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アゼルバイジャン暮らしの日記

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アゼルバイジャンの首都、バクーに暮らして5年目。2024年は新年の試みに、日記を綴ります。日々の出来事や、心に浮かんで沈む泡々を。
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#note書き初め

【アゼルバイジャン暮らしの日記】新年、心を濯ぐ。

【アゼルバイジャン暮らしの日記】新年、心を濯ぐ。

2024年1月4日

「日本は大きな地震だってね」
サウナの熱気の中で、ペシュテマルというハマム用の布を、頭にぐるぐると巻いた初老の男性が、声のトーンをひとつ落として言う。
「たくさんの人が亡くなっています。」私は答えて、能登の位置関係を説明しながら、以前見たあの海辺の風景を感傷的に思い返していた。そんなふうに、私たち日本人の今年の年明けの風景には、深々とした亀裂が走った。その黒々とした疵の跡を、

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