点だ。

自分と異なるバックグラウンドを持つ人々を客観視すると自分を客観視することにつながることがよくある。

理解のできない慣習に満ち溢れた異世界の中には
集団の圧力と連帯(主人公は周りの人間に影響を受けて、正気から離れていく)
強力な刷り込み(祖先の木や循環の儀式の正当性など生にまつわる慣習)
恣意的な権力による操り(恋人と部族の娘との仕組まれた性行為)
制御できない欲望(正常な興奮とはかけ離れた場面で止まらない腰、事後の慄き)
など、本作品は普段は遠く感じるような部族的な世界観の中で人間の本質を感じるような作品だった。

知ろうとした者は破滅させられる。

トライバルな環境に入り込んだ米国人がいつの間にか彼らの世界観の中に包摂され、狂っていく様が生々しい作品だった。

これは単に血が飛び散るだとか言ったようなスプラッター要素よりも、より根幹にある人間の不気味な要素を描いたような作品に思えた。



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