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【アゼルバイジャン暮らしの日記】今日は料理をやれる日のたま。

2024年1月18日

昨日インプラントの治療で切開した傷が痛いし、なんだか熱っぽいので、今日は予定を全部キャンセルして、休養することにした。

お弁当作りもやっつけ仕事で、昨晩の残りもの(豚肉炒め)に、常備菜(ほうれん草の胡麻和え、パプリカのきんぴら)を詰めて、卵焼き(これは朝作った)でおしまい。アゼルバイジャンでは、ほうれん草は冬場の今しか出回らないので、手に入るうちにせっせと食べる。スーパーマーケットで、ターヒンというトルコの白練りごまが買えるので、それに醤油と砂糖を少し加えて和え衣にすれば、あっという間にできる。一度に多めに作っておいて、常備菜に。これはこの間のお料理教室でも好評だった、世界各国万人受けする味なのだと思う、それに何より簡単にできるし。

ほかほかに保温できるお弁当箱を持って出勤する夫。

私は料理はけっこう好きだけれど、やる気にむらがあるので、「料理をする日」と「全然やらない日」がある。やる気のある日は、作り置きをしておいたり、シチューや煮込み料理を仕込んだり、せっせと秋の終わりのりすのように冷凍庫や冷蔵庫に備蓄する。その「やれる日のたま」の預金に支えられて「だめな日のたま」は暮らしている。今日は、家で少し料理をしようかな、「やれる日のたま」がそう言った。

寒い日は、料理が楽しい。火を使うので、台所が暖まるのもいい。

お昼、のんちゃんが来たので、ふたりでスパゲッティを茹でて食べる。このあいだ作って美味しかった、鯖缶のペペロンチーノ。鯖の水煮缶はロシア製のものが手に入るので、貴重な魚の補給源。にんにくと鷹の爪をオリーブオイルでふつふつと煮たところに、鯖缶を汁ごと加えて、ざっと煮立てて乳化させる。ここでブロッコリーをちょこっと加えた。スパゲッティはしっかり塩味をつけて茹でると、味がきりっとする。固めに茹であがったら、フライパンに加えて、さっと煮汁を吸わせたら出来上がり。

のんちゃんがブリンザ(フェタチーズみたいな白い羊のチーズ、きゅっとしょっぱい)とトマトとアボカドでサラダを作ってきてくれたので、それにレモンとオリーヴオイルをかけて食卓へ。ギリシャ人のお友だちが、これねギリシャと同じ味だから、と勧めてくれたローカルブランドなのだそう。確かに美味しい。パスタにも、ぎゅっとレモンを絞る。アゼルバイジャンのレモンの旬は冬なので、たくさん使う。途中でちょっとお醤油もかける。のんちゃんと、心の味!といって笑う。何と言っても、この旨味っぽい醤油の味は好きだ。魚くさい料理には特に。

主婦ランチの定番は、パスタ。

食後にお茶を飲んで、ビスケットを食べる。イギリス時代に大好きだった、グラハムビスケットにミルクチョコレートをかけてあるやつ。おしゃべりの合間に、低温調理のローストビーフも仕込む。これは機械にかけておくだけだから、らくちん。それから、これまた放っておくだけの田舎風のパンも仕込む。日本語でパンドカンパーニュの作り方を調べると、加水率を細かく計算したり、モルトパウダーを加えるとか、なんだか本格的なレシピがたくさん出てきて緊張したけれど、英語のYouTuberさんたちのレシピを見ると、カップで大まかに計量していたり、あまつさえ計量さえせずぐいぐいと目分量で進める猛者がたくさん登場してくれるので、とても勇気づけられた。その中で、私はウクライナ系アメリカ人のマダム(大まかカップ計量系)と、イタリア人の「私のおばあちゃんはこうやっていた」を紹介してくれるマダム(過発酵気にしない系)の手順を参考にやってみることにした。

私はパン作りは意外と経験があって、勘所は抑えているつもりだけれど、明らかに加水が多い。ゆるゆるの生地だなと思いつつも、ニーダーがこねてくれるのを不安たっぷりに見守った(私は調理機械をすぐ買う傾向があって、パンこね機ももちろん持っているのだ)。2時間ほど放り出しておいて、一次発酵が終わったら、二回目の発酵の代わりに、生地を折り込んでは30分休ませる、を3回繰り返す。このあたりも、私にとっては新しいやり方なので少し不思議。なのでバヌトン(柳のかご)で発酵させることができなくて、適当に丸めて鉄鍋に入れて高温のオーヴンで焼いて、と蓋を開けてみるまでどきどきして待っていた。そうしたら、今までにないほど生地も立ち上がっているし、クープも開いていて素晴らしい焼き上がり。びっくり、うれしい。

むしろ今まで焼いた中で一番の出来!

夜な夜な、のんちゃんちにおすそ分け。朝食が楽しみ。

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