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自信を持って間違いじゃないと言えること

美容師として長年働いているが、

何よりうれしい瞬間がある。


それは、

つきなみな表現だが、

お客様が喜んでくれたとき、である。


全てはこの瞬間のためにある。


カットの講習に通うのも、

ヘアセットの練習をするのも、

ヘアカラーの研究をするのも。


人をキレイにすることで幸せにする。

美容師ができる社会貢献のアプローチは、

こんな角度からだけである。


髪が整うことで

ちょっとした爽快感を得たり、

気分転換になったり、

少し大げさだが、過去との決別ができたり。


人がそんな幸せを味わう瞬間に

立ち会えるのは、

やはり何にも代えがたい喜びだ。


日々、

色んな事が起こる日常で、

気付けば

惰性に流されて仕事をしてしまっていることも

あるが、

お客様が喜んでくれたとき、

自分の存在価値を実感させてもらえる。


実は今日も、

そんな瞬間を得られる出来事があった。


初めてご来店のその方は、

強めのクセ毛がお悩みの女性。


クセで広がったり、

パサついたりするのを

何とかしたいが、

髪が細くて柔らかいので

ボリュームが出ずにペタンとしやすいのも

気になる。


クセを矯正したいが、

ボリュームは無くしたくない。

とのこと。


残念ながら

美容師と言えど、

現実的にできることとできないことがある。


その方のお悩みを全て

解決するのは、

現実的に難しかった。


そこで

質問を投げかけて

悩みの一番の“芯”を捉え、

なにをつけ足せば、

もしくは

なにを取り除けば

その方が

一番満足してもらえるかを

探っていく。


カウンセリングを

進めていくうちに、

その方は、

「チリついて

ツヤのない髪質が

一番気に入らない」のだ

と分かった。


そこで、

ストレートパーマで

しっかりとツヤを出し、

髪質を強めるトリートメントで

手触りと風合いを

整えさせてもらうことにした。


そうして

仕上がった髪形を

その方は大変喜んでくださり、

「人をキレイにして幸せにするのは

すごいことですね。」

とお褒めの言葉を下さった。


人の髪に直接触る仕事は

大変プレッシャーのかかるものである。


いつもいつも、

これで良かったのか、

これで合っているのか、

葛藤がある。


しかし、

人をキレイにすることで

自分が幸せを感じるこの感覚は

自信を持って

「間違いでない」と言える。




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