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中年は人生の黄金期

40代になると、

自分の老後をぐっとリアルに想像できるようになってくる。


とくに親の介護に関わってる人なら、

「老いる」ということが

具体的にはどういうことなのかが

嫌というほどよくわかる。


若者だった自分が

中年のおじさん、もしくはおばさんになったように、


おじさん、おばさんだった自分の親が

お爺さん、もしくはお婆さんになっていく姿を見て、


自分の将来と重ね合わせてイメージできてしまう。


年を取るにつれて、


なにを失い、

自分の心と体にどんな変化が訪れるのか。


私の母は、

若い頃、

好奇心旺盛で

バイタリティーのある人だった。


スマホはいつも最新機種をいち早く取り入れ、

操作が分からないときはケータイショップに足しげく通って

使いこなしていた。


料理が好きで、

テレビの料理番組で気になるレシピが出てきたら、

自慢の最新スマホでシュクショし、

アルバムにたくさん貯めたり、


レシピアプリをいくつもインストールしたりして

レパートリーを増やしては、

いつも食卓に新しいおかずを並べてくれていた。



しかし、

年を取って認知症になってからは、

新しいものへの興味がなくなり、

本が出せるほど頭の中にストックされていた

レシピも忘れて、

電子レンジの操作も分からなくなってしまった。


こういう変化は、

いつか自分にも必ず訪れるのだ。


中年というのは、

まだ若くてなんでもできる時期である。


ただ、

“若くいられるリミット”が残り少ないのである。


年齢的にうんと若い人は、

この先も当分は

若い時期を過ごせる。


中年の強みは、

「残り時間を意識することができる」ことである。


「いつまでも若いままでいられるという幻想」の中に生きていた

20代と違い、

生身の人間としての

限界を肯定的に捉えて、


どう生かすか、に焦点を当てて

考えることができる。


「いまのうちにできること」の可能性を探って、


自分の人生を今までないくらい大切にできる。


こんな風に、

「若くいられる」猶予が残っていて、

しかも

「なにが大事か分かっている」中年の時期は、

人生の黄金期である。

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