ヒステリア・シベリアナ|岡田環

アゼルバイジャンより、旅の写真とものがたりを集めたウェブマガジンをお届けします。ただいま、バクーでの日々の暮らしの泡々を記録する日記を(毎日)更新中。 私達は、鍬を忘れ農地を捨てたシベリアのの農夫だ。太陽はもうすでに赤く傾いている。

ヒステリア・シベリアナ|岡田環

アゼルバイジャンより、旅の写真とものがたりを集めたウェブマガジンをお届けします。ただいま、バクーでの日々の暮らしの泡々を記録する日記を(毎日)更新中。 私達は、鍬を忘れ農地を捨てたシベリアのの農夫だ。太陽はもうすでに赤く傾いている。

マガジン

  • アゼルバイジャン暮らしの日記

    アゼルバイジャンの首都、バクーに暮らして5年目。2024年は新年の試みに、日記を綴ります。日々の出来事や、心に浮かんで沈む泡々を。

  • 2023年の『旅する台所』アーカイヴ

    『旅する台所』では毎号、世界の各地を、暮らす感覚で旅する【旅日記】と、見知らぬ土地で生きる日常を、スケッチのように描き留めた小さなお話【物語】を届けます。どちらもサブテーマは、料理。旅という非日常が、料理という毎日の営みを通して日常に溶けてゆく。生きる、旅する、料理する。そんな旅と料理のスタイルを模索するウェブマガジンです。 01号では、オランダ、スロベニア、スリランカ、を旅します。焦がれるような旅への渇望を吐露するしたエッセイ『私は、ずっと旅の途中みたいに、生きていたいんだ』、や、各地で口にしたお茶をモチーフに、世界各地を流浪するみたい巡るエッセイ『あるいはそれは、夢だったのかもしれない』、喪失と再生の物語『恢復するたましい、草と花のちから』等、6本収録。

  • 2022年までの『旅する台所』アーカイヴ

    2022年までの『旅する台所』有料記事です(今後の追加はありません)。

最近の記事

【アゼルバイジャン暮らしの日記】ヒンカリ、ドゥシュベレ、ギュルザ…餃子はシルクロードで旅をした。

2024年1月21日 長いドライブの車の中で、たくさん音楽を聴いて、歌も歌った(アラニス・モリセットとか、カーディガンズとか、オエイシスとか、クランベリーズとか。90年代!)。帰宅して、彼が大量の洗濯をしている間に、簡単に夕食に支度をする。アゼルバイジャンにも、冷凍のヒンカリがあったので、買ってみたものを茹でる。ヒンカリとは、ジョージアの巨大な水餃子みたいな料理で、中にたっぷりの肉汁の詰まっているのが美味しくて、ジョージア旅行の間にすっかり私たちの気に入った。それにサラダ、

    • 【アゼルバイジャン暮らしの日記】暮らしと旅の境界を溶かす。

      2024年1月20日 今日のアゼルバイジャンは喪に服している。1990年、ソ連邦からの独立の混乱時に起きた大虐殺の慰霊の日。毎年、この日は雪が降るね、あの夜も雪だった。34年前を知るひとはまだたくさんいる、歴史と呼ぶにはあまりにも生々しい。 とはいえ休みなので、私たちは旅に出た。 我々は、年じゅう週末になるとあちこち小さな国内旅行やホテル暮らしをしていて、夏休みと冬休み(とできたらゴールデンウィーク)は少し長い外国の旅に出る。しょっちゅう旅行に行っているわりに、しかし私

      • 【アゼルバイジャン暮らしの日記】自己紹介には、暗号を仕込んで。

        2024年1月19日 お友だちと、コーヒーモーニング。 夫の転勤について来て、駐在員(の配偶者)仲間たちのコミュニティで社交をするようになると、あちこちのコーヒーモーニングに参加することになる。子どもが学校に通っている場合は、その保護者たちのコーヒーモーニング、チャリティのプロジェクトに参加していればその団体のコーヒーモーニング、といった具合に〇〇の会のコーヒーモーニングは無数にあるけど、要はまあ、朝に集まってさっとお茶を飲みながら、おしゃべりをする会だ。持ち回りでお家に呼

        • 【アゼルバイジャン暮らしの日記】今日は料理をやれる日のたま。

          2024年1月18日 昨日インプラントの治療で切開した傷が痛いし、なんだか熱っぽいので、今日は予定を全部キャンセルして、休養することにした。 お弁当作りもやっつけ仕事で、昨晩の残りもの(豚肉炒め)に、常備菜(ほうれん草の胡麻和え、パプリカのきんぴら)を詰めて、卵焼き(これは朝作った)でおしまい。アゼルバイジャンでは、ほうれん草は冬場の今しか出回らないので、手に入るうちにせっせと食べる。スーパーマーケットで、ターヒンというトルコの白練りごまが買えるので、それに醤油と砂糖を少

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        • アゼルバイジャン暮らしの日記
          18本
        • 2023年の『旅する台所』アーカイヴ
          7本
          ¥600
        • 2022年までの『旅する台所』アーカイヴ
          7本
          ¥500

        記事

          【アゼルバイジャン暮らしの日記】赤ちゃんは希望のひかり。

          2024年1月17日 朝は6時に起きる。夫のお弁当を作って、朝食を一緒に食べ、会社に送り出してから、時間のある日はねこと少し昼寝(朝寝)したりもする。最近のねこは、夜中にしばらくはしゃいでいて、昼間は8割方眠っているので、さすがにそれは寝過ぎではないかと心配になって調べてみたら、どうやらねこの生活とはそういうものらしい。 昼、もうすぐ二人目の赤ちゃんの産まれる(予定日は来週)のお友だちに会いに行った。赤ちゃんを授かったそのごく初めの時から知っているので、なんだか感慨深い。

          【アゼルバイジャン暮らしの日記】赤ちゃんは希望のひかり。

          【アゼルバイジャン暮らしの日記】なんでもない日おめでとう。

          2024年1月16日 寒い。 今日は何も外出の予定がない日。一日パジャマで暮らそうかと思ったけれど、良識ある大人なのでそうもいかない(お掃除のおねえさんたちと水漏れ修理の工事人たちが来る)。重い腰を上げて、のろのろとシャワーを浴びて着替えた。 毎朝、朝食を食べることにした(新年の抱負)。 今朝は、鯖の缶詰で汁ものを作っておいたので、それを温めた。具材は、鰹だしにじゃがいも、大根、玉ねぎ、ほうれん草と、鯖の水煮缶を汁ごと。そこに味噌を溶き入れて、生姜のすりおろしたのをたっぷ

          【アゼルバイジャン暮らしの日記】なんでもない日おめでとう。

          【アゼルバイジャン暮らしの日記】漏水と南極と寿司と鴨しゃぶ。

          2024年1月15日 週末に出かけているうちに、客間のバスルームで、上階から漏水があり天井から水が滴っているという厄災。瀟洒な縁飾りの付いたバスルームの天井に、薄茶色のしみが広がっている。まあこういうのは仕方がないよね、と半ば諦めの境地で大家さんに電話。マスチェル(工事人)を寄越してくれるそうだ。 月曜日。朝のうちに、食料品の買い物に出かける。のんちゃんが近所の大きなスーパーマーケットに、車で連れて行ってくれる。(私は壊滅的に運転が苦手なので、アゼルバイジャンでは運転をし

          【アゼルバイジャン暮らしの日記】漏水と南極と寿司と鴨しゃぶ。

          【アゼルバイジャン暮らしの日記】ホテルで暮らす。

          2024年1月14日 年末の長い旅行から戻ってもまだ、なんだか旅の気分が抜けないので、週末に近場のホテルに滞在してみた。とはいえ、遠出するわけでもなく、ラグジュアリーなホテルでのんびりと優雅に滞在というわけではなく、こじんまりとした小さなホテルで、非日常感を味わいつつ少し仕事をしたり、書きものをしたりして過ごした。 荷造りから楽しい。ふたりで一泊だから、小さなスーツケース1つで充分。いつものポーチにトイレタリーや常備薬は詰めてあるので、それを放り込む。スキンケアだけは、時

          【アゼルバイジャン暮らしの日記】ホテルで暮らす。

          【アゼルバイジャン暮らしの日記】毛糸の靴下の暖かさと、その先へ。

          2024年1月13日 週末から大寒波が来るとの予報。雨は朝方に雪になった。 北海道生まれなので、寒いのは好きじゃないけれど慣れている。反面、暑いのは好きだけれど、不慣れだ、すぐに熱中症みたいになる。寒冷地仕様のこの身体。バクーの家は、ラディエーターの集中暖房なので、一日中ふんわりと暖かく快適。北海道の家と似ている。とはいえ気候は東京の冬とさほど変わらないくらいなので、外もそんなに寒くはならない。雪も年に数度降る程度。 毛糸の靴下が好き アゼルバイジャンは、牧羊の歴史が

          【アゼルバイジャン暮らしの日記】毛糸の靴下の暖かさと、その先へ。

          【アゼルバイジャン暮らしの日記】外国語は私の窓。

          2024年1月12日 朝起きるのが億劫で、やっつけ仕事で夫のお弁当。今日は焼きそば(カッペリーニ、キャベツ、人参、玉ねぎ、ベーコン、ソース味)。 朝、ジムに行ってのんびり体を伸ばす。これが習慣になればいいな。朝のサウナも心地よい。そのあと少し眠くなるけどね。 お昼は、大好きなエスミラさんと待ち合わせ。エスミラさんは、長年アゼルバイジャンの小・中学校で日本語を教えていらっしゃる。ソ連時代からの美しいインテリゲンツィアの伝統を体現したような方で、芸術や文化に造詣が深くて、自

          【アゼルバイジャン暮らしの日記】外国語は私の窓。

          【アゼルバイジャン暮らしの日記】さようならに思う。

          2024年1月11日 鏡開きなので、夫の朝食に、秘蔵の懐中しるこを出した。お餅も足して。彼は甘いものが好きなので、うれしそう。もうお正月気分も終わりだね、と私が言うと、今年はそもそもあまり祝祭感がなかったね、と。まさにその通り。 出勤する夫を見送って、昨晩から仕込んでおいた、パンドカンパーニュの種を焼き上げる。すごく久しぶりに焼いたので、なんだか勝手が掴めず、少し過発酵気味で、クープがあまり開かなかった。You Tubeで見た、切り込みにバターをのせる方法を試したけれど、

          【アゼルバイジャン暮らしの日記】さようならに思う。

          【アゼルバイジャン暮らしの日記】年の初めは、『くるみ割り人形』で。

          2024年1月10日 妹の誕生日。おめでとうとメッセージを、元気そう。しかしあとで別件で母と話したら、なんだか体調が悪そうとのこと。去年手術をしているから、心配。でもなかなか忙しくて大きな検査にも行けない様子。かといってなにか現実的に力にもなれない遠距離からでは、私はなんのアドバイスもできないし。だから妹も、表面的には元気、と楽しそうな様子だけを送ってよこしたのかもしれない。こうして家族と離れて暮らすのは、時々自分がとても役立たずだと感じる。 朝、ジムに行く。プリーティは

          【アゼルバイジャン暮らしの日記】年の初めは、『くるみ割り人形』で。

          【アゼルバイジャン暮らしの日記】バザールで、物語のあるお買いものを。

          2024年1月9日 今日はジムに行かず(いきなり頓挫)。 朝、出勤して来たお手伝いさんが、ちょっと来てと台所に呼ぶのでゆくと、どうぞと蟹をくれた。そんなめずらしいものを!と驚くと、年始のお祝いにもらったのだけれど、料理の仕方がわからないから、と。蟹は大好きなので、喜んでいただく、ありがとう。渡り蟹の大きいのみたいな蟹。何にしよう?パスタかな、甲羅揚げかな。 午後は、新しく着任した料理人の方に、バザールを案内する約束をしたので、出かける。アゼルバイジャンでは、季節の野菜は

          【アゼルバイジャン暮らしの日記】バザールで、物語のあるお買いものを。

          【アゼルバイジャン暮らしの日記】おしゃべりが楽しい。

          2024年1月8日 風邪は思ったよりもひどくならなかった。 昼は、お友だちに会いに行った。今はイタリアに住んでいるけれど、婚約のお披露目で一時帰国しているアゼルバイジャン人のお友だち、ニギャールさん。彼女は、群馬大学にも留学していたので、日本語も堪能だ。嬉しそうに、パーティーの写真や婚約者の写真を見せてくれる姿が可愛い。もともと華やかで可愛らしい人だけれども、こういう幸せに満ちた姿は本当にきれい。ぱっと花が咲いているみたい。一緒にでかけたのんちゃんと(のんちゃんとニギャー

          【アゼルバイジャン暮らしの日記】おしゃべりが楽しい。

          【アゼルバイジャン暮らしの日記】ちょっとダウン。

          2024年1月7日 正教会のクリスマス、アゼルバイジャンではなぜか今年は「平日」扱いとなった日曜日。 2週間とちょっとぶりに、夫出勤、私はお弁当を用意してあげる。久しぶりすぎて緊張して6時の目覚ましの前に目が覚める。天気予報を聞いて、洗顔して(蒸しタオルでぷふっと顔を温める。いい気持ち)、簡単に身支度して、キッチンへ。ご飯を炊いて、おかずを作って(今日は鶏むね肉のバターぽん酢焼き)、卵焼きも焼いて、お味噌汁は今日はインスタントでいいや。時間があったので、丁寧に作れた、彩り

          【アゼルバイジャン暮らしの日記】ちょっとダウン。

          【アゼルバイジャン暮らしの日記】冬休み最終日。

          2024年1月6日 休暇最終日。(なぜだか日曜から出勤の、今年のアゼルバイジャンの年末年始休暇カレンダー)。 今日のうちに済ませておきたい用事をあれこれと。夫に車を出してもらい、大きなスーパーマーケットに出かけて、重い食材をまとめ買い。朝の開店直後スーパーマーケットはとても気分がいい。空いているし、品物は補充されたばかりだし。果物と野菜をたくさん買って、牛もも肉と鶏むね肉、牛乳と豆乳、鯖の缶詰などをカートに入れた。猫の気に入りのえさもセールだったのでまとめ買い。それに洗濯

          【アゼルバイジャン暮らしの日記】冬休み最終日。