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私が、「朝ドラ・おちょやん」から感じたこと。

2021/5/20 ドラマ記録no.41
「連続テレビ小説・おちょやん 最終回」

約半年、平日毎朝15分ずつ放送されていた「朝ドラ・おちょやん」
先週、千秋楽を迎え、無事幕を閉じました。

私はこの半年、ずっとずっと1話も欠かすことなく見続けて、
このドラマは、本当に凄かった、その一言に尽きる気がします。

主人公・千代という1人の女性の生き方も、
喜劇役者として貫き通した一平も、
戦争で夫を亡くしながらも、息子と強くなった、みつえちゃんも、
家を守り続けた、ごりょんさんと、だんさんも、
登場人物一人一人にしっかりとスポットライトが当てられていて、
苦しい環境で懸命に生きた姿が、とても印象的でした。

今日は、おちょやんを通して、
朝ドラ好きの私が感じたことをまとめていきたいと思います。


たった一回だけの、思いが込められた2人の台詞。

千秋楽で放送された「お家はんと直どん」という舞台。
千代の提案で、急遽追加されたセリフが、こちら。

千代:「もし、あのまま私ら一緒にいてたら、
    どないな人生があったんやろうな。」
一平:「そないなこと考えても、しゃーないがな。」
千代:「そうですな…今ある人生、それが全てですなぁ。
    あんたと別れへんかったら、
    大切な人たちと出会うこともできへんかった。
    あんさんも、私も、
    愛する我が子と出会うこともできへんかった。  
    あんたと出会って、辛い思いもぎょうさんしましたけど。」
一平:「それもまた面白い人生やったやろ、ワシのおかげやな。」
千代:「ほんまに、それ自分で言ってどないしますがな!」
一平:「なあ…てる。おおきに。」
千代:「…おおきに。なおどん。
    生きるっちゅうんは、ほんまにしんどおて、おもろいなあ!!

半年、千代の人生を見てきました。
親に捨てられて、というより千代が父親を捨てて、
大阪の道頓堀に奉公に出て、修行をして、
舞台を見るようになって、1人の女優さんに釘付けになって、
自分も女優を目指すようになって、
でも、ずっとずっと借金取りに追われている父親に付きまとわれて、
全財産を奪われて、唯一家族だった弟にも裏切られ、
その中で、小さいころから一緒だった一平と結婚して、
カンジを引き取って、戦争が起こって、舞台ができなくなって、
そんなこんなで色々あって、一平と別れて、
もう本当に、色々なことがあったんです。
こんな短い言葉じゃ全く足りないくらい、本当にいろんなことが。

その物語を見た上での、この千代のセリフ。

もう涙なしじゃ見られなかったです。
テレビの前で号泣して、幕が閉じるときは、無意識に拍手をしていました。
「千代、よく頑張ったね」って、呟いていた自分に驚きました。

生きるというのはしんどくて、面白い。

この一言に、どれだけの想いが込められているのか、
もう…たまらなかったです。


家族をテーマにした、壮大な名作ドラマでした。

これまで、朝ドラを見続けてきた私ですが、
ここまでグッと心を握られた物語は、この作品が初めてな気がします。
ここまで主人公に感情移入して、
頑張れって、良かったねって、言葉をかけたのは初めてです。

ストーリーも素晴らしいものでしたが、
何よりも、千代を演じたのが杉咲花ちゃんだったから、
というのが大きかったと思います。

この子はすごいです。
表情や、目の動き、目の力、仕草や動き、座り方、
いつ見ても、どこを見ても、花ちゃんの演技に魅了されます。
言葉にならない場所で、空白の場所で、
視聴者を引き込む、その魅力に私は釘付けになりました。

あと、一平を演じた成田凌くんも凄いです。
女癖が悪く、役者一筋、でもなんでか憎めない、
お爺ちゃんの役を演じていた時とか、
あの爽やか成田くんとは思えないくらい馴染んでいて、
本当凄すぎました。この方も、空白で魅せる演技が素晴らしい。

あと、カンジも。みつえちゃんも。とうこも。
かおりも、みんな、みんな。挙げだしたら、きりがない。笑


あと千代は、こんな言葉も言っています。

血が繋がってようがいまいが、そんなことはどうでもよろしい。
お互いが大切に思いあったら、家族だす。

結婚していても、結婚していなくても、
子供がいても、子供がいなくても、それでも家族はできる。
一緒に暮らして、お互いを大切に想っていれば、それはもう家族。
血が繋がっていても、血が繋がっていなくても、
そんなことはどうでもいい。と。

ずっと家族が欲しかった千代、やっとやっと家族を得た千代、
その姿が最後の方で見ることができて、とても幸せな気持ちになりました。

おちょやんは、モデルになった女優さんがいるとネットで見ましたが、
きっと、それだけじゃなくて2021年の今だからこその、
オリジナルのストーリーがあるんだろうな、って思いました。

おちょやんが伝えたかったメッセージって、上のセリフに尽きると思う。

どんな形であれ、人は家族になれるということ、
それを伝えていたのではないか、と。


家族という概念を、大きく広げてくれた千代。
強く強く強く生きた、千代。
千之助さんに「月のような役者」と言われた千代。

間違いなく、「おちょやん」は名作と呼ばれる朝ドラになるだろうなって、勝手に思っています。

「おちょやん」に出会えて、本当に良かった。


おりょう☺︎



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