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朝8時半、カウンターでビールを飲んだ日の奇跡(後編)

昨日からの続き、出張帰りの朝、メンバーと共に朝から1杯やっていたときのいろいろな出会いの話。

昨日の記事はこちら↓

その女性はふと現れた。
最初どのように絡まれたのかはっきりと覚えていない。
気づいたら酔っぱらったおばあちゃんに絡まれている、そんな構図だったと思う。

一旦、我々の整理をする。
カウンターに3人、左にメンバーの最年少、さわやかな笑顔がウリで数々の女性をもてあそんできたであろう男性、ここでは仮名「東出」とします。
#芸能人ではないよ 
#コンフィデンスマン好きだったのに 
#あくまで仮名 
右隣にはメンバー最年長、頭がさらに磨きのかかった男性、ここでは分かりやすく仮名「和尚」にします。 
#あくまで仮名です 
#想像しやすいあだ名が重要 
そして真ん中に私という並び。

気づいたらそのおばあちゃんは和尚の背中に肘をつき、私に話しかけている。
お互い酔っていたせいか本当に何を話していたのかあまり覚えていない。
小柄だが頭にヘアバンドをし、服もオシャレに着飾っているおばあちゃん、声が大きく張りがある。

若いころは男と××して‥と可愛い顔を見せながら下ネタをいう事もあれば、過去の話をするときに時よりドスの利いた声と表情をみせる。
いろんな修羅場を乗り越えてきたんだな、おばあちゃん。

「一緒に金儲けしようぜ、お前(東出)は愛想がいいから営業マンだ、鼻から下は笑っているように見えて目は笑っていないからむいている。(一同爆笑)、お前(私)は、会計係でもやっておけ」
「この人は?」
肘掛けになっている和尚におばあちゃんの目線を向けさす。
「こいつは‥おがんどきゃいい、教祖様にしよう」
ということでおばあちゃんと共に作る宗教法人開業します笑

「こっち瓶ビール2本持ってきて!」
おばあちゃんがビール注文、我々のグラスに注いでくれる。
そしておばあちゃんは私が飲み終わったみそ汁のお椀でビールを飲みだす。

そんなおばあちゃんとも30分近く話をした、おばあちゃんと一緒に来ている方々も「また絡みだした」的な表情をしおばあちゃんを呼び戻したりしない。

「そろそろおばあちゃん我々行くわ」
お会計をし、おばあちゃんにもビールの御礼を言い、店を離れる。

お店を出て駅へ向かう。
10分ほど歩くと途中に神社があった。
おみくじを3人で引いた。
中吉・小吉・吉、なんとなく冴えない。
お守りが売っていた。

「あのおばあちゃんに私に行くか」
ふと私がつぶやく。
普段ならば全力で嫌がる2人だがお酒のせいもあるがそんなに反対されなかった。

10分来た道を戻る。
お店のドアを開く。
「あっ、おばあ?さっき店を出てタクシー乗り場に向かったよ」
タクシー乗り場に向かう。

「あっいた!」

タクシー待ちをしているおばあちゃん。
「さっきはありがとう、神社にいったからビールの御礼にお守り買ってきた、おばあちゃんと会社立ち上げないといけないから金運のお守りにしておいた笑」
驚くおばあちゃん、その後ろにおばあちゃんと一緒にいたグループのおじさん。
「わざわざありがとう」
嬉しそうだが喜びをうまく表現できないおばあちゃん、相変わらず強気にふざける。
一緒に写真を撮ろうという事に。
なぜか近くの宝くじ売り場店員にカメラマンをお願いし、そのあたりにいたおばちゃんにも一緒に写ろうとおばあちゃんが声をかけ、何だか訳の分からない集合写真になったが皆いい表情。

おばあちゃんに最後名刺を渡し、さようならを言う。
「おう、元気でな!」
最後まで強気なおばあちゃん。
エスカレーターで上がっている我々を見送るおばあちゃん、最後は目頭押さえていたね。

おばあちゃんの名前を聞いた、
「みゆきちゃん」

みゆきちゃん、連絡待っています。


でも、まずは和尚にお願いします!

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