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若者という素晴らしい種火を炎にしていく

いつも記事を読んでいただきありがとうございます。
「スカートとスピーチは短い方がいい」という記事を前回書かせていただきましたがその続き。
前回の記事はこちら↓

簡潔にまとめると、ある会社の経営計画発表会に参加し、100名くらいの参加している経営者の前で乾杯のスピーチをさせていただき、「スピーチとスカートは短い方がいい」というネタをぶっこみ、ややウケ(ちょっと滑っている)だった話。

この経営計画発表会、毎年、新入社員が皆の前で自己紹介する、というコーナーがある。
今回は5名の方が発表。
その中でも新卒の子2名を含む20代の若者が3名、非常に初々しい。


話を少し変える。

今、私は対話力を向上させるためにオンラインでセミナーを受けている。
講師は私が尊敬する対話力の達人。
以前から何度か記事にもさせていただいている。
対話力を学ぶ仲間の1人に23歳の男性がいる。
この男性は父親が経営者。
今は大学院に通っているが将来的には父の会社を継ごうと考えているらしい。

対話力がテーマのセミナーであるため、彼の事を深掘りする。
「休日は何をしているの?」
「父とアユ釣りに行くのが好きです」
「友達と遊びに行ったりしないの?」
「行くこともありますが、家で1人でゲームしたり家族で過ごしたりすることが多いですかね」

全く自分が23歳の頃とは違う。
両親と旅行に行くと言ったことは中学生以来ほとんど記憶にない。
彼の性格なのか、現代の若者のマジョリティなのか、コロナという環境がそうさせたのか。

このセミナー、自分を開示しやすくするためにそれぞれ自分でこのセミナー用のニックネームをつける。
ある40代の受講者はサッカーが好きなので「メッシ」、もう一人の40代の受講者も名前を文字って「みっくん」というニックネームになった。

しかしこの23歳の彼は言った。
「ニックネーム、どうしようか全く考えがつかなくって…、とりあえず「カイワレ」と呼んでください」

!!!

かいわれ?

「なぜカイワレ?」
「いや何となくふと思いついて」
「ふと思いつかないよね、カイワレって」

私を含む40代の他受講者は全く思考が理解できていない。
若者に対して知識や経験で教えられることがあるかもしれないが、我々が考えもつかない柔軟な発想を持ち合わせていることをまざまざと見せつけられた。


経営計画発表の話に戻る。
懇親会の乾杯は私だったが、締めの挨拶は先ほど話を出したセミナーの講師だった。
こういう大物がこういう式典では話をするにはふさわしい。

話が始まる。
乾杯の時よりもざわざわした会場だったが、講師の流暢かつ緩急をつけた話に皆、耳を傾けているのが分かる。

「本日の会では若い社員の方の紹介がありました。一人ひとり素晴らしい種火を持っています。その種火はまだまだ小さい。周りの大人が少し水をかけただけで、ジュっと消えてしまう。日本の社会、多くの会社がそうなっている。種火を大事に育て、大きな炎にしていく、他の会社がなかなか出来ていないことをこの会社はやってくれることでしょう。」

素晴らしい、会の内容を随所に織り交ぜながら皆を引き付けていく。
まさに対話の達人。
熱いメッセージを皆にぶつけるのではなく、そっと気づかせる、そんな話に魅了される会場。

「あっ、話がついつい長くなりました、スピーチとスカートは短い方がいい、だったな」

なんと私のやや滑った乾杯の挨拶も回収。
会場から拍手。
私は反射的に深く一礼。

この講師にとっては私も若者。
種火を消さぬようにしてくださったのだろう。

まだまだまだ学ぶことばかり。
周りの皆様から謙虚に学び、種火を炎にしていこうと改めて思います。

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