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誰もが口ずさめる歌の中に、込められた想い。

2020/8/21 歌記録no.3「パプリカ」Foorin

この曲を知らない人って、多分日本にいないんじゃないかな。
子供から大人まで、歌って踊れる、
Foorinの可愛らしい子たちが楽しそうに歌うこの曲が、
私はとても大好きです。

今日は、その「パプリカ」についてまとめていきます。


「パプリカ」について。

NHKが「2020年とその先の未来に向かって頑張っている全ての人を
応援するプロジェクト」として開始した
「〈NHK〉2020応援ソングプロジェクト」による応援ソングとして、
米津玄師さんが作詞作曲・プロデュースした「パプリカ」

2018年8月に通常盤と初回限定盤がリリースされました。
「パプリカ」は鋭利目的で発売できないことから、
CD販売の収益や印税などは「スポーツ振興基金」へ寄付されて、
次世代アスリートの育成などに使われているそうです。

2019年12月に開催された「第61回日本レコード大賞」で、
日本レコード大賞を受賞しました。
歌唱したFoorinは史上最年少での受賞者となったそうです。
大賞を受賞が決定した時、既に夜遅かったせいか、
Foorinのメンバーは全員会場を出ていたので、
代表して萌乃ちゃんが電話越しで対応していたのを覚えています


誕生秘話

「子供の頃から、わかりやすい大きな応援ソングというものに対する
嫌悪感がすごくあった」という、米津玄師。
応援ソングを手がけるにあたって大事にした「小さな世界」

話をもらった時、いくつかのキーワードがあった。
①歌って踊れる応援ソングである
②歌う人は自分以外の人間である
③この曲を歌う人は、名の売れている人ではない

イメージは、「ルフィ海賊団」

自分の原体験であるマンガやバンドでも、
5人くらいが一つのチームになって、色々なキャラクターたちが
相互作用を起こしていくのを見るのがすごく好きだったんです。
そういう意味では、まず萌乃とひゅうがの二人が決まって。
その二人を中心に、あとはどういうキャラクターがいたら
いいかを考えて決めていきました。簡単に言うと、
「ルフィ海賊団」を作るみたいな感じでしたね。

この5人がいたから出来た曲。

自分が5人を見ながら思ったこと、思い出した子供の頃のこと、
そして今の27歳の自分がいいと思えるもの。それを全部合わせて
作らなければ、子供のためにならない。そう思いましたね。

大きな応援ソングへの嫌悪感とは。

わかりやすく大きなもの、広いもの、壮大なものに対する不信感は
まず第一にあって。たとえば、いろんな応援ソングを聴いても、
すごくいい曲だけど、
あそこで歌われてる歌詞を、俺は信じられないんですよ。
そういう人間として生まれ育ってしまったんです。
だから、自分はそれとは違う応援ソングを作らなければならない。
そういうデカいものじゃなくていいと思ったんです。
小さな物語の中に5人がいて。小さな中で巻き起こっていることが、
最終的に、童謡とか、日本の風土感とか、ある種のノスタルジーとか、
そういうものを通過して、NHKという大きなものの中で、
結果としてそれが大きくなっていけばいい。
自分が作れる応援ソングというのは、
そういうところにしかないんだろうなって感じですね。

誰かを応援するということ。

子供が歌って踊れる応援ソングというオーダーがあって、
でも、実際に作る時点で「子供に応援ソングを歌わせるって、
どういうことだろう?」ってハタと気付いたんです。
本来、子供って応援される側の人間じゃないかって。
「俺は何をやってるんだろう?」みたいな感じになって。
子供が歌う応援ソングというのは、
イビツなことだと思うようになって、なおさら「頑張れ」とか、
そういう言葉は死んでも歌わせられないと思った。

「応援ソング」としての機能。

NHKで撮影をして、その後に打ち上げをしたんです。
それで最後に話すことになって。
「何喋ろうかな」って思いつきで出てきた言葉があった。
そこで、これから先、5人にはつらいことが増えていくかもしれない。
いつか夜中に一人で部屋の中で泣くような日もくるだろう、
でも、そうなったときに、10年前、15年前に『パプリカ』という曲が
あって、Foorinというプロジェクトがあって、
ああいうことをやってたなって思い返して、
それが何らかの祝福になってほしい、
そういう存在であってほしいという話をしたのを思い出しました。


楽曲に込められた想い。

米津さんのインタビュー記事などを読んでいくうちに、
これは単なる応援ソングではなくて、
「10年後、20年後に大人になった彼等の背中を押してあげるような歌になるといい」そんな米津さんの想いが込められた歌ということが分かりました。

また、Foorinが歌う「パプリカ」と米津さんが歌う「パプリカ」。
曲調や歌詞は同じなのに、何か違って聞こえてきます。
Foorinが歌うと未来の曲、米津さんが歌うと過去・現実の曲、
そんな風に聞こえてくる。

子供から大人まで歌って踊れる楽しい曲ですが、
聞く世代にとって捉え方が変化する気がします。

23歳の今の私が聞いたら、
背中にソッと手を添えてくれる、そんな温かい応援ソングに聞こえます。
小さい頃描いていたものにはなれなくても、
積み重ねてきた経験は、いずれ何らかの自分の糧になる。

実際、思い描いてきた未来とは別の道を歩いています。
何が正解で、何が間違いなのか、今の私には全く分からない。

でも、何気ない今の生活が未来のためになることを祈って、
いつか「パプリカ」のように、鮮やかな色で花を咲かせられるように。


おりょう☺︎

歌詞

曲りくねり はしゃいだ道
青葉の森で駆け回る
遊びまわり 日差しの街
誰かが呼んでいる

夏が来る 影が立つ あなたに会いたい
見つけたのはいちばん星
明日も晴れるかな

パプリカ 花が咲いたら
晴れた空に種を蒔こう
ハレルヤ 夢を描いたなら
心遊ばせ あなたにとどけ

雨に燻り 月は陰り
木陰で泣いてたのは誰
一人一人 慰めるように
誰かが呼んでいる

喜びを数えたら あなたでいっぱい
帰り道を照らしたのは
思い出のかげぼうし

パプリカ 花が咲いたら
晴れた空に種を蒔こう
ハレルヤ 夢を描いたなら
心遊ばせ あなたにとどけ

会いにいくよ 並木を抜けて
歌を歌って
手にはいっぱいの 花を抱えて
らるらりら

パプリカ 花が咲いたら
晴れた空に種を蒔こう
ハレルヤ 夢を描いたら
心遊ばせあなたにとどけ
かかと弾ませ この指とまれ


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