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母の誕生日は私から本人に教える

今日は母の誕生日だった。

母の認知症が発症してから約半年が経つ。


発覚してすぐのころは、

介護するための環境を整えるために

色んな施設に回ったり、

市役所から職員の方に来てもらって

面談を受けたりと、

バタバタとしていた。


とにかく何の契約につけ、

本人の個人情報を提示しなければならない。


名前、

住所、

年齢


この「基本3点セット」は、

介護施設だろうが、

病院だろうが、

宅配の弁当屋さんだろうが、

初期手続きで

必ず聞かれた。


そんな中、

母の年齢は

自称63歳だったり、

82歳だったり、

78歳だったりした。


というわけで

本人は自分の誕生日をどこまで自覚しているか

分からない。


今朝も朝一番で母に電話し、

ベタな演出だが

「はっぴばーすでー♪」

と始めた。


本人は素直に喜んでくれていたが、

自分の誕生日は

周りから教えてもらうこともあるのだな、と

なんだか不思議な気分になった。


さらに、

本日73歳になった母は、

私に向けて

「自分の娘が73歳なんて信じられないんじゃない?」

とあどけない感じで言ってきた。

つまり、

母は私の事を、

自分の母(つまり、私にとって祖母にあたる)だと思って

話しているのだ。


こんなやり取りも、

始めのころは

キツイ口調で修正していたが、

今となっては、

なんだか可愛く思えるし、

この際、

私の役が娘だろうが祖母だろうが

なんでもいいか、と思える。


以前は新しモノ好きで

スマホも最新機種が出る度に買い替えていたような

ミーハーな母。

今ではスマホの操作も忘れてしまい、

SNSからもすっかり遠のいてしまっていたが、

私のフェイスブックの通知に、

母が本日誕生日であることの通知が来たので、

返事が返ってくることはないが、

一応メッセージを投稿してみた。


すると、

数名ではあるが

私以外にも母のタイムラインにメッセージを入れてくれていた。


母の存在を承認してくれている人がいることと、

母が今まで周りの人へ接してきたことの反響が

見れたようで、

なんだか嬉しくなった。


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