今年のレシピ本大賞
すべての新刊、・既刊が対象に
本に関する賞は数多くありますが、一般の読者視点での「本屋大賞」は近年、大きな存在になった感があります。受賞作がマスメディアでも取り上げられるなど、発表の時期には話題になっています。
料理本には「レシピ本大賞」があります。今年で第6回目。発表される9月には大きな書店では特設コーナーも設けられ、年々、出版関係者からは期待が高まっている感もあります。
これまでは刊行期間が1年間と限定されていましたが、今回からは奥付年月日2019年3月31日までの全ての新刊・既刊を対象と大きく募集内容が変わりました(過去に受賞した作品はエントリーの対象外)。募集とあるように「レシピ本大賞」は版元(出版社)がエントリーフィー(参加料)を支払い、応募する仕組みです。ここが、すべて書店員の投票で選ばれる「本屋大賞」と大きく違う点です。すなわち、出版社がお金を払ってエントリーしない限りは、どんなに売れた本でも受賞できないということになります。
一次選考通過作品が発表
6月19日に全エントリー130タイトルが公表され、そこから一次選考通過作品が発表されました。発表されたのは、以下の通り。
*料理部門:大賞:上位30作品
*料理部門:絵本賞:上位5作品
*料理部門:エッセイ賞:上位5作品
*料理部門:コミック賞:上位5作品(4作品エントリーのため全点通過)
*お菓子部門:大賞:上位5作品
選ばれたタイトルは以下から。
第6回料理レシピ本大賞一次選考通過作品
版元の期待度
全エントリーされたタイトルを版元別にみると、レシピ本を多く出しているところはだいたいエントリーしています。世界文化社、KADOKAWA、主婦の友社、主婦と生活社、文化出版局、学研、講談社、小学館など。一方エントリーしていないところはと探してみると、グラフィック社(『一汁一菜でよいという提案』(土井善晴)などを出版)、アノニマ・スタジオ(高山なおみの著書を出している)、マイナビ(ワタナベマキ、若山曜子、市瀬悦子などのレシピ本多数)、集英社(集英社インターナショナルからはエントリーしているが本体はない)などです。
今年は出版期間を限定しなくなったため、流通している(絶版でない)すべての料理関係の本が対象になりました。その数は膨大かと思います。とても数え切れない。うちに在庫があるのほほんの一部です。その膨大な本の中から、主に版元の思惑で、エントリーが決められたのでしょう。
全エントリーされたタイトルから、上記の選考作品が書店選考委員にて選ばれたわけです。ここから7月下旬に特別選考委員選考会、協賛社選考会によって最終のタイトルが決まります。どんな本が選ばれるのか。興味深いものがあります。
ご支援いただきましたら、店で販売する本の仕入れに使わせていただきます。よろしくお願いいたします。