【華僑の大富豪に学ぶ ずるゆる 最強の仕事術】
概要
知識ではない、人間関係にフォーカスし、
自分の思惑を「ずるく、ゆるく」通して、ビジネスを成功に導くための中国の古典など古くからの教えからも通ずるビジネス本
「ずるくゆるく」。でも結果を出す
・「ずるい」ことは悪ではない
→「易経」の陰陽思想を参考にしている
→相手を主張させ(陽)、黙って聞く(陰)ことで物事が上手くいく確率が高くなり、反対に上手くいかない時は目立たないというメリットも
生産性
・「何をやるか」より「何をやらないか」にフォーカス
・生産性=成果÷投入資源
→華僑はまず生産性を上げるため、この「投入資源を減らそう」と考える
→上司も使うことに躊躇するな
→人を使うためにはコミュニケーションスキルがとても重要になってくる
・予習をやめれば本番で結果が出せる
→予習ではなく、ビジネスでは「基礎強化」と「復習」に力を注ぐべし
→何が起こるかわからないのに「予習」をすることは生産性がない
【例 : プレゼンの場合】
基礎 : 競合他社の調査・マーケティング
復習 : 同僚などに資料の予め指摘してもらう、以前の本番のプレゼンの指摘事項を改めて整理。そしてまた本番で起こったことの復習
・わかりやすい自己主張はリスクを伴う
→主張するとかえって目立ちリスクに、攻めの「待ちの姿勢」で意見を用意
→全体的な流れを感じ、ここぞの場面でそっとファシリテートし、自分の思惑へと持っていく
・「イノベーション」より「リノベーション」
→今ある資源を「新しい使い方」「新しい組み合わせ」でリノベーションするほうが効率がいい。今イノベーションと言われているものも結局は「リノベーション」
・欲しい情報が知りたいならネット検索をやめよう
→その道の詳しい人に人づてで聞きにいく
→聞くだけでなく聞きたいことを「喋らせる」のがベスト
→知っていても知らないフリ。相手を気持ちよく喋らせて、本当の貴重な情報を苦労せず得る
・いかにトップは忙しくしない状態を作れるか
→頭がスッキリとし、心が静かな状態であれば、物事の実情が見え、自身の行動が正されると韓非子は説いている
やり抜く力
・成功するために必要なのは、「才能ではなく努力の連続」である(GRIT やり抜く力)
→継続すれば確率的に成功するはずと華僑は知っている
・華僑はお金儲けは手段。世の中への貢献が目的
→だから誹謗中傷や批判を気にせず受け流せる
→ゴールを設定したら「楽しく」人を巻き込んで努力を継続しよう
・華僑は成功者の「思考」を真似する
→成功者はあらゆるケースでどう考えるのか?何故そのような行動をするのか?内面にフォーカスする
・レジリエンスを鍛える
→大丈夫。「今は」しょうがない
→叱られたが「この指摘部分を直せば大丈夫」
→ストレスから逃げず、受け流せるようになる
・物事を達成しようとするとき「やらかすのは当たり前」
→割り切って「動いて修正」を繰り返そう
・人脈は「深めて広げる」
→浅い付き合いの人脈は何も役に立たない
→「広げる」ではなく「広がっていく」が正解
・ビジネスは結局「心から楽しむ」ものには勝てない
→様々な制限すら楽しもう
・ビジネスにも必ず「停滞期」がある。その時に決してやめてはいけない
→総費用曲線(逆S字型のような曲線)のよう
→停滞期が出るのは、難易度も上がりステップが上がった証拠である
出世
・相手を利用したければ、相手にまず「どう利用してもらうか」を考える
→まずgiveを。自分の価値も結果示せる利点も
→giveして、「お人好し」と思われると後々足を引っ張られないという利点も
→大徳は小怨を滅ぼす(大きな恩は少々の怨みを消す)
・嫌いな相手や優秀なライバルほど助け、応援しよう
→相手のミスを願うと自分自身をミス体質になってしまう
・損は下を損して、上を益す
→下を減らして、上を増すのが本当の損である
と易経は説いている
→1人では何もできない。自分の手柄は後回し
→部下に自分を利用させるのは結果「自分のため」と心得よ(甘やかすのでは決してない)
・しくじった人ほど重宝せよ
→1度も失敗したことない人が上に行くと危ない
→「しくじり先生」になろう。克服談とセットで
→自慢だけは鬱陶しい。だが、失敗談+実績+克服談は「よかったね」と同情になる
・経営者は会社が順調な時ほど、最悪なケースを想定すべし
・面倒くさいことをすれば頭一つ抜け出せる
→人がやらない「落ちているもの」を探せ
→兵の形は実を避けて、虚を撃つ(孫子)
→敵の力が充実している所は避け、手薄なところを攻める
→スタートアップの考えと同じ
→人がやっていないことに手をつけ、競わず抜きん出よう
マネジメント
・目指すべき上司像は物事において「好き嫌いを出さない上司」
→上司は部下に心の内を知られてはいけない
→もし表に出すと部下は上司が好むように動き、嫌うことを避ける。飾らずに振る舞えない。(イエスマンばかりになってしまう)
→分かりやすい上司はずる賢い部下に利用されるので注意!
→本当に賢い上司は部下に能力を発揮させて、良い結果を得ることができる
・部下を信用しても信用しすぎるな。裏でサポートし、成功へ導こう。
→90%信じて、10%は自己責任のリスクを負う
→部下は表に出し(陽)、自分は裏方(陰)
→ここでも「易経」の陰陽思想を参考に
・「考えない」癖をつけよう
→分からないなら考えるな(答えは結局出ない)
→難しく考えるな(答えから遠ざかる)
→その場で考えるな(弱みの露呈につながる)
→チャレンジはまず手を挙げ、経験者を味方につければいいだけ
・会議やミーティングを短くするには?
→些細な事でも「ホウレンソウ」を普段から心得ておく事で、実際の報告も少なくて意思疎通が取れる。その逆は上司の信用をかえって損ねかねない
・もし報告が遅れたら、、、
→「何か事情があるんだよね?」と相手を責めず聞き出し、信頼関係を築く
→部下の報告の心理的ハードルを下げてあげ、報告しやすくなる
・部下の短所を見るな。長所を重んじよ
→そもそも個人の短所をチームで補えばいい
→チームを強くするなら、弱さを見ようとするな。「強さ(長所)がみたい」と強く意識せよ
・仕事は「やりたい人がやるもの」
→やりたい人は「できる人」になる可能性が高い。モチベーションが高いのでコントロールしやすい
→できる人だけに頼るとチームが強くならない
→できない人の「やりたい」を引き出し、「できる人」に変えよう
交渉術
・裏話を聞き出す時の「なるほど」はNG
→相手に警戒されてしまう
・情熱だけではなく、過去のデータなど「根拠」をあわせて提案すべき
→情熱に加えてデータ、前例、実績で信用を得よう
・言った言わないの「水掛け論」にならないために
→メモや記録をできるだけ残そう
→仲間に記録させちゃうのもOK
→そしてこう言おう。「こういうやりとりがあったと記憶しているんですが、きっと私の勘違いですね。」
→すると相手から建設的な話を引き出せる
・交渉相手の下っ端を大事にすると将来特する
→士別れて3日なれば、則ち更に刮目して相待すべし(三国志)
→直接計算(目の前の利益)は馬鹿でもできる、間接計算(将来の利益)をできるかが重要
・ライバルの悪口もありがたいと思うべき
→悪口はつまり「あなたには敵わないと」というメッセージ
→もし耳にしたら、「気にしてくれてありがたい」と言おう。自分の評価も高めることに
→君子は交わり絶ちても悪声を出ださず(史記)
・口は災いのもと。気をつけよ
→交渉上でも相手にさらけ出すことになり、圧倒的に不利
→口は乃ち心の門なり。口を守ること蜜ならざれば、真機を洩らし尽くす(菜根譚より)
(口は心の門である。口にしっかり守らなければ、心中の機密が全部外に洩れてしまう)
最後に
「知難行易」
実は「知る」ことが最も難しく、行うことは簡単だ。という中国古典の言葉
日本の言うは易く行うは難しの逆
中国古典では、「知る」ということは単に知識ではなく、実践して「心から理解すること」を指し、その難しさを記してある。
また、効率化のノウハウが多数ある今、効率化を図ることと効率を得ることは決してイコールではない。
あえて効率を重視しないだけで。他の人と違うポジション取りができるかもしれない。
テクノロジーが進化し、様々な変化のスピードが早い今の時代。
他の人といかに違うポジションをとり、「競争しない状況を作れるか」が大事なのかもしれない。
参考本
経営者のバイブルとして有名
・論語
・孫子、韓非子
大きな視野を与えてくれる
・老子、荘子
中国の正史
・史記
策士のエピソード満載
・戦国策
有名どころ
・三国志
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