エッセイ　「35歳からの婚活」

ああもう私年下の男の子には相手にされないわ。
もう35？　ババアじゃん、って言われた。会社の同僚に。
その人は43なのに、、

この歳で結婚もできないかもしれない。
誰かに甘えたい。
毎日独りで辛いよ、寂しいよ。
昔から独りで生きていく予行練習をしてきたのに、
これからもずっと独りで生きていけると思ってたのに、こんなところでダメになるなんて思ってなかった。
あと40年くらい生きなきゃいけないのに、今からこんなんじゃこれからどう生きて行ったらいいか分かんないよ…

それなら婚活パーティーにでも行ってみたら？
それも中年以上のね。
50代、60代、70代…とかの。
そこに行ったらきっとあなたはモテるよ。
ダントツで人気。
ちやほやしてもらえる。
おじ様達はあなたを思う存分甘やかしてくれるし、ちゃんと愛してくれる。
もちろん毎日欠かさず連絡もくれるだろうね。
他の男を匂わしてみ？　本気でヤキモチ妬いてくれる。
片時も離れずそばにいてくれるから、もう悲しむことなんて一生ないよ。
私が約束してもいい。

その婚活パーティーの中で、一番いいなって思う人をあなたは選べばいい。
そう、その中で一番かっこよくてお喋りも楽しくておしゃれで、他のおじさん達とは少し違って、雰囲気がある人をね。

その人は言うだろうね、自分はバツイチだと。
そして、このような会に参加するのは初めてだと。
そして、初めて参加してみたら君のような素敵な女性に出会った、と。

あなたはわかるかな。
それがその中で一番ヤバい男だということを。

あなたは出会ってしまう、自分を諦めたとき、自分を下げたとき、何気なく参加した場所で。
あなたの人生を破壊する人物と。

女遊び、もちろんするだろうね。
バツイチ、本当かな？　バツ2、バツ3それ以上かもしれないよ。
そりゃギャンブルもやるだろうね。
もしかしたら働かないかもね。
実家暮らしで親のスネ齧ってるかもね。

あなたはその人が一番素敵だと思った。
あなたのフィルターを通して。
（他の女性は違ったかもしれない）
それであなたからの好意をその男がキャッチした。
（同類ということ）
あなたは本当は同世代か少し若い男性と付き合いたいと思ってる。
でも相手にしてもらえないから、友人のアドバイス通り自分をまだ相手にしてくれそうな、それも歳の離れた人のところに行く。

そして、まあ悪くないな、許せるなくらいの人と新しい未来を始めようとしてる。
気づいているか？
全ては妥協の上に成り立ってる。
そして全ては心の弱さから来ている。
これでいいのか？
何度同じこと繰り返すの？

自分を変えなきゃ同類の人としか出会えない。
そして、その人がいかに最低でも素敵だと錯覚してしまう、不思議。