日本のサウナBOYが、北欧で日本人Aに成り下がった話
皆さんはご存知だろうか。スモークサウナという悪魔的なコンテンツを。
かくいう私は、10年以上、サウナに通い詰める根っからのサウナBOY。
日本の各所のサウナを巡り、自宅の場所を「サウナの近く」という条件で探す者でございます。
仕事でデータサイエンスやITという最先端技術に浸かり、帰宅後サウナで汗を流し、水風呂に浸かるという生活をしています。休日はもっぱらゴルフにキャンプ。
30歳独身の贅沢の限りを尽くしております。
と思っていたのですよ。北欧に行くまでは。
圧倒的な勘違いでした。
日本のサウナしか知らず、サウナーを名乗っている小生のような全ての人に読んでほしい。
日本という狭い社会で生きてきた「サウナBOY」が、サウナの本場である北欧に道場破りに行き、コテンパンにやられた敗戦記を描いてみようと思います。
謂わば、グレイシーの道場破りにいった安生のようなもの。
井の中の蛙大海を知らずとはこのこと。
世界広さに圧倒された敗戦記と、そこから這い上がる私の恥辱に満ちた経験をご覧下さい。
※本日は、いつもとは違って旅行記でも書こうかなと思い立ちました。気軽に読んでください。
サウナを分かったつもりでいた私
前置きにも書いたのですが、私は「サウナ」という文化に対して、自分に自信があったのです。
医学的にも証明されている時間配分を守りながら、水風呂のあとに外気浴し、自然と会話してました。
身体に膜を纏わせる感覚に近づける最良の方法も10年間PDCAを回し続けています。
日本では、多くの人にサウナの魅力を伝え、多くのサウナーを生み出してきました。
その実績にうぬぼれていた私はサウナの本場で北欧にて、様々な洗礼を浴びることになります。
サウナの良さは下記記事にまと目ていただいているので、ぜひ御覧ください。さとなおさんの素晴らしい文章力で書かれています。
意気揚々と北欧に降り立った井の中の蛙
今回の北欧視察は、フィンランド・エストニアへの渡航となりました。
奇しくも、フィンランドはサウナ発祥の地。そこから飛行機で30分のエストニアの両国でサウナを体験することとなります。
簡単にご紹介しておくと、どちらも素晴らしい国です。
石造りの昔ながらの建造物が大切に管理されており、様々な歴史を感じさせます。
デザイン先進国でもある、フィンランドではゴミ箱にもデザイン性を感じますね。
何が言いたいかというと、旅行に行くなら本当におすすめの場所ということです。
人も少なく、自然も多い。これにサウナで健康になれるわけですから、おすすめしないわけにはいきません。
新婚旅行とかでいけたら良いですよね…(30歳独身の独り言)
さて、話を戻します。
北欧のサウナはどれくらい普及しているのか
まず私が北欧の方からされたのが下の質問。
北欧人「フィンランドの人口は550万人。ではサウナはいくつあるでしょうか?」
私「3万個…?」
北欧人「いいえ。300万個です。」
私「!!!!!!?????」
完全になめてました。
いや、日本のバスタブの割合くらいあるやん…
家に一個サウナあるってことやん…
すみません取り乱しました。
まあ、大混乱なわけですよ。
日本のサウナ背負ってきているくらいの覚悟ありますからね。
溢れ出る汗(サウナにまだ入ってない)を手で拭いながら、平静を装って話を聞くことが精一杯。
北欧から、右ストレートをガツンとお見舞いされます。
2000年以上PDCAが回され続けているという事実
FINLAND SAUNA JAPANのウェブサイトによれば、サウナの起源は、2000年以上前のフィンランドのガレリア地方とのこと。
そもそも食料保存の方法の一環として食材をスモークするための小屋が、沐浴をする場所へ変化して、今のサウナになったそうです。
いや。すごいな。サウナ。
我々がPDCAと呼ぶ、サービスの改善サイクルを2000年続けているわけです。
そりゃ、我々「人間」に合ったUXが実現できますよ。
整うって、そりゃ身体整いますよ。だって2000年も試行錯誤しているわけですから。
後述するスモークサウナという悪魔的なコンテンツを見ていただければ、いかに「幸せ」に必要なものが揃っていることがわかります。
とまあ、歴史の重みも感じます。じわりと効いてくるボディブロー。
北欧の貴婦人達の身体はどうなっているのか
さて、北欧のサウナの力強さに揉まれ、日本の自称サウナーの精神は、すっかりズタボロの日本人Aの精神と成り下がります。
とは言ってもサウナ自体は変わらんだろうと思いながら、街のサウナに入ろうと決意する日本人A。
下の画像がサウナの概観。おしゃれです。
入ると、目の前が見えない。
凄まじい蒸気。
そうです。ロウリュというやつです。
※ロウリュとは、サウナストーンにアロマ水をかけて熱い蒸気を発生させ、室内の温度を一気に上げて発汗を促すこと。
日本では、店員がアロマ水を管理し、ゆっくりストーンにかけていきます。
ある程度の節度を持った蒸気の立て方が実践されています。
しかしながら、北欧ではどうかというと、ストーンに水、かけ放題!!!
バケツと、柄杓がおいてあって、好きにして!という形式というわけです。
すると何が起きるでしょうか。
北欧の猛者たちが、水をかけまくるわけですよ。節度なんてあったもんじゃない。
蒸気というか、ほぼ熱湯の中にいる感覚になり、汗が吹き出ます(誇大表現ではなく、本当に吹き出ます)
人生最高の体温で水風呂へ向かう日本人A。
そこで目に映る衝撃の光景。
そこにあったのは、水風呂なんかではなく、海。極寒の海。
そう。サウナ施設は海沿いに設立されており、サウナを出たら、ほぼ凍った海に飛び込みます。
これが凄まじい。本当に凍る・死ぬと思いましたね。世界の果てまでイッテQとかであるやつですよね、これ。
しかしながら、罰ゲームかよと思って固まっていた日本人Aのそばで、北欧の貴婦人たちは平然と泳いでいます。
そこで、私はただの井の中の蛙だったと改めて認識します。
この貴婦人たちは温度というものを感じているのか。
これで「今日は寒いね」なんて会話してたら、叱ってやるぞ。
そして、極寒の外気浴。
・・・。
整いました。
完敗です。
もう打つ手がありません。申し訳ございません。調子乗ってました。
この、2000年に渡るPDCAの中で、今の北欧の猛者たちのサウナの入り方(通称サ道)は非の打ち所がありません。
負けを認め、かつ整った日本人Aは清々しい気持ちでホテルに帰っていきました。
いやあ!!!気持ちがいい!!!!
サウナ界の悪魔「スモークサウナ」との出会い
さて、そんな日本人Aと成り下がった私にトドメを指したのは、何を隠そう、スモークサウナというコンテンツ。
まずは下記写真を御覧ください。これがスモークサウナです。
通常のサウナは、ストーン、つまり石を温めて、部屋全体を高温にします。
が、スモークサウナは、石なんか入れません。ただただ、サウナの中で薪を燃やすという常人には理解できない部屋の温め方をするのです。
驚きなのは、スモークサウナには煙突がありません。
薪を燃やしたときに出る煙は、サウナ室内に充満していきます。
そんなときに、入ったら人間は一酸化中毒で死にますね。
つまり、温めている最中は、まだ入れないのです。
入れるようになるのは、薪を燃やしきってサウナを温め、さらに充満した煙を壁の隅などに開けられた小さな通気口からすべて逃がしきったときです。
なんかめんどくさいなあと思った方もいらっしゃると思います。
でも、北欧の方から言わせれば、この時間をかけられることこそが余裕という幸せなのだと教えてくれました。
ほぼ仙人みたいなこと言いますよね。でも本質かもしれない。
さて、日本人Aが、じっくり時間をかけてコトコト仕上げたスモークサウナに入るときが来ました。
入ってみると、非常に暗い。夜なのに、電気もありません。わずかに窓から入る光で幻想的な空間になっています。
中の温度はそこまで高くなく、その名の通り、スモークの良い香りに包まれます。
そこは、究極のリラックス空間でした。
身体の芯からじんわり温めてくれるそのサウナは湯冷めをしにくく、だけど汗が吹き出る不思議な現象をを身体に引き起こします。
サウナのその先の快楽を感じた瞬間でした。
そして、サウナを中心に、外で温めのお風呂に浸かったり、BBQをしながら、サウナ専用ビールを飲みます。(もちろん水着着用)
下の画像がサウナ専用ビール。これが本当に美味しい。
こんな幸せなことがあるのか。とその場にいた全ての人間が感じていたことでしょう。
こうして、北欧の洗礼を浴びた私は、負けを認め、スモークサウナに出会い、幸せいっぱいの帰国となりました。
スモークサウナ✕露天風呂✕BBQを日本に持ち帰りたい
本当に幸せな体験だったので、もっと多くの人にこの幸せを経験してほしいと思っています。
軽井沢などでこのコンテンツを作れば、東京で疲れ切った人を癒やすことができるのではないかとホンキで思っています。
もし、この記事に共感してくれる人がいれば、一緒に日本の疲れを癒やすことをしてみませんか?
記事に反響大きければ、クラウドファウンディングで資金集めをしてみようかと思っております。
最高の体験を提供してくれた、北欧に。そして、2000年の間PDCAを回し続けてくれた先人に感謝を込めて終わりたいと思います。
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